SPIの性格検査で落とされる可能性は?落ちる理由や対策ポイントを解説
目次
SPIの性格検査とは?
そもそも性格検査とは、就活の選考においてよく利用される適性検査のことで、応募者の性格や向いている職務などを測定するテストです。新卒採用の場合は、面接の前に実施されることが多く、学生の人となりやどのような組織に適しているかを把握することに活用されています。
適性検査には、SPIの他にも「玉手箱」や「CAB」「GAB」「TG-WEB」といった様々な種類があります。しかし、やはりSPIは一番知名度が高い適性検査です。年間1万以上の企業が採用するものであるため、まずはSPIの対策を取っておくことが就活を有利に進めるコツと言えるでしょう。
企業がSPIの性格検査を重視する理由
自社との相性を確認するため
企業がSPIの性格検査を実施する目的の一つは、応募者が自社の価値観や文化にマッチした人材であるかを確認するためです。どれだけスキルが高い人であっても、企業との相性が悪いと長期的に活躍することは難しいです。
企業によって社風や方向性が異なる分、活躍する社員の特徴も変化します。そのため、企業側は、性格検査の結果から活躍している社員とどの程度一致するかを見て、採用後の活躍を見極めようと考えているのです。
多くの応募者をふるいにかけるため
面接よりも先に性格検査を実施する企業の場合は、応募者をふるいにかけるために導入している可能性が高いでしょう。特に、大量の応募がある場合、全員と面接をすることは難しいため、その前段階で候補者を絞る必要があります。
そのため、性格検査を実施し、採用基準に満たない応募者を早い段階でふるいにかけるのです。性格検査で落ちてしまうと、その先には進めません。せっかくの面接対策も無駄になってしまうので、しっかりとSPIの性格検査対策を行いましょう。
面接時の参考資料にするため
性格検査の結果は、面接時の質問を深掘りするための参考資料として活用されるケースもあります。性格検査では、応募者の思考や行動特性などが示されるため、プロフィールだけでは理解しづらい部分を確認する資料となります。
このとき、面接の答えが性格検査の回答と矛盾していると「嘘をついた」と評価されてしまうかもしれません。そのため、面接で聞かれてもスムーズに答えられるよう、正直に回答することが大切です。
採用後のミスマッチを防ぐため
採用活動において課題となるのがミスマッチです。応募者が入社後に「思っていた仕事内容や職場環境と違う」と感じた場合、早期退職に繋がってしまいます。
そこで、SPIの性格検査を実施することで、応募者の性格や適している職務、職場の雰囲気に合うかを事前に確認できます。採用前に、企業側と応募者側の認識のズレを解消できるため、どちらにとっても満足度の高い結果をもたらすのです。
入社後の配属先を決めるときの参考にするため
性格検査の結果は、入社後の配属先決めにも大いに活用されています。同企業でも配属先によって業務内容が異なるため、配属先との相性もあります。配属先のミスマッチが起こると、モチベーションの低下に繋がり、早期退職の恐れもあるため企業側としては防ぎたいところです。
SPIの性格検査は、応募者の性格的な特徴だけでなく、どのような業務が合うかという部分も数値化されます。そのため、応募者にマッチした配属先を決定しやすく、長期的な関係性を築くことができます。もし、志望企業で携わりたいプロジェクトや興味のある部署がある場合は、どのような社員が活躍しているのかをリサーチしておく必要があるでしょう。
そもそもSPIの性格検査で落ちることはある?
SPIの性格検査では、採用担当者が求める人物像と応募者の性格や価値観などが一致しない場合、選考から落ちる可能性があります。性格検査には決まった正解があるわけではありません。そのため、企業によって評価基準が異なります。
企業ごとの基準に照らし合わせる中で、求める要件にマッチしていないと判断されると、結果的にその先の選考へ進まないケースもあるのです。性格検査の結果を参考程度に活用する企業もあれば、人柄を重視する企業もあるため、他の選考内容と同様に油断せずに対策する必要があるでしょう。
SPIの性格検査で落ちる主な理由
社風と合わない
SPIの性格検査を実施する企業が重視するのは、自社の価値観や文化にどれだけマッチしているのかという点です。そのため、応募者の性格や価値観が企業の求める人物像とかけ離れている場合、性格検査で落ちてしまう可能性があります。
主体性や積極性を求める企業もあれば、協調性やチームワーク力を求める企業もあり、評価されるスキルや特性は様々です。性格を無理に合わせる必要はありませんが、事前に志望企業の理念や働き方などを調べ、それに適合する自分の強みや特徴を改めて把握しておくと良いでしょう。
矛盾した回答が多い
SPIの性格検査では、同じ意味を持つような質問が何度か繰り返し出てきます。これは、応募者の回答に一貫性があるかどうかを見るためです。
例えば、「人前で話すことは苦手だ」という質問に対して「はい」と答えたのにもかかわらず、「人前で話すことは気が重いと感じる」という質問に「いいえ」という回答は、矛盾しています。矛盾した回答が多いと、評価は低くなってしまいます。SPIの性格検査を受けるときは、自分の性格を偽らずに、正直に答えることが重要です。
回答ミスが多い
SPIの性格検査は、質問内容をしっかり理解して回答しなければなりません。しかし、なかには質問を読み間違えたり、深く考えずに回答することで、間違った回答を選択するケースがあります。
例えば、選択肢から2つを選ばなければならない設問に対して、1つしか選択していないというもったいないミスも見られます。時間制限があるため、焦ってしまう気持ちも理解できますが、落ち着いて質問をよく読み、正確に自分の特性を反映した回答を選ぶようにしましょう。
回答に時間がかかりすぎている
SPIはペーパーテストの性格検査では約40分、WEBテストの場合は約30分の時間制限が定められています。一つひとつの質問に対して時間をかけすぎていると、全ての質問に答えられません。
性格検査では、深く考えすぎず最初に思った回答を選ぶようにしましょう。また、事前に模擬テストを受けることで、設問に慣れ、回答スピードが早くなります。適度なスピードで答えつつ、焦りすぎてミスしないバランスが大切です。
曖昧な回答が多い
SPIの性格検査において、「どちらかといえば」といった中間的な回答が多すぎると、企業側はあなたの性格を判断しづらくなります。回答に悩む設問もあると思いますが、曖昧な回答が多い場合、「消極的な人」「優柔不断な人」と捉えられる恐れがあります。自信を持って自分の考えや行動傾向を示すことが重要です。
未回答が多い
SPIの性格検査は全部で約300問あり、時間以内に全て回答しなければなりません。未回答で提出することは評価を下げる要因になるため、必ず最後まで回答するようにしましょう。未回答になってしまう原因として、設問の意味を考えすぎてしまい、時間が足りないことが挙げられます。
深く考え込まず、自身の直感で進めていくのが良いでしょう。時間がないからといって焦って適当に回答するのはNGです。時間配分を考慮しながら進めていくことが大切です。
極端な回答が多い
曖昧な回答が多い場合だけでなく、極端な回答が多い場合も性格検査で落ちてしまうパターンの一つです。例えば、「他人の意見は一切気にしないで行動する」という設問に対して、「よく当てはまる」を選んだ場合、「自己中心的だ」「協調性が欠けている」と判断される恐れがあります。
また、全ての設問に「全く当てはまらない」と回答すると、「性格検査を軽視している」「真剣さが足りない」と受け取られるかもしれません。極端な回答によって、性格が偏っている、または作為的であると疑われる原因となります。自然体で回答することを心がけましょう。
SPIの性格検査を受ける際に押さえておくべきポイント
自分をよく見せようとしない
SPIの性格検査では、自分をよく見せようと本来の自分とは違う回答を選択しないようにしましょう。性格検査は、自分の特性や価値観を企業に伝えるための重要な手段です。無理に理想的な人物像を装った回答をすると、矛盾が生じたり、性格が極端に偏った印象を与える可能性があります。
また、受検後の面接や入社後に、実際の自分とのギャップが原因でミスマッチが起きるリスクも高いです。自然体で回答することが、結果的に自分に合った企業との出会いに繋がります。企業は「完璧な人材」を求めているわけではなく、「一貫性があり、自分らしく振る舞える人」を評価していることを忘れないでください。
ライスケールに気を付ける
性格検査内には、回答が一貫性を持っているか、嘘をついてはいないかを確認するためのライスケールと呼ばれる質問がいくつかあります。同じような質問が異なる言い回しで繰り返されることで、矛盾した回答を防ぐ狙いがあります。
ライスケールにひっかからないために質問の意図を正確に理解し、常に自分の性格や価値観に基づいた一貫した回答を心がけましょう。一貫した回答をすることによって、企業に対して信頼感を与える大きな要素となります。
時間配分に注意する
SPIの性格検査では、回答にかける時間にも注意が必要です。適性検査は時間制限が設けられている場合が多く、全ての質問に答えきれないと未回答が多くなり、低評価に繋がりかねません。
質問の意味を理解したうえで、直感的に答えるのがポイントです。当日慌てないように事前にペース配分を確認しておくと安心です。回答するスピードを適切に調整できるよう整えておきましょう。
例題を解いて検査に慣れておく
SPIの性格検査本番を迎える前に、例題を解いて検査形式に慣れておきましょう。性格検査では、質問の種類や出題パターンがあるため、事前に練習しておくことで回答のスピードや正確さが向上します。
また、例題を解くことで、自分の性格や価値観を再確認できる機会にもなります。アプリや書籍を活用して、本番で自信を持って回答できるように準備しておきましょう。
SPIの性格検査で選考に落ちないための対策
自己分析を徹底する
SPIの性格検査の結果で選考に落ちないためには、自己分析を徹底することが重要です。自分の強みや弱み、価値観、行動特性を深く理解しておくことで、性格検査でスムーズに回答できます。
自己分析が不十分だと、回答に迷いが生じてしまい、時間内に全ての回答をできないまま終わってしまう可能性があります。自己分析は、自分に合っている企業を見つけられるキッカケにもなるため、自分をしっかり理解しておきましょう。
回答に一貫性を持たせる
性格検査では、回答に一貫性を持たせることがポイントです。同じテーマについて異なる質問が繰り返されるため、矛盾した回答をすると評価が下がってしまいます。一貫性を保つためには、自分の価値観や行動スタイルを明確にしておくことが大切です。
例えば、「協調性がある」と回答したい場合は、それに関連する全ての質問でも共通する選択肢を選ぶ必要があります。質問ごとに回答を変えたり、意図的に操作したりすると、矛盾点が生じるため正直に自分の考えを反映した選択肢を選びましょう。
企業が求める人物像を理解する
自己分析と同じように、企業が求める人物像を理解しておくことも、性格検査で選考を突破するためには必要です。事前に企業研究を行い、その会社が重視する価値観やスキルを把握しましょう。
例えば、チームワークを重視する企業であれば、協調性や柔軟性を示す回答が期待されます。ただし、無理に自分を装う必要はありません。自分の性格と企業の求める要素がどの程度一致しているのかを考え、回答に自然に反映させることが大切です。企業と自分の価値観が一致することで、採用後のミスマッチ防止にも繋がります。
回答漏れがないかチェックして次に進む
性格検査で、回答漏れがあると評価が下がる可能性があるため注意しましょう。時間制限があることから、焦ってしまい未回答が発生しやすくなります。回答漏れを防ぐには、一問一問を確実に選びながら進めることがポイントです。
回答漏れをゼロにすることで、適性評価の精度が高まり、採用に有利な結果を得られます。回答する際は、漏れがないどうかをチェックしながら、不備がない状態で次に進むようにしましょう。
迷った時はポジティブな回答を選択する
SPIの性格検査で回答に迷った場合は、ポジティブな選択肢を選ぶようにしましょう。例えば、「新しい環境でもすぐに適応できるほうだ」という設問に対して、「全く当てはまらない」を選択すると、変化に弱いとみなされるリスクがあります。
他にも、「プレッシャーのかかる場面でも冷静に対処できる」という設問に、「当てはまらない」を選ぶとプレッシャーに弱いと判断されてしまうでしょう。ネガティブな回答を選び続けると、マイナスな評価を受けてしまうため、ポジティブさが伝わるような回答が望ましいです。ただし、無理に自分の性格とかけ離れた回答を選ぶのは避けましょう。
リラックスした状態で挑む
SPIの性格検査に取り組む際は、リラックスした状態で回答することが大切です。緊張や焦りがあると、本来の自分をうまく表現できず、不自然な回答を選んでしまいます。受検前に深呼吸をして心を落ち着かせたり、温かい飲み物を飲んだりしてリラックスを心がけましょう。
また、十分な睡眠を取り、体調を整えることも重要です。落ち着いた状態で性格検査に臨むことで、自然体の自分を正確に反映した結果を得やすくなります。
性格検査で正直に回答して企業とのミスマッチを防ごう
SPIの性格検査は、自分をよく見せることに意識を集中しすぎると、本来の性格とかけ離れた結果が出てしまいます。本来の特性が伝わらず、採用後のミスマッチに繋がる恐れがあるため、正直に回答することがポイントです。
選考で落ちないためには、書類や面接だけでなく、性格検査を含む適性検査の対策も必須です。矛盾した回答を選んでしまったり、全部解けなかったと後悔しないためにも、自己分析や企業研究を徹底し、例題に慣れておきましょう。

編集者
Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『SPI対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者
gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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