就活で頻出の適性検査「SPI」では、ボーダーラインを設けている企業が多いです。
SPIの得点がボーダーを下回った場合、どれだけ面接やESに自信があっても落とされてしまいます。そのため、まずはボーダーを超えることが第一目標となるでしょう。
この記事では、SPIで最低限取っておきたいボーダーの目安を紹介します。人気企業でのボーダーの違いや、目標の得点別にどれだけ対策をしなければならないのかも確認しておきましょう。
目次
一部の人気企業を除き、ほとんどの企業ではSPIのボーダーが5~6割程度となっています。そのため、少し余裕を持って6~7割の得点を出せていれば、通過できる可能性が高いでしょう。
ただし、人気企業のSPIを受ける際には、より高い得点が必要となります。周りもレベルの高い応募者が集まっているため、6~7割程度だと落とされてしまうことも多いです。
自分の志望企業のボーダーがどの程度なのかを確かめ、それに合ったレベルまで対策を仕上げましょう。
90% | 日本銀行、外資系戦略コンサル |
80% | 三菱総研、野村、みずほ、JR東日本、フジテレビ、日テレ、テレ朝、TBS,住友商事、三井不動産、集英社、小学館、毎日新聞 |
70% | 大和SMBC、東京海上、トヨタ、パナソニック、ホンダ、キリン、味の素、富士フイルム、花王、NTTデータ、日立、清水 |
60% | 富士通、カシオ、エプソン、ベネッセ、明治安田、損保ジャパン、ブリジストン、第一生命、武田薬局、労働金庫、コーセー |
出典:理系days|SPI評価
上記は、一部のSPI実施企業のボーダーラインの目安です。ここに載っていない企業についても、知名度や規模が近い企業のボーダーから大まかな目安を割り出すことができます。
SPIのボーダーラインは企業によって異なりますが、9割以上の正答率をボーダーとしている企業はほとんどありません。ごく一部の「最大手」と呼べるような企業のみが、9割に近い厳しいボーダーを設定しています。
ただし、これらは企業が正式に発表しているものではありません。その年の採用方針や受検者の傾向によっても左右されます。そのため、「ボーダーさえ超えられればいい」とは考えず、できる限りの高得点を狙うようにしましょう。
一般的な6割程度のボーダーを超えるには、SPIの問題自体の知識が必要です。高い正答率は出せなくても、問題を知っているだけで解答のスムーズさは明確に変わります。
まずは自分に合いそうな問題集を1冊選び、一周解いてみましょう。初めは苦戦する問題があるかもしれませんが、「初見だと難しいだけ」という問題も少なくありません。
問題集を一周した後、難しいと感じた部分だけを復習すれば、6割程度の得点は狙えるようになります。
SPI対策は誰でも就活の合間に進めるしかありません。完璧に仕上げられていない状態で本番を迎える人も多いです。細部にこだわりすぎず、全体的に解けるようになっていれば、ほとんどの企業のSPIを通過することができるでしょう。
大手や有名企業でSPIを受けるなら、7割以上は取っておきたいところです。問題を一通り理解した上で、時間配分や苦手分野を意識した練習を行いましょう。
SPIは制限時間が厳しく、少しでも熟考していると簡単に時間切れになってしまう適性検査です。問題ごとの適切なペース配分を覚え、「間に合わなければ飛ばす」という選択肢も考慮しなければなりません。
また、苦手分野が足を引っ張らないように復習を繰り返すことも重要です。得意分野を伸ばすよりも、苦手分野をなくした方が安定して高得点を取れるようになります。
7割以上が必要な企業では、ボーダーぎりぎりの得点では安心できないこともあります。練習で7割程度解けたとしても、なるべく時間をかけて対策を繰り返すことがおすすめです。
8~9割近い得点が求められる人気企業は、苦手とする問題が一切ない状態まで仕上げなければ突破は厳しいでしょう。
出題範囲が広いとはいえ、8割以上を目指すのであれば1つの苦手分野も残せません。苦手に感じていない問題も毎回確実に解けるわけではないので、1種類の問題が苦手なだけで8割を切ってしまう可能性は高いです。
本番では、緊張から練習ではしなかったようなミスをしてしまうこともあります。それを見越して、練習の時点で「ほぼ完璧」といえるレベルまで対策を重ねておくと、多少のミスでボーダーを切ることはなくなるでしょう。
SPI対策を始める前に、まずは簡単なSPIレベル診断で今の実力を確かめてみましょう。いきなり問題集を1から始めるよりも、検査の全体像をわかった上で取り組み始めた方がモチベーションも維持しやすいです。
SPI対策模試では、簡単なレベル診断から本格的な模試まで全て無料で受けることが可能です。結果は全国の受検者と比較して確認できるので、自分の立ち位置が客観的に確認できます。
対策中やある程度仕上がった時にも役立つサービスですので、ぜひ一度お試しください。
「SPI」と一括りにすると出題範囲は非常に広いですが、受検形式によって厳密な出題範囲は異なります。例えば、言語の「二語の関係」はテストセンターで頻出ですが、Webテストでは出題されません。
こうした違いを理解していれば、出題されない問題の対策を飛ばすことができます。限られた時間でボーダーを超えるには、「時間の節約」も大切です。
どの形式で実施されるかわからない時は、テストセンター形式を前提に勉強を進めると良いでしょう。SPIの中でも特に実施されやすい形式であり、複数企業の選考で役立つ可能性が高いです。
SPIでは得意分野を伸ばすよりも、苦手分野をなくしていく方が効率的に得点を伸ばせます。得意な分野を伸ばしても得点は大きく変わりませんが、ほとんど解けない問題をある程度解けるようになれば影響も大きいためです。
また、SPI時間制限の厳しい適性検査なため、苦手な問題に時間をかけすぎると他の問題を解く時間が不足するおそれがあります。どの問題でもまんべんなく得点するには、苦手分野を克服し、極端に時間のかかる問題をなくすことが重要です。
苦手分野をなくす練習では、闇雲に問題数をこなすよりも解説を熟読するべきです。根本的に解き方や時間配分を間違えている可能性が高いので、基礎知識から固めた方が力になります。
SPIの受検は急に決まる場合がほとんどです。そうでなくても、忙しい就活中にはつい対策を後回しにしてしまうことも多いでしょう。
しかし、瞬発力も重要なSPIでは、数日詰め込んだだけの知識はほとんど通用しません。何週間かかけてじっくりと定着させ、「慣れた」と感じるようになっていないと、思うような得点は取れないでしょう。
SPIは就活では受ける機会が最も多い適性検査なので、受検が決まる前から対策を始めても損はしません。また、忙しくなる前に最低限の対策を済ませておくのも一つの手です。
SPIのボーダーは毎回固定されているものではありません。その時の受検者の数や成績によって、相対的に評価されるのが一般的です。そのため、得点の高い人が偶然集まり、例年よりもボーダーが高くなる可能性もあります。
「この企業は〇割取っておけば大丈夫」と油断していると、受かるはずだった企業に落ちてしまうこともあるでしょう。
特に、中小企業ではこういったボーダーの変動が起こりやすい傾向にあります。大企業と比べて受検者数が少なく、成績の偏りが生じやすいためです。
ボーダーを最終目標にはせず、「最低限超えたいライン」と考えて、対策を最後までやり切りましょう。
SPIの結果は、それ以降の選考プロセスでも考慮に加えられる可能性が高いです。面接などで同じような評価を得た人が残った場合、SPIの得点で合否が分かれるということもありえます。
また、非言語や英語の能力が重視される職種では、その科目の得点が決め手になることもあるでしょう。金融やコンサルといった、実力主義の風潮が強い企業では特に重要です。
ただし、SPIで高得点を取っていても、面接対策が不十分では良い印象には繋がりません。どちらかの対策に偏りすぎないように、バランス良く就活全体の対策を進めることも大切です。
SPIでは、性格検査が原因で落ちることも十分にあり得ます。能力検査に自信があっても、明らかに企業と合わないような人柄だと判断されれば、内定獲得は難しいでしょう。
しかし、企業に好印象を与えようと、本来の自分とはかけ離れた解答をするのは避けるべきです。解答の傾向にばらつきが出て、「一貫性がない」と判定されてしまいます。
性格検査には虚偽の解答を見抜くための設問がいくつか散りばめられており、自分を偽ることは困難です。なるべく素直な気持ちで解答することを第一に考えましょう。
また、一貫性のある解答を行うためには、自己分析が欠かせません。「自分はどんな性格か」「どういう場面でどんな行動を取るか」といった傾向を改めて分析してみましょう。自己分析をして解答の軸を固めておけば、本番では迷わず自分らしい解答を選べます。
SPIのボーダーは企業によって異なりますが、一般的な中小企業であれば5~6割を超えることが一つの目安になります。これをもとにして、大企業であれば7割以上・最大手に近い人気企業であれば8~9割など、目指すレベルに合わせた目標設定を行いましょう。
ただし、こうしたボーダーはあくまで目安です。他の受検者によっては、目安よりもボーダーが高くなる可能性も十分に考えられます。「目安のボーダーは越えられそうだからもういい」と対策を切り上げたりはせず、できる限り得点を伸ばすことが重要です。
また、能力検査以外にも、就活では対策しておくべきことがあります。自己分析や面接対策などを忘れずに行い、様々な面で高い評価を得られるように備えましょう。