SPIの特殊計算は一見難しそうに見えますが、その本質は金額計算や数値計算などの他の計算問題と同じです。
これらはいずれも与えられた情報から立式し、正しく解くことが求められます。
したがって、特殊計算のためだけに特別な訓練をする必要はありません。
基礎的な計算力と情報を適切に用いる能力を養うことが重要です。
上述の通り、特殊計算のための特別な解き方が存在するわけではありません。
そこでここでは、SPIの計算問題全般を解く際のポイントを3ステップに分けてご紹介します。
計算問題で問題文を読み終えてまずすることは、求めるものを文字で置くことです。
文字で置くことで問題のゴールがはっきりとわかるため、そこまでの道筋も見えやすくなります。
実際の問題で確かめてみましょう。
【問題】
ある親子は今、母親が32歳、子供が4歳である。母親の年齢が子供の年齢の2倍になるのは何年後か。
【解答・解説】
D.24年後
求めたいものをxとおいて、条件を表す式を立てれば簡単に求まる。
いまからx年後に「母親の年齢が子供の年齢の2倍になる」とする。この時以下の条件式が成り立つ。
よって24年後。
ちなみにこのとき母親は56歳、子供は28歳。
この問題で求めるべきは「何年後か」です。なのでまず、答えは「x年後」のようになるはずです。そこで、求めるものをxと置いてみると、xに関する式を立てることができ、答えを導くことができます。
「問題文を読んでも全然意味がわからない」という場合でも、とりあえず求めるものを文字で置いてみると、そこから思考が始まることも多くあります。
求めるものを文字で置いてもよくわからない場合は、そこに簡単な数字を代入してみましょう。
具体的な数を入れることで、状況が理解しやすくなります。
例題で確かめてみましょう。
【問題】
4種類のお菓子がある。値段はそれぞれ40円、60円、90円である。
2人の子どもで800円を持ち寄ってぴったり使い切ってお菓子を買うことにした。
90円のお菓子は絶対1人3つ以上欲しい。合計個数を最大にするようお菓子を買う時60円のお菓子はいくつ買うことになるか。
【解答・解説】
B.1個
90円のお菓子は2人合わせて最低6個以上買うから、少なくとも
90 × 6 = 540円
のお金がかかる。合計800円だから、残り260円分で可能な限り多くのお菓子を買いたい。
全て40円のお菓子を買うとすると、6個買えるが20円余ってしまう。
そこで60円のお菓子を1つ40円のお菓子と交換すると、40円が5個、60円が1個で残りの260円を使い切る。
仮に、60円のお菓子の個数をxと置いたが、イマイチ状況がわからないとしましょう。
その時例えば、60円のお菓子を10個買うとどうなるか考えてみると、合計が800円を超えてしまうことがわかります。では、3個ではどうでしょうか。800円ぴったりになりません。
このように、わかりやすい数字を入れて実験し、どういう値をとるのかをなんとなく把握することで、問題の方向性がわかってきます。
具体的な数字を代入し、問題の方向性がわかったら、あとは立式するだけです。
例題で考えてみます。
【問題】100円の商品と125円の商品を合計で1000個仕入れた。
商品一個あたりの平均原価が120円だった時、100円の商品はいくつ仕入れたか。
【選択肢】
A 200個
B 300個
C 400個
D 600個
E 800個
F AからEのいずれでもない
【解答・解説】
A.200個
100円の個数をxとすると、125円の個数は(1000 – x)個。よって総額は
100 × x + 125 × (1000 – x) = 125000 – 25x
また、平均原価120円で1000個なので、総額は120000円である。これを上の式と照らし合わせると、
125000 – 25x = 120000
x = 200
したがって200個。
この問題では、100円の商品の個数を文字で置き、その文字を使って平均が求まるような式を立てています。
このように、①〜③の流れをマスターすることで、特殊計算だけでなく、計算問題全般を得点源にすることができます。