SPIの分担計算では、与えられた情報を基に一人当たりの仕事量や支払い金額を求める問題が出題されます。
そのため与えられた情報を整理して正しく計算する能力が求められます。
一見難易度が高そうに見えますが、出題される問題は小学生~中学生レベルであるため、対策をすれば算数や数学が苦手な人であっても高得点をとることができます。
他の単元と比較しても難易度は低めであるため、しっかりと対策をして確実に得点するようにしましょう。
【問題】
排水用ポンプX、Yと、給水用ポンプP、Qがある。 池の水をすべて抜くのに、ポンプXのみでは2時間、ポンプYでは6時間かかる。 また、池に水を同じ量戻すのにポンプPだと4時間、ポンプQだと12時間かかる。 満タンの池の水をポンプXとYで排水するが、同時にPとQで給水しながら洗い流すとき、池に水が溜まっていない状態にするのに何時間かかるか。【解答・解説】
答え:C
満タンの池の水量を1とする。 X、Y、P、Qの排水・注水速度は、それぞれ1/2、1/6、1/4、1/12である。 よって、合計の排水速度は、 \( \frac{1}{2} + \frac{1}{6} – \frac{1}{4} – \frac{1}{12} = \frac{4}{12} = \frac{1}{3} \) なので池の水が空になるのに必要な時間は、 \(\frac{1}{\frac{1}{3}} = 3時間\)。
【問題】
英語と数学の宿題がでた。Pは英語、数学の宿題をやるのにそれぞれ1時間、3時間かかる。Qは2時間、2時間かかる。Pは数学の宿題を1時間やったが、時間がかかりそうだったのでQにやってもらうことにした。その代わりPはQの英語の宿題をやってあげることにした。 QがPの分の数学の宿題を終えるのは、PがQの分の英語の宿題を終える時間の何分後か。【解答・解説】
答え:D
数学の宿題量を1と考える。 Pは3時間かかる数学の宿題を1時間だけやったので2/3が残っている。 Qは数学の宿題を1やるのに2時間かかるから、2/3やるのには4/3時間かかる。 ところで、Pは英語の宿題をやってあげるのに1時間かかる。 以上より、Qがやり終えるのはPがやり終える1/3時間後だから、20分後。
【問題】
今年1年間はお小遣いを毎月1万円貰うことになった。しかし1月に欲しい物があるのでたくさんお金がほしいとねだったところ、1万円を超える分は10%の利子がついて、残りの11ヶ月で等分してお小遣いから引かれることになった。 2月以降の毎月のお小遣いが9000円になるとき、1月にいくらのお小遣いをもらったか?【解答・解説】
答え:D
2月以降お小遣いが9000円になるとき、通常より1000円引かれている。 11ヶ月分あわせて11000円引かれている計算になる。 つまりこれが、1月に追加でもらった額に利子を付けた値段である。 利子は10%だから、1月に追加でもらった額は、 \( 11000 \times \frac{100}{100 + 10} = 10000円\)。 よって、1月はお小遣いを20000円もらった。
対策のポイントの1つ目は全体の仕事量を「1」とおくことです。 分担計算においては全体の仕事量を数字で仮定すると考えやすくなる場合が非常に多いです 。
なぜなら、数字を仮定することで1単位当たりの仕事量を定義することができるからです。
仮定する数字は何でもよいため問題に応じて考えやすい数字を定義すれば良いのですが、「1」とおくのが一般的です。
例えば、Aさんがある仕事を終えるのに5日かかるとします。
このとき全体の仕事量を「1」とおくとAさんの1日当たりの仕事量は1/5と表すことができます。
このように全体の仕事量が問題文からわからない場合でも、1と仮定しておくことによって1日あたりの仕事量や割合がわかりやすくなります。
1でおくことの他に、文字や計算しやすい数でおくことも有効です。
問題文を読んでわからない部分を何でおけば計算がしやすくなるか考えて仮定するようにしましょう。
対策のポイントの2つ目は計算は正確に行うことです。
分担計算においては、分数や比などの計算が必要となります。
これらはいずれも小学生~中学生レベルであるため難易度は高くありません。
しかし、確実に得点するためには素早くそしてミスなく解かなければなりません。
簡単だからと対策を疎かにせず繰り返し練習しましょう。