論理的読解(人文系の文章)- 問題3
問題
次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。
芸術作品の「オリジナル性」という概念は、近年大きく揺らいでいる。従来、芸術作品の価値は、その作品がどれだけ独創的で模倣されていないかという点に重きが置かれてきた。特に近代以降の芸術では、作家の独自の感性や表現が重視され、模倣や引用は否定的に捉えられる傾向にあった。しかし、デジタル技術の発達により、芸術作品の複製や加工が容易になったことで、この考え方は転換期を迎えている。現代のアーティストたちは、既存の作品を意図的に引用したり、改変したりすることで、新たな意味を生み出す手法を積極的に取り入れている。たとえば、有名な絵画の一部を切り取って別の文脈で使用したり、複数の作品を組み合わせて新しい作品を作り出したりする実践が広がっている。
このような創作の在り方は、実は決して新しいものではない。むしろ、歴史を振り返れば、多くの芸術作品が先人の作品を参照し、それを発展させることで生まれてきたことが分かる。例えば、古典音楽の作曲家たちは、民謡や宗教音楽のメロディを自身の作品に取り入れることを当然のこととしていた。また、浮世絵師たちも、先達の構図や題材を積極的に取り入れながら、自身の表現を確立していった。
ただし、こうした創作活動には新たな課題も生じている。デジタル技術による作品の改変や引用が容易になったことで、著作権の問題が深刻化している。どこまでが正当な引用で、どこからが権利侵害になるのか、その線引きは必ずしも明確ではない。また、あまりに安易な引用や模倣は、創造性の低下を招くのではないかという懸念も出ている。
設問
1. 古典音楽の作曲家たちは、民謡や宗教音楽のメロディを自身の作品に取り入れることを避けていた。
2. 芸術作品における引用や模倣は、近代以降になって初めて現れた手法である。
3. デジタル技術の発達により、芸術作品の引用や改変をめぐる著作権の問題が複雑化している。
4. 浮世絵師たちは、先人の作品を参考にしながら制作活動を行っていた。
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2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『SPI対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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