【SPI言語対策ガイド】出題形式や対策方法まで例題付きで徹底解説!
SPIの言語分野とは?
SPIとは、リクルートマネジメントソリューションズが提供する「総合適性検査(Synthetic Personality Inventory)」のことです。
このSPIは「性格検査」と「能力検査」の2つから構成されており、「言語分野」は能力検査におけるテスト科目の1つです。
能力検査で出題される科目は大きく分けて「言語(国語問題)」「非言語(論理・数学問題)」「英語」の3つになります。
この記事では「言語分野」について、特徴や対策方法、出題形式について紹介しています。
SPI言語の特徴
言語分野では「国語の問題」が出題されます。出題される問題は7つの種類に分けることができます。
提示された二語の関係性を考え、同じ関係で成り立っている単語や熟語を探す「二語の関係」や、ばらばらに並べられた選択肢を正しい順番に並べ替える「文章の整序」など、出題される形式が決まっています。
また受検する方法によって、出題数や問題を解く時間が異なるので、注意が必要です。
実施時間 | 言語問題の出題数 | |
テストセンター | 言語・非言語あわせて約35分 | 回答状況によって出題数が変わる |
ペーパーテスト | 30分
※言語と非言語は別々に実施 | 約40問 |
WEBテスティング | 言語・非言語あわせて約35分 | 回答状況によって出題数が変わる |
長文読解では、回答が選択式ではなく、回答を直接入力する形式の問題が出題されることもあります。回答を求められた場合も慌てず対処していきましょう。
基本的には30分程度の時間で40問ほど出題される傾向にあるため、1問にかけられる時間は1分未満です。ゆっくり考えながら解く時間の余裕はありません。
難しい問題やわからない問題が出てきた際には、すぐに次の問題へと進み、確実に解ける問題に注力するのが良いでしょう。
SPI言語の対策方法
SPIの言語で高得点を取るためには対策が欠かせません。言語の範囲は非言語に比べるとそこまで広くないため、全ての分野の問題に取り組んでおくのがベストでしょう。
特に要点を抑えることで点数を伸ばすことができる「語彙の問題」は、短時間で効果が出やすいので、しっかりと取り組みましょう。
ここではSPIの言語で得点アップをはかるためにやるべきことを3つ紹介します。
語彙力を増やす
まずは語彙力を増やすことです。先述した通り、語彙の問題は要点を理解することで高得点につながる単元です。
本や新聞などの文章に早い段階から触れ、語彙力を増やしておきましょう。意味が曖昧な語句やわからない専門用語などはすぐに調べ、調べる習慣を日頃からつけておきましょう。
また文章を読むことに慣れることで、「長文読解」の対策にもなります。小説やエッセイなどではなく、新聞や専門書、特に「思想・言語」「社会」「歴史」「芸術」などのジャンルが長文読解で出題される傾向にあります。
できるだけ多くの本を読むようにしておきましょう。
出題形式に慣れる
できるだけ多くの問題を繰り返し解き、出題形式に慣れておきましょう。SPIの言語分野では、短い制限時間内でいかに効率よく多くの問題の正答を導くかが問われています。
頻出の語句や頻出の問題形式を把握しておくことで、有利な状態で本番に臨むことができます。
また問題を解く時のコツやポイントなどはしっかり押さえておきます。非言語同様、暗記しておくことで有利な考え方が言語にも多く存在します。SPIの対策本やSPI対策アプリなどで解説をよく読み、考え方を理解しておきましょう。
模擬テストを活用する
インターネットでSPIの模擬テストを検索すると、無料で受けられるテストがいくつもあります。またSPIの対策本にも模擬テストが掲載されているものがあります。
このような模擬テストを使って、本番と同じ時間で問題を解いて対策を行います。本番に臨む前に最低でも1回はSPIの模擬テストを受けてみましょう。
実際の制限時間と問題数を解くことによって、自分に合った時間配分や得意不得意が明確に出ることでしょう。そこを把握した上で本番に向けて、対策を講じていきます。
特に時間は思った以上に短く、最後まで解けない人が多くいるのも現状です。普段から問題を解く際には、制限時間を意識しながら取り組むのがおすすめです。
また時間を意識した取り組みを継続することで、本番での時間制限のプレッシャーを回避することができます。問題集を解く際には、ぜひ時間をはかりながら取り組んでみてください。
言語分野で出題される問題形式と解き方のコツ
二語の関係
最初に提示された二語の関係を考え、同じ関係を探します。もしくは同じ関係になるような熟語を探す問題です。
テストペーパーとペーパーテストでは、高頻度で出題されます。
二語の関係性を解くためには、下記8つの関係性を理解し、提示されている二語がどの関係性にあたるのかを考え整理するのが良いでしょう。
関係性 | 具体例 | 解き方 |
含む/含まれる | 犬:動物 | AはBを含む/BはAを含む |
対立する意味 | 温暖:寒冷 | Aに対立する語はBである(もしくは対照的な意味) |
役目 | 石鹸:洗浄 | AはBする(AはBのためにある) |
原材料 | 豆腐:大豆 | AはBからできる(Aの原材料はBである) |
同じ意味 | 願望:希望 | AとBは同じ意味である |
仲間(同列) | 邦画:洋画 | AもBも⚫︎⚫︎の一種である |
一組(セット) | 針:糸 | AとBは一緒に使う |
目的語と動詞 | 薬:投与 | AをBする |
語句の意味
設問と意味が一致する言葉を探す問題です。二字熟語が多く出題される傾向にあります。
しかし、中には動詞や副詞の意味を問われることも。主にテストセンターとペーパーテストで出題されます。
また「熟語の成り立ち」を問う設問も出題されます。漢字二字から成り立つ熟語の関係性を見分ける問題です。WEBテスティングのみで出題されます。
主な関係性としては下記5つが考えられます。
- 主語、述語の関係(〜が〜する)
- 動詞の後に目的語がある関係(〜を〜する)
- 似た意味を持つ漢字
- 反対の意味を持つ漢字
- 前の漢字が後の漢字を装飾する
解き方のコツは熟語を「訓読み」すること。「〜は」「〜が」「〜する」など、熟語を分解し、分けて意味のつなぎを考えることで、どのような関係性にあるのかが見えてきます。
語句の意味問題で高得点をとるポイントを2つ紹介します。
①候補すべてに必ず目を通す
選択肢には似た熟語が含まれているので、焦って選択すると間違える可能性が高くなります。
1つめ、2つめの選択肢に「これだ!」と思うものがあったとしても、残りの2つには必ず目を通し、選んだ選択肢が的確か確認するのがおすすめです。
②どうしてもわからないときは「消去法」を使う
どうしてもわからない時は「消去法」を使い、明らかに異なるものを候補からはずしていきます。
残った候補は、漢字自体の意味を考えたり、音訓読みに変更したり、熟語を分解して考えるなど、あらゆる視点から考えてみましょう。
ただし時間配分には注意です。30秒考えてわからないものは次に進めるなど、パッと次の問題に切り替えるのも一つの手です。
語句の用法
設問文の語句と同じ意味で使われている文章を選ぶ問題です。複数の意味を持つ助詞や名詞などが出てくるので、設問で使われている語句の意味を的確に理解することが大切です。
テストセンターとペーパーテストで出題されます。
設問文では「多義語」を問うものと「文法」を問うものに分類できます。
多義語
多義語とは「同じ言葉で、複数の意味を持つ言葉」を指します。
例えば『足』という言葉には、「足が早い」という身体の一部としての意味と「(予算から)足が出る」というお金としての意味合いがあります。
このように複数の意味を持つ言葉が問われる、多義語問題を解くポイントは『別の言葉に言い換える』ことです。
問題の下線部を別の言葉に置き換え、選択肢にも当てはめます。どちらの意味も通ったものが正解です。
文法
文法を問う問題とは、格助詞(「に」「の」「と」など)や助動詞の意味の違いを判断する問題です。
問題を解くポイントは『別の言葉に言い換える』ことと、『文章の前後の状態を判断する』ことの2つです。
文法問題は頻出の助詞や助動詞の用法を覚えることで、確実に点数を獲ることができます。SPIの対策本やアプリなどを使って、よく出る文法を確認しておきましょう。
文章の整序
ばらばらに並べられた選択肢を正しい順番に並べ替える問題です。WEBテスティングでは高い頻度で出題されます。
また、テストセンターでも出題されることもあるので、手を抜かずに対策しておきましょう。
「文節を並べて1つの文章を作るタイプ(文節タイプ)」と「文章を並べて長文を作るタイプ(文章タイプ)」があります。
文節タイプ
文節タイプの設問は、文章の最初と最後だけがわかっています。そのため、間に当てはまる文節を組み合わせて導き出します。
解き方のポイントは、『最初と最後に当てはまる文節から探すこと』です。最初の最後の空白に当てはまるものがわかると、文法から中身を推測するのが比較的簡単になります。
文章タイプ
文章タイプでは、全ての選択肢を並べ替え1つの長文をつくるため、難易度が高いです。
そのため、各選択肢から「キーワード」となる言葉を見つけ、文のつながりを推測していきます。
また、文章タイプの設問は2問1組で出題されることが多いです。1問目でしっかりと並べ替えができていると、2問目の設問をスムーズに解くことができます。
1問目の並べ替えに重きをおいて、進めるのがおすすめです。
空欄補充
文中の空欄に入る言葉として適切なものを回答する問題です。
空欄の数は1つとは限りません。複数が空欄となっている場合もあるので、事前にさまざまなパターンの問題に慣れておくのが大切です。
また空欄補充の問題は、SPIの全方式で出題されます。中でもWEBテストライティングでは高い頻度で出題されています。
空欄補充の問題は、ヒントとなる言葉や表現、重要なポイントを適切に読み取ることが大切です。特に空欄の前後には、ヒントとなる言葉が隠されていることが多いので、前後の文章をしっかり読みましょう。
長文読解
その名の通り、長文を読んで設問に答える問題です。パソコンでの受検方式(テストセンター/WEBテスティング)とペーパーテストでは文章量などが異なりますが、SPIの全方式で出題されます。
パソコンでの受検方式では、短めの長文が3問ほど出題される傾向にあります。
また回答を入力する形式で問われる問題が出題される場合もあります。文字数は10文字程度です。長文で回答する必要はないので、焦らずに対処しましょう。
また、ペーパーテストでは文章量が多い長文が5問程度出題されます。評論文など読むのに少し時間がかかる問題が出る傾向にあります。
読解力に自信のない人は、長文を読むことに慣れておく必要があります。日頃から新書などを読んで準備をしておきましょう。
実際に出題された言語問題
例題|二語関係
【問題】
最初に示された二語の関係を考えて、同じ関係のものを選びなさい。
猜疑さいぎ:怪訝けげん
ア 被告:原告
イ 決断:決心
ウ 区分:分類
【選択肢】
A. アだけ
B. イだけ
C. ウだけ
D. アとイ
E. アとウ
F. イとウ
例題|語句の用法
【問題】
赤字部分の語が最も近い意味で使われているものを1つ選びなさい。
私のが一番おいしい
【選択肢】
A. 友人の家に行く
B. 行くの行かないのと喧嘩になる
C. 星のきれいな夜だ
D. 味つけは薄いのがいい
E. 噂は本当だったのだ
例題|語句の意味
【問題】
下線部の言葉と、意味が合致するものを1つ選びなさい。
事実を手掛かりにして推し量って決めること
【選択肢】
A. 推定
B. 推量
C. 推測
D. 推参
E. 推敲
例題|文章整序
【問題】
AからEの文を[1]から[5]に入れて文の意味が通るようにしたとき、[4]に当てはまるものを選びなさい。
在宅医療は[1][2][3][4][5]広まっている。
A. 自宅などの生活の場で
B. 第3の医療提供形態として
C . 入院医療、外来医療に次ぐ
D. 通院が困難な患者が
E. 療養を行えるようにする医療であり
【選択肢】
A. A
B. B
C. C
D. D
E. E
問題クリエイター
Ryosuke
2002年生まれ。早稲田大学の3年生。現在、24卒として就職活動しながらSPIの研究を行い、 『SPI対策問題集』の立ち上げを担当。同じ大学の友人らと協力して問題の制作や解説記事の作成を行う。 非言語科目を得意としており、特に推論の問題には大きな自信を持っている。
監修者
gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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