
SPIは就活では頻出の適性検査で、多くの就活生が対策することになります。しかし、ほとんどの場合、受検が決まるのは1ヶ月前などの直前です。
苦戦する人も多いので、「1ヶ月じゃ対策が間に合わない…」と感じるかもしれません。しかし、1日1時間の勉強を1ヶ月も継続すれば、十分なレベルまで仕上げることができます。
この記事では、1ヶ月でSPI対策を終わらせる勉強法を具体的なスケジュール付きで紹介します。対策アプリや無料の模試など、おすすめの練習方法も併せて確認して効率的に対策を進めましょう。
目次

SPIの勉強時間は30時間以上が目安です。そのため、1日1時間の勉強を1ヶ月継続すれば、最低限の対策を済ませられる計算になります。
こうした目安を見ると、「1日2時間を15日でも同じでは?」と考える人もいるでしょう。しかし、短期間で詰め込むと知識が定着しにくく、かえって勉強効率が悪くなる可能性が高いです。
そのため、「短時間でも毎日継続する」という点を重視して、SPIの受検直前まで勉強を続けましょう。
SPIは出題範囲が広いものの、出題傾向は毎年ほとんど変わりません。対策法も確立されており、時間をかければかけるほど着実に得点を伸ばせます。
1ヶ月の勉強では、8~9割といった高得点を取るのは難しいと考えておくべきです。これは満点を狙いに行く意気込みで臨まなければまず取れない得点であり、短期間でその水準まで仕上げるのは困難です。
全体的に「解答パターンの暗記と慣れ」が重要になるので、限られた時間内では多少の粗が残ってしまいます。特に、非言語分野はスピードと正確さの両方が求められるため、急ぎの勉強で完璧に対応することは難しいでしょう。
そのため、「6~7割を安定して取れるようにする」ことが現実的な目標になります。
SPIは全員が高得点を取るわけではなく、対策不足で臨む受検者も多いです。6~7割は決して高得点とはいえませんが、それでも多くの企業で足切りを回避できる水準ではあります。短期間で対策を済ませるのであれば、「少なくとも落ちることはない得点」を目指す意識が大切です。
SPIは一度きりで終わるわけではなく、複数回受けることも珍しくありません。今回だけ最低限の点数を取るための勉強ではなく、今後にも活かせるように力を入れて基礎から固めるべきです。
また、選考の最初にSPIで足切りを行い、最終選考に近い段階でもう一度SPIを実施するという企業もあります。
まずは足切りラインを超えることが最優先の目標ですが、「次回に備えた土台作り」も意識すると良いでしょう。

SPIの受検まで残り期間が少ないのであれば、今すぐ対策を始められるアプリの利用がおすすめです。スマホ1つでいつでも勉強でき、1ヶ月間の継続した勉強をサポートしてくれます。
SPI対策アプリでは、SPIを再現した361問の問題を全て無料で解くことができます。1問1問をテンポ良く進められるので、数分のスキマ時間まで活用できるでしょう。
苦手分野だけに絞った復習機能なども搭載されており、短時間でも効果的な勉強ができます。その他にも、目標達成率の推移を確認することで、モチベーションの維持にも役立つでしょう。

SPI対策を本格的に始める前に、まずは今の自分のレベルを把握しておくと良いでしょう。対策のゴールがわかりやすくなり、勉強を継続することのモチベーションも固められます。
SPI対策模試では各分野5分で終わる簡単レベル診断を受けることができるので、必出の「言語」「非言語」から実力をチェックしてみましょう。
簡単レベル診断の結果からは、自分の苦手な分野や単元が見えてきます。SPIで結果を出すには、自分の弱点を理解して解消していくことが欠かせません。現状の実力と目指すべきゴールを明確にすれば、対策の計画も立てやすくなります。

出典:Amazon
SPI対策は、アプリや模試だけでも済ませることができます。しかし、より基礎的な内容やSPI自体の仕組みを学びたい人は、対策本を併用するのもおすすめです。
市販のSPI対策本なら、問題を解くための前提知識からわかりやすく解説しているため、苦手意識があっても無理なく理解していくことができます。
アプリは「毎日ちょっとずつの勉強」、対策本は「まとまった時間での勉強」といったように使い分けることで、より効率的に勉強を進められるでしょう。
| 1~7日目 | 一通りの問題を数問ずつ確認する |
| 8~14日目 | 制限時間を意識した練習を始める |
| 15~21日目 | 足りない必須知識を固める |
| 22日目~本番まで | できるだけ苦手分野をなくす |
SPIの勉強を1ヶ月で完了させるには、1日1時間を確保して計画的に進めることが大切です。ここでは、言語・非言語を1ヶ月で効率的に学習するための「1日1時間勉強法」の例を紹介します。
上記のスケジュールを参考にしながら、自分の得意・不得意に合わせて優先度の高い対策から取り組んでいきましょう。
最初の1週間は「どんな問題が出るのか」をざっと確認する時間にあてます。SPIの基本となる「言語・非言語」の能力検査は出題範囲が広く、対策不足だと初見の問題で躓くことが多いためです。
まずは「確率」「二語の関係」といった単元別に1~2問ずつ解き、SPIの問題の雰囲気を掴みましょう。
SPIは1問1分以下で解く前提の問題なので、「1週間もかからないのでは?」と思うかもしれません。しかし、最初は解き方がわからずに苦戦したり、解答・解説を読み込むこともあります。そうすると、1日で触れられる問題数は思っているよりも少なくなってしまいます。
この段階では問題1つ1つを完璧に理解する必要はありません。「どんな問題があるか」「自分は何が苦手なのか」を洗い出すことが目的です。
問題を一通り確認できたら、さらに1週間程度かけて制限時間を意識した練習を始めましょう。SPIは全体的に制限時間が厳しめであり、「正しく解ける」ことと同じくらいに「素早く解ける」ことも重要になります。
もし、解き方自体はわかっているとしても、制限時間内に解き切れないのでは意味がありません。また、時間感覚が掴めず、悩んでいるうちに未解答になって次に進んでしまうこともあります。
こうした時間配分の感覚は、知識として覚えても中々実感できないものです。まだ解けない・難しい問題があるとしても、「割り切ってそれらしい答えに決める」という選択に慣れておく方が優先度は高いです。
最初はタイマーを確認しながら解き、残り時間を体感で覚えていきましょう。最終的には、タイマーなしでも残り時間が大まかにわかるようになるのが理想です。
ここまでに問題を繰り返していると、「どう解けばいいのかわからない」「公式を知らない」といった問題に直面することも多いでしょう。
こうした前提知識が必要な問題は、「知っていれば安定して解ける問題」と言い換えることもできます。そのため、5日~1週間程度かけて必須知識の暗記に取り掛かりましょう。
すぐに効果が出やすいのは、非言語の公式や計算ルールの知識です。「速度算」や「割合」といった単元は単純な計算問題なので、公式さえわかっていれば安定して正解することができます。
また、言語も暗記で得点を伸ばせる分野ですが、こちらは出題候補の語句の数が膨大です。全てを押さえることはできないので、頻出語句に絞って見ていき、「見たことがある」程度の語句を増やすことが重要になります。
合間に実践も挟んで、用途を確認しながら暗記を繰り返せば、より早く知識を定着させることができるでしょう。
本番までの残り期間は「苦手な問題を減らす」ことに集中しましょう。日頃の練習を通じて、特に正答率が低い問題は既に理解できているはずです。
練習中は、つい楽な得意分野を優先して解いてしまうことが多いです。しかし、SPIでは苦手分野を減らしていった方が効率的に得点を伸ばせます。
それでも、全ての苦手問題を克服するのは現実的に難しいでしょう。あくまで「残りの期間でできるだけ頑張る」ことであると考えるべきです。
多少の苦手分野が残っていたとしても、6~7割程度であれば十分に突破できます。
SPIの能力検査は「言語・非言語」の2つが基本ですが、企業によっては追加で「英語」も実施することがあります。こうした企業では英語力を重視している可能性が高いので、高い得点を取れるように準備しておくことが必要です。
ただし、通常の言語・非言語に加えて英語も対策する場合は、全てを1ヶ月で終わらせることはかなり厳しいといえます。最低でもプラス1週間は確保して、英語の対策も余裕を持って進められるようにしましょう。
SPI英語は、難解な専門用語よりも「基礎の単語を知っているかどうか」が重要な分野です。問題のほとんどはシンプルな語彙力を問う内容なので、とにかく暗記することが対策の軸になります。
使われるのは中学・高校で習うような単語が中心なので、見覚えのある語句も多いでしょう。しかし、大学受験から日が経っていると、単語1つ1つの意味がうろ覚えになっている可能性が高いです。
「昔はできてたから問題ない」と油断せずに、基礎的な単語から再確認しておきましょう。
元々英語が苦手だった人でも、アプリや単語帳を活用して1日数十語ずつ覚えていけば、1週間程度で必要な単語力は身に付きます。
必要な単語を覚えながら、実際に練習問題も解いていきましょう。単語を見て暗記するだけでなく、実際に問題を解きながら学ぶことで定着が早まります。
特にSPI英語では「反意語」や「語句の意味」といった、単語の知識を問われる問題が多く出題されます。暗記と併せて練習問題からも知識を吸収することで、より効率的に語彙力を鍛えられるでしょう。
練習の際は「正解の単語」だけでなく、「他の選択肢に出てきた単語」まで意味を理解できるようにしておくと、効率的に知識を広げられます。
余裕があれば、長文読解の練習も行っておきましょう。大学入試のような難しい英文は出題されませんが、素早く読解することが求められる独特な形式になっています。
出題頻度は高いわけではありませんが、配点が重いので「正解できたら余裕ができる」問題といえるでしょう。
基本は暗記を優先しつつ、期間が余った時に追加で取り組むことで、得点を底上げできる可能性があります。
SPIの「構造的把握力」は、英語と同様に出題する企業が限られている分野です。最初は難しいように見えますが、実は数日あれば十分に対策できます。
他の科目のように公式や単語を暗記する必要がなく、出題パターンも限られているので、問題に慣れるだけで得点を伸ばせます。
「問題文や文章の構造を正しく捉える問題」が中心であり、計算や推理する必要がありません。初見ではどう解けばいいのかわかりにくいですが、解き方のパターンさえ掴んでしまえば得点は安定するでしょう。
数日かけて練習問題を解いておくだけで、十分な対策になります。

SPIの語彙問題では、知らない単語が出ることも多いです。答えの手がかりが全くないと戸惑ってしまい、手が止まってしまうこともあるでしょう。
そんな時は、選択肢から「明らかに違う」という単語を省いていく解き方に切り替えましょう。答えの単語がわからなくても、選択肢を絞っていくうちに答えだけが残る可能性もあります。
また、最後に2~3個の選択肢が残ったとしても、当てずっぽうで選んでも正答になる確率は高いです。知らない単語の意味を推察し続けるよりも、効率的な時間の使い方といえます。
長文問題では、文章を最初から最後まで丁寧に読んでいると時間が足りなくなります。そのため、飛ばし読みで「要点だけを拾っていく」のが有効な解き方です。
まず設問と選択肢を先に確認し、「何を問われているのか」を把握してから本文を読み始めましょう。特に、設問や選択肢に独特な語句が含まれていたら、それを文中から探すだけで解答できることもあります。
長文問題でも制限時間が厳しいことに変わりはないので、丁寧に読みすぎて時間不足になってしまわないように注意しましょう。
非言語の計算問題は、最終的に答えを選択肢の中から選ぶ形式になっています。そのため、桁数まで正確に計算しなくても解ける場合が多いです。
例えば「600×7000」といった計算をする時、何桁の数字になるのかパッと見で判断するのは難しいです。しかし、6と7を掛けた「42」から始まる数字であることはすぐにわかります。その条件の選択肢が1つしかなければ、桁数に関係なく答えを断定できるでしょう。
ただし、明らかに桁数が少なすぎる・多すぎるという場合は、計算ミスを疑うべきです。掛け算と割り算を間違えている可能性が高いので、すぐに公式を再確認しましょう。
SPIでは、どの形式も共通でメモを使うことができます。難しめの計算や複雑な状況が提示される問題で活用すれば、ミスを大幅に減らすことができるでしょう。
問題文が長い計算問題や推論では、メモを使って状況を整理することで一気に解きやすくなります。筆算に使うというよりは、暗算するための要素を書き出すような使い方がおすすめです。
全体的に制限時間が短いため、メモは難問だけを確実に解くために使いましょう。複雑な問題ほど配点も重い傾向にあるので、使いどころを見極めれば高得点へ繋げられます。
SPIは出題範囲が広く、1ヶ月では対策が終わらないように感じるかもしれません。しかし、ポイントを押さえて対策を進めれば、足切りを回避しやすい6~7割まで伸ばすことができます。
8割以上の高得点を狙うのは難しいですが、6~7割取れていれば、ほとんどの企業でSPIを突破できます。
時間がないからといって詰め込んで勉強する必要はなく、毎日1時間の勉強で十分に結果は出せます。記事内で紹介した勉強法を参考にして、継続することを第一に対策を始めましょう。
編集者Yuka
監修者gen