SPIの英語は、語彙力を中心に問われる対策必須の科目です。しかし、自分が受けるSPIに英語があるかないかがわからない状況で勉強を進めるのはハードルが高いですよね。
そこで本記事では、事前にSPIで英語があるかないかを判別する方法を3つに分けて解説します。
早い段階でSPI英語の有無を確認しておくことで、効率的に対策を済ませられるでしょう。
目次
SPIの英語は、言語や非言語のように必ず出題される科目ではありません。英語は企業が任意で出題する「オプション検査」のひとつであり、出題されないことも多い科目です。
一方で、出題される場合には基礎的な英語力に加えて、制限時間内に素早く解答することが求められます。そのため、英語が出る場合には、しっかりと対策しておかないと高得点を取るのは難しいでしょう。
だからこそ、志望企業のSPIに英語があるかないかを受検前に判別し、英語対策をするべきか早いうちに知っておくことが重要です。
SPIの英語は、「業務上必要」と判断されているからこそ出題される科目です。そのため、志望企業の業務内容に英語や海外関連の業務が含まれていれば、英語が出題される可能性が高いでしょう。
特に、外資系の企業やグローバルな事業を展開している企業では、英語が日常的に使われることも珍しくありません。
また、同じ企業でも応募するポジションによって英語力の必要性は変わってきます。例えば、事務系の職種では使わなくても、国際的な営業職ではまず必須レベルといえるでしょう。
「業務で英語力が必要とされているか」という点は、SPIで英語があるかないかを判別する大きな手掛かりになります。
就活サイトの口コミや体験談からは、実際にSPIを受検した学生の体験談が投稿されています。その中にはSPIなどの適性検査の情報も含まれており、「言語・非言語・英語が出た」といった具体的な書き込みがある場合も多いです。
人気企業であるほど書き込み数も多く、出題内容を調べるのは比較的簡単でしょう。しかし、全ての情報が正しいとは限らないので、複数人の書き込みを比べたり、別サイトの情報と照らし合わせたりして精査することが必要です。
就活サイトで調べる際は、応募職種や年度も注意深く確認するようにしましょう。「総合職は英語あり・一般職は英語なし」や「直近で選考内容が変わっている」というケースもあります。1つの情報を鵜呑みにしないよう注意が必要です。
SPIの英語は、テストセンター形式とペーパーテスト形式でのみ出題されます。一般的に実施頻度の高い「Webテスト形式」には、英語は含まれません。
テストセンター受検の場合は、予約時に出題科目を確認できるので、そこで英語があるかないかを確実に判別できます。ただし、予約完了後に表示される受検票には出題科目の表記がないため、予約する時に注意深く確認しておくことが重要です。
なお、ペーパーテスト形式はそもそも実施されることが少なく、事前に判断するのは難しいでしょう。
【例題】
次の単語と最も意味が近い語を,AからEまでの中から一つ選びなさい。
proof
<選択肢>
同意語は、提示された単語と近い意味を持つ単語を選ぶ問題です。意味が同じでも、場面によって使い分けられるような単語の知識が求められます。
注意したいのは、「似ていても厳密には違う意味」を持つ単語です。「go(行く)」と「departure(出発する)」のように、ニュアンスが似ているだけの単語を見極める力が必要になります。
また、「table(テーブル/表)」のように、複数の意味を持つ単語も多いです。どちらの意味をもとに近い単語を探すべきかを、選択肢と見比べながら判断していく必要があります。
【例題】
次の単語と反対の意味の語を、AからEまでの中から一つ選びなさい。
prohibit
<選択肢>
反意語は、提示された単語の反対の意味を持つ単語を選ぶ問題です。同意語と似た形式ですが、こちらは「そもそも反対の意味が何なのか」を推察する必要があるので、国語力も試される内容といえます。
例えば、「ignore」は「無視する」という意味の単語ですが、その反対は「注目する」「関心を持つ」といった複数の意味が考えられます。こうした候補を思い付き、合致する選択肢を探す必要があるのです。
【例題】
次の説明文に最も近い意味を持つものを、AからEまでの中から1つ選びなさい。
to give someone the confidence to do something
<選択肢>
単語の意味では、提示された意味をもとに該当する単語を選びます。単語の知識に加えて、意味を表している文章を正しく読み取る力も必要です。
細かい意味が指定されているので、「わかっていれば迷いにくい問題」ともいえます。選択肢も、同意語や反意語よりシンプルな単語が選ばれやすい傾向があります。
一方、メインで使われる意味以外を指していることがあるため、単語の深い知識も求められます。例えば、「run」は主に「走る」を意味しますが、「経営する」という意味も持ちます。こうした知見がなければ、安定して解くことはできないでしょう。
【例題】
文中の に入る語として最も適切なものを、AからEまでの中から1つ選びなさい.
これは彼が22歳の時に発表した論文です。
This is the paper he published 22.
<選択肢>
空欄補充は、英文中の空欄に当てはまる語句を選ぶ問題です。総合的な単語力・文法力が試される比較的難しい単元となっています。
空欄補充では、文法や熟語表現まで理解していなければ正解できない問題が多く出題されます。SPI英語の中でも特に幅広い知識が求められるので、安定させることは難しいです。
基本は消去法で、「ここで使うのはおかしい」という語句を省くような解き方になるでしょう。
SPIに英語が含まれている場合、その企業は「英語力を特に重視している」と考えて間違いありません。言語と非言語の得点も大切ですが、英語で点を取れていなければ突破は厳しくなるでしょう。
また、SPIの英語では語彙力を中心に問う問題が多く、推測で解くのが難しいため、対策不足だとボロボロになりやすいです。
そのため、英語が出る場合は英語を優先的に対策し、合間で言語・非言語も網羅するという流れで勉強を進めるのが効果的です。
SPIの英語は、パソコンで選択肢を選ぶだけの形式です。会話や作文・リスニングといった力は一切求められません。
出題される英語のレベルも中学~高校程度の語彙中心であり、難解な単語は基本的に出題されません。暗記中心で語彙力を鍛えれば対応できるので、苦手意識があっても高得点を狙えます。
新しい知識を一から学習するというよりも、過去に学んだ内容を思い出しながら復習するような感覚で取り組むと効率よく進められるでしょう。
SPIの英語対策では、実際の問題形式に慣れることが重要です。英語まで網羅した問題集や練習サイトを使い、本番に近い環境で繰り返し解いておきましょう。
SPIの英語は必出ではないので、英語問題が含まれていない問題集や練習問題サイトもあります。購入・利用する前に必ず収録内容を確認し、英語問題を十分に練習できるものを選びましょう。
SPI対策問題集では、英語を含めたSPIの問題を幅広くカバーしています。アプリや模試などの関連サービスも全て無料で利用できるので、ぜひ活用してみてください。
レベルの高い企業の場合、「最低限の英語力はあって当然」と判断されることがあります。SPIで英語が出題されなくても、日常業務で頻繁に英語を使う機会がある場合もあります。
英会話や英語の文書作成といった高度な英語業務はなくても、ちょっとした英文を読む力がないと、能力不足と捉えられてしまうかもしれません。
特に商社や金融・メーカーといった「海外とのやり取りが時々ある」ような業界では、注意が必要です。SPIで英語が出題されなくても、業務で必要ないとは限らないので、心に留めておきましょう。
入社後、ずっと同じ部署で仕事を続けられるとは限りません。最初は英語を使わない業務でも、異動で急に英語力を求められるというケースもあります。
英語力を身につけておくことで、幅広く活躍でき、キャリアの選択肢も広がります。
社会人になってから英語を学び直すのは簡単にできるものではありません。時間に余裕がある学生の間に、英語の基礎力をつけておくのがおすすめです。
定常業務では英語を使わなくても、不定期に発生する業務で英語が必要になることがあります。例えば、海外のマニュアルを読んだり、海外からの問い合わせに対応する場合などが該当します。
専門的な用語やニュアンスの理解が求められる場面では、翻訳ツールだけでは対応できない可能性もあります。
こうした事態にも対応できる基本的な英語力を身につけておくことが、将来の評価にもつながります。
SPIで英語があるかないかは、今後の対策方針にも大きく影響する重要な情報です。この記事で紹介した3つの判別法を使って、なるべく早くから英語の出題情報を掴んでおきましょう。
英語を出題する企業にとっては、英語力が大きい判断材料になっている可能性が高いです。英語が出題内容にあることがわかったら、優先して対策を進めるようにしましょう。
ただし、SPIで英語がないからといって油断は禁物です。社会人になれば、急に英語力を求められることも頻繁にあります。あって損はない基礎能力として、最低限の英語力を身につけておくことをおすすめします。