【適性検査GABとは?】出題傾向から対策法まで例題を用いて徹底解説!
GAB適性検査とは?
GABは、日本エス・エイチ・エルが提供する適性検査です。Webテストで有名な「玉手箱」も同社の商品です。
新卒総合職の採用のために開発された、受検者の論理的思考力を測ることができる適性検査で、SPIや玉手箱と比べると知名度は低いものの、様々な企業の新卒採用で使われています。
GABは「言語理解」「計数理解」という知的能力を測る科目と、「パーソナリティ」という受検者の人柄や性格を検査する科目から構成されています。
言語理解は長文を読んで回答するテスト、計数理解は表などから答えの数を計算して求めるテストです。
パーソナリティの科目では、SHLの創業者によって開発された『OPQ』と呼ばれるテストが使われ、科学的に受検者のポテンシャルを知ることが可能です。
例えば、受検者が持つ「チームワーク」「ヴァイタリティ」「問題解決力」「プレッシャーへの耐力」などの面が明らかになります。
これらの結果により、企業は受検者の特性や職務の適性を知ることができるのです。
GABでは受検方式によって名称が異なり、「GAB」「C-GAB」「Web-GAB」の3つがあります。受検方式によって問題の傾向が若干異なるので、対策する際は受検方式も必ずチェックしましょう。
GABの難易度は適性検査の中でも難しい適性検査であるといわれています。
なぜなら、SPIでは中高生レベルの基礎ができていることが重要ですが、GABで高得点を獲得するには論理的に考える力が必要とされているからです。
また、問題数に対する制限時間が短く、1問あたり1分未満で解答しなければなりません。正確さとスピードが重視されることも、難易度が高いと言われる理由の1つといえます。
GAB・WebGABの出題内容
言語理解
言語理解はいわゆる国語のテストです。数百字の長文から、問題の答えを見つけていきます。
GABでは、用意された選択肢が本文と「合っている」「合っていない」もしくは「どちらでもない」などから合致するものを選んで回答していきます。
そのため、文章を正しく読み取る読解力がポイントとなります。
参考書を活用して、日頃から長文を読む練習をしておいたり、手元の紙で情報を整理しながら本文を読んでいくのもおすすめです。
計数理解
図表やグラフを見て問題を解いていきます。マークシート方式のGABでは、問題で使う図表を自分で見つけることから始めるので、注意が必要です。
Web-GABのみ電卓の持ち込みが可能です。マークシート方式やテストセンター方式では電卓の使用ができないため、暗算や筆算のトレーニングも必要です。
いずれのGABの計数理解でも、与えられた選択肢から最適なものを選んでいくので、計算自体は大体の答えが導き出せれば正解がわかることが多いです。
あらかじめできるだけ多くの解き方パターンを頭に入れておきましょう。
解き方に慣れてくると素早く回答できるようになるので、参考書を活用して解き方の型を身につけておくようにしてみてください。
英語
C-GABでは必ず課される科目です。Web-GABでは企業によって実施の有無は変わります。
国語と同様に長文を読んで、問題文が「正しい」「正しくない」「どちらでもない」から
最適な選択肢を選んでいきます。
長文を読んで、意味を理解してから答えを選んでいると制限時間に間に合わないので、先に選択肢を読み、何を問われているのか把握してから長文を読んでいくのがおすすめです。
先に選択肢をチェックしておくことで長文の内容も読み取りやすくなります。
読解力はもちろん、短時間で素早く読み解く力も必要です。英語に苦手意識がある人は特に、長文を理解する練習を重ねておくようにしましょう。
GABの受検方式
GAB【ペーパーテスト方式】
GABは企業が用意した会場で受検するペーパーテストです。マークシート方式で行われます。
所要時間は90分で、言語理解が25分、計数理解で35分、パーソナリティが約30分となっています。
GABの問題数は公表されていませんが、制限時間内にできる限り解けるよう、時間を意識した対策を行っておくことも重要です。
C-GAB【テストセンター方式】
C-GABは全国に300ヶ所以上あるテストセンター会場に設置されているパソコンを使って受検します。
英語の科目が必ず出題されるのは、このC-GABだけです。
知的能力検査はテストセンターで行いますが、パーソナリティテストは自宅で行うことになっています。
言語理解は32問を15分で、計数理解は29問を15分で、24問の英語は10分の合計40分です。マークシート方式よりもテスト時間自体が短くなっています。
Web-GAB【Webテスト方式】
Webテスト方式のGABで、自宅のパソコンから受検することができます。
言語理解では問題数52問の制限時間は25分、計数理解は40問に対して制限時間35分、パーソナリティのテストの時間には制限はありません。
パーソナリティにかける所要時間の目安は20分とされており、合計で80分ほどのテストです。
GAB・Web-GABの例題
例題1(言語)
GABの言語理解では1つの長文に対し設問が4つ出題されます。
長文を読み、4つの設問に対し、以下のいずれかの解答を選択します。
- この文には正しい内容が含まれている
- この文は間違っている、本文の内容と一致しない
- 本文の内容から正しいか間違いかを判断できない
【出題文】
「多くの企業では、夏休みに学生を雇うことにメリットがあると考えています。常勤のスタッフの多くは、この時期に休暇を取ることを希望します。また、夏季が繁忙期に当たり、追加のスタッフを必要とする企業は少なくありません。夏休みの雇用を通じて学生を引きつけることによって、卒業時に十分な資格を得た新入社員として企業に戻ってくることが期待できます。学生が企業についてより多くのことを学べるようにすることで、常勤で働くことに関心を持たせることができます。企業は、通常の有給休暇または病気休暇の権利を与える必要なしに、固定給を学生に支払います。」
【出題文に対する設問】
1.休暇中の常勤スタッフは、その仕事を学生に行わせることができる。
2.夏休みに雇用された学生には、常勤スタッフと同じ有給休暇手当が支払われる。
3.学生は、企業の標準的な懲戒および苦情申し立て手続きに従う。
4.一部の企業では、学生が夏休みのアルバイトを求める時期にちょうど仕事が増える。
引用:ジェイック
【解答】
(設問1)A
(設問2)B
(設問3)C
(設問4)A
長文を読み始める前に設問をチェックしておくと、スムーズに問題を解いていくことができます。
数百字ある文章を最初から最後まで読んで内容を理解し、設問を順番に見ながら適切なものを選んでいると、1問にかける時間が長くなってしまいます。
回答時間は1問につき2分程度のため、設問1つずつの回答時間は30秒程度しかありません。かけることができません。
しかし最初に選択肢を確認してから長文を読むことで、長文を読みながら答えが導き出せるようになるので、繰り返し練習しましょう。
例題2(計数)
【例題】
式中の▢に入る数値として正しいものを選択肢のAからEまでの中から1つ選びなさい。
400の▢%は128
A. 32
B. 3.2
C. 320
D. 0.32
E. 3.125
引用:OfferBox
【解答・解説】
答え:A. 32
128/400=0.32なので32%が正解です。
簡単な計算問題ですが、この問題の場合はわざわざ計算する必要はなく直感的に解くことも可能です。
他の選択肢の「400の320%が128」「400の3.2%が128」でないことは明らかなので、おのずと正解はAの32%しかありえないことが分かります。
Web-GAB以外では、電卓が持ち込めないので計算を瞬時にすることが求められます。
しかし、どのGABの形式も解答を複数から選ぶ選択式になるので、解細かく計算して、答えを割り出さなくても大まかな数字がわかれば解答を導き出すことができます。
解法を頭に入れ、パッと計算を進めていきましょう。
完璧な計算の答えを求めてしまうと時間がかかってしまいます。様々なパターンの問題に慣れ、解き方を覚えていきましょう。
例題3(英語)
【例題】
Read the text and choose the best description for each of the question that follow.
A:The statement is patently TRUE or follows logically, given the information or opinions contained in the passage.
B:he statement is patently UNTRUE or the opposite follows logically, given the information or opinions contained in the passage.
C:You CANNOT SAY wether the statement is true or untrue, or follows logically, without further information.
The ice cream cone is said to have been invented by accident at the St. Louis Exposition of 1904. It was created through the collaboration between a waffle-maker and an ice cream. At that moment, a nearby waffle-maker offered to make cones by rolling up waffles. The two served cones containing ice cream. The new product became popular at the exposition — and worldwide.
【選択肢】
問1 Lots of new industrial products wewe displayed at the St.Louis Exposition.
◯A
◯B
◯C
問2 The ice cream seller sold waffles instead of ice cream.
◯A
◯B
◯C
問3 The ice cream cones were made out of waffles.
◯A
◯B
◯C引用:就活の教科書
言語と同様に長文を理解する力が必要です。英文に慣れていない人はまず英語の長文に慣れていくようにしましょう。
解き方についても言語と同じように、選択肢を先に確認することでその後に読む長文の内容が理解しやすくなります。
また、最初に選択肢をチェックしておけば、最後までしっかり読み込まなくても、答えがわかることもあります。最初に選択肢を見てから問題を解く癖をつけましょう。
GABで高得点を取るための対策法
解法を頭に入れる
特に計数理解では、解法を頭に入れておくことは重要です。参考書を活用して解き方をマスターしていきましょう。
問題や回答の選択肢を見た時に、すぐに解き方のパターンが頭に浮かんでくるレベルまで練習すると良いです。
全てのパターンを頭に入れるのは無理でも、その数を増やしていったり、得意なパターンをいくつか持っておくと安心して臨めるでしょう。
頭で理解するだけではなく、すぐに答えが導き出せるくらいに身に付くまで、繰り返し問題を解いて練習します。
まずは決めた1冊の対策本を繰り返し解くのが良いでしょう。
タイマーで時間を測りながら問題を解く
制限時間と出題される問題数を本番と同じように設定して解く練習を繰り返します。
解説を見れば確実に解ける問題でも、時間に追われることで焦ってミスをしてしまったり、パッと解法が思い出せないということが多いです。
GABは1問あたり数十秒〜1分程度で解答していかなければなりません。本番で制限時間内に正しく解答できるようになるためにも、時間の感覚を身につけておくことが大切です。
玉手箱を受験して問題に慣れる
玉手箱は、GABを取り扱っている日本エスエイチエルが提供している適性検査です。
そのため、GABと同じ形式の問題も複数出題されます。参考書を繰り返し解く対策が終わったら、実践練習として玉手箱を受検してみるのもおすすめです。
解ける問題が多ければ、本番でも通用するくらいに対策ができているという自信に繋がります。
また苦手分野や新たな課題が見つかるかもしれません。玉手箱を活用して、十分に対策していきましょう。
パーソナリティのテストは素直に回答する
パーソナリティのテストは受検者の人柄などを測るために使われます。
言語や計数理解のように「正解」がある訳ではないので、素直に回答しましょう。
自分をよく見せようと本来の自分とはかけ離れた答えを選んだ結果、別の設問の答えと矛盾が生じてしまうということが起こり得ます。
人間なので誰しも矛盾は持ち合わせているものですが、あまりにも矛盾が多すぎると、受検者に対する不信感にもつながるので、答えには一貫性を持たせることが大切です。
パーソナリティの科目はあくまでその企業と合っているか確認するためのものなので、取り繕わずに答えていくようにしましょう。
GAB対策におすすめの対策本
CAB・GAB完全対策 2025年度版
出典:Amazon
GABの計数理解や言語理解、性格検査の対策ができます。
問題数が豊富で、過去には本番で本書の問題と似た問題が出題されたこともあります。収録されている問題の難易度が実際の問題に近いのも好ポイントです。
「カンタン攻略法」が紹介されていたり、解説も丁寧で分かりやすいので、マークシート方式のGABを受ける最初の対策本としておすすめの1冊といえるでしょう。
より徹底した対策をしたい人は他のGAB対策本と併用して使うのがおすすめです。
これが本当のCAB・GABだ!2025年度版
出典:Amazon
マークシート方式のGABの言語理解と、計数理解の対策が可能です。取り扱っている問題が異なるので、Web-GABを受ける人はWeb-GABに対応した対策本を使ってください。
この対策本には模擬テストも収録されているので、本番通りに時間を測って問題を解く練習をすることができます。
出題傾向の高い問題も収録されていたり、丁寧な解説もついている対策本です。過去には実際に企業のテストで同様の問題が出題されたので、安心して使うことができます。
また2025年度版では問題が新しくなっているので、ペーパーのGABを受検する人は最新版の購入がおすすめです。
これが本当のWebテストだ!(1) 2025年度版
出典:Amazon
テストセンター方式のC-GABとWebテストのWeb-GABだけでなく、玉手箱の対策もすることができる対策本。
マークシート以外の方式でGABの受検をする場合は、この対策本がおすすめです。
言語理解や計数理解だけでなく、英語、性格の科目にも対応しています。
電卓の使えないC-GABに合わせた、計算の方法を解説してくれているので、安心して対策することができるでしょう。
企業の実施情報も掲載されているのもポイントです。
事前にしっかりと対策をしてGABに臨もう!
GABは難易度が高いとされながら、人気企業でもたびたび実施されている適性検査です。
基本的な数学の知識などを押さえているだけでは、高得点を狙うのは難しいでしょう。
GABでは論理的な思考力が求められており、鍛えることで論理的思考力はついていきます。
上記の対策本なども活用しながらGABで出題される問題に慣れ、スピーディーに答えを導き出せるよう対策し、高得点を狙っていきましょう。
編集者
Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『SPI対策ナビ』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
監修者
gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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