SPIの金額計算の問題では、情報を使いやすいように整理する能力や、答えを導くために必要な情報は何かを自分で考える能力が求められます。
金額計算の問題では、複雑な計算や難しい公式が要求される場面はあまり多くありません。定価と割引の関係や等分する方法などの基本的な計算を駆使すれば答えを導くことができます。
したがって、これらの基本的な計算に習熟していれば高得点を取ることができます。
料金の問題では様々な状況の下で割引などを行い、最終的な料金を求めます。
「2時間までは100円、それ以降は80円」など、数字が変わる点に着目して考えてみましょう。
【問題】
あるネットカフェでは2時間以上利用すると料金が最初から1時間は5%、2・3時間目は10%、4時間目以降は20%引きとなる。
1時間1000円の部屋を7時間利用する時、利用料金は合計いくらか。
【選択肢】
A. 5600円
B. 5350円
C. 5550円
D. 5950円
【解答・解説】
答え:D
7時間利用する場合割引が適用される。
最初の1時間は1000円 × 0.95 = 950円、2・3時間目は1000円 × 0.9 = 900円、あとの4時間は1000円 × 0.8 = 800円となる。よって合計金額は、
950 × 1 + 900 × 2 + 800 × 4 = 950 + 1800 + 3200 = 5950円
損益の問題は金額計算の問題の中では比較的計算量が多くなりがちです。
計算をスムーズに行うために、定価や原価、利益などがそれぞれどういう関係なのかをあらかじめ知っておくと良いでしょう。
【問題】1個の原価が500円の商品を300個仕入れて、原価の3割の利益が出るように定価をつけた。しかし200個しか売れなかったので、残りは定価の1割引きにして全て売った。
このとき利益は合計いくらか。
【選択肢】
A. 3850円
B. 115000円
C. 45000円
D. 38500円
【解答・解説】
答え:D
原価500円の3割の利益を見込んでいるということは、500 × 0.3 = 150円の利益を見込んでいるということであるため、定価は500 + 150 = 650円となる。
この定価で200個売れたからその利益は、150 × 200 = 30000円。
そして残りの100個は定価の1割引、すなわち650 × 0.9 = 585円で売ったから、その利益は(585 – 500)×100 = 8500円。
よって、利益を合計すると、38500円。
金額計算の問題では、総額が問題文に与えられて、そこから一人当たりの代金を求める問題や、逆に一人当たりの代金が与えられて、そこから総額を求める問題が出題されます。
【選択肢】
A. 15000円
B. 13800円
C. 10000円
D. 13200円
E. 9600円
F. AからEのいずれでもない
【解答・解説】
答え:D
3人とも5000円を出資しているから、負担を同額にするためにPはもらったお釣りを三等分して自分とQとRに分けたはずである。
よってお釣りの合計は600×3 = 1800円である。
3人合わせて最初に15000円出して購入しようとしたから、そこからお釣りの額を引いて15000-1800 = 13200円の空気清浄機を購入したと考えられる。
金額計算の問題は難しい計算などはない代わりに、問題文自体が複雑になっていることがあります。
そのため、問題で与えられている情報や問われていることを正確に理解することが重要です。
ここではそのための3つのポイントを紹介します。
一つ目は、情報の整理です。
与えられた情報を整理するのはどの問題でも大切なことですが、金額計算の問題では特に重要です。
なぜなら、金額計算の問題では多くの数字が与えられるからです。
それらを適切に整理することができれば、問題を解くためにどの情報を使えばいいのかが分かります。
また、SPIは時間との勝負でもあるため、必要な情報だけを素早く集めるという意味でも、問題を解く前に情報を整理することは重要と言えます。
二つ目は、情報の整理の仕方を工夫することです。
これは一つ目のポイントの応用とも言えます。情報はなんとなく整理すればいいものではありません。
答えを導く際に活用できるように情報を整理することが重要です。つまり、与えられた情報を計算する時に使えるような「道具」に自分なりに加工することが必要なのです。
例えば、「1000円の15%引き」という情報を「850円」という道具に加工することで、直接計算に用いることができます。
三つ目は、求めるべきものが何かを理解するということです。
前述の通り、金額計算の問題では、多くの情報が与えられますが、それらを用いてただがむしゃらに計算した結果、「結局何を求めればいいんだっけ?」となってしまうことがあります。
そうならないためにも、あらかじめ何を求めるのか把握しておくことが大切です。
したがって、まず、与えられた情報を整理して加工する。次に、その情報を基に求めるべきものが何かを考える。最後に、具体的に計算して答えを導く。というように、順序立てて考えることが重要です。