SPIは「能力検査」と「性格検査」によって構成されています。
能力検査の得点は、受検者の言語・非言語能力が「標準得点」と呼ばれる偏差値のような数字で表され、1〜7で段階分けされており、相対的な数字となっています。
段階 | 得点 | 出現率 | 上位からの累計 |
7 | 70以上 | 2.3% | 2.3% |
6 | 62〜69.5 | 9.2% | 11.5% |
5 | 54〜61.5 | 23.0% | 34.5% |
4 | 46〜53.5 | 31.0% | 65.5% |
3 | 38〜45.5 | 23.0% | 88.5% |
2 | 30〜37.5 | 9.2% | 97.7% |
1 | 29.5以下 | 2.3% | 100.0% |
一方、性格検査に明確な得点はありません。自分自身の行動や考え方にまつわる質問に答えることによって、仕事面を含む「性格の特徴」が分かるのみとなっています。
企業によって求める水準が異なるため、「○割以上でなければ落ちる」という具体的な割合は不明です。
また、SPIのテストセンターやWebテスティングでは解答者の問題の正答率によって出題される問題の難易度が変わってくるので、一概に「○割、または×問解ければ良い」ともいえません。
しかしながら、能力検査の7段階では、【4(標準得点が46〜53.5)】に位置する人の割合が最も多く平均的です。
受ける企業の難易度や自分の学力にもよりますが、人気・難関企業を受ける予定のない人であっても、平均的なレベルの問題は難なく解けるように対策しておきたいところです。
特に大手や人気企業、難関企業を受けるのであれば、平均以上の正答率を出して、上位に入れるまで対策する必要があるといえるでしょう。
平均よりも上の段階である【5(標準得点54〜61.5、上位約35%)】や【6(標準得点62〜69.5、上位約12%)】以上を目標に対策してください。
また、テストセンターでは、正答率が高い人に難易度の高い「長文」や「推論」の問題が出題される傾向があります。これらを高得点のボーダーラインとして把握しておくと良いでしょう。
SPIは「中学レベルの知識を問う問題」が多く、きちんと知識を付けていれば誰でも解けるようになるテストです。
しかし、「中学レベルなら大丈夫だろう」と油断して対策を怠ると、あっさり悪い結果になってしまうことがあります。
SPIの受検が迫ってから対策本に目を通し始めると、意外に忘れている知識が多いことに気付くでしょう。
また、SPIを足切りに使っている企業は多く存在するため、「面接に自信がある」という人でも油断は禁物です。
SPIでは、中学〜高校までの知識で解ける問題しか出題されません。
しかし、中学レベルの基礎的な知識は意外と忘れてしまっているものです。
能力検査は言語(国語)と非言語(数学)で構成されており、特に数学の基礎知識が抜け落ちている人は多いです。
基礎知識に自信がない人はもちろん、忘れてしまっていることも多くあるので、言語・非言語ともに事前の対策をおすすめします。
SPIの問題は問題ごとに制限時間が設けられていたり、テストの時間が決まっていたりもするので、時間に追われながら解いていくことになります。
制限時間内で素早く正解を求めるためにも、基礎知識は頭に入れてからテストに臨むようにしましょう。
性格検査には正解がありません。そのため、理想の解答を選べば選考を通過できると考える人もいるでしょう。
しかし、性格検査の結果を操作することは難しく、理想に寄せているだけでは「自分を良く見せようとする傾向がある」という結果になってしまいます。
また、本来の自分とは異なる答えを続けていると、解答に一貫性がなくなったり、矛盾する結果が出るというリスクもあります。
性格検査は深く考えず、素直に解答するようにしましょう。
いい加減なSPI対策は、SPIで選考に落ちる原因となります。
特別難しい問題は出ませんが、対策をほとんどせずに臨んで高得点を取れるほど簡単な内容にはなっていません。
落ちた後に「きちんとSPI対策をすれば良かった…」と後悔しないためにも、きちんと対策を行なっておくことをおすすめします。
SPIのテストセンターやWebテスティングなど、パソコンを使ったテストでは問題ごとに制限時間が設けられています。
正しい答えが出せないまま時間切れになると、未解答の問題や焦って出した答えが不正解になり、思ったような結果を残せなくなってしまいます。
また、本来であれば正解が分かっているはずの問題でも、時間に追われることでミスする可能性もあります。
勉強の段階からタイマーを使って、時間に追われながら正確に解く感覚を身につける練習をすると良いでしょう。
特に非言語(数学)が苦手な人は少なくありません。
しかし、SPIでは公式や解き方を暗記するだけで解ける問題が多いです。あまり難しく捉えず、まずは公式などを暗記するところから対策に取り組むと良いでしょう。
苦手分野をなんとなく避けて放置した結果、本番で解ける問題数が減ってしまってはもったいないです。
言語・非言語に関わらず、頻出問題の中で自分が苦手と感じる分野があるのであれば、受検前に克服しておくようにしましょう。
落ち着いて解けば正解できる問題や、解き方はわかっているにも関わらず、計算ミスで失点しているということが多いことも落ちる大きな原因となります。
ケアレスミスは慌てて解答しているときに、問題文の読み違えや解法の思い込みなどによって発生しやすいです。
対策本を使って問題を解いている時から、「落ち着いて考えれば解けたはずの問題」はしっかり復習を行うと良いでしょう。
SPIを突破するためには、まず自分の苦手・弱みを洗い出してみてください。
自分は言語と非言語のどちらに弱みがあり、特に苦手な分野は何なのかまで振り返ってみましょう。
他にも、単純に問題に慣れていないのか、もしくは制限時間内で問題を解くことが苦手なのか、といった弱点を具体的に考えていきます。
弱みを明らかにして、それぞれに応じた対策を取り入れ、効率的にSPI対策を進めていきましょう。
テストセンターやWebテスティングでは、問題ごとに制限時間が設けられています。
特に、時間に追われて解くのが苦手であったり、過去にSPIを受けた際、時間が短すぎると感じた人は時間を意識した対策を行いましょう。
また、いざタイマーを目にすると焦ってしまい、普段はしないミスが増える可能性もあります。
本番でスピーディーに正しい答えを導き出すためにも、対策する段階から時間を測ってSPIの問題を解く練習を重ねてみてください。
複数の対策本を買って1周ずつするよりも1、2冊決めた対策本を周回して解説を読み込むことをおすすめします。
特に苦手分野の問題は徹底的に解くようにしましょう。繰り返し解くことで、解き方が定着し、苦手分野の克服にもつながります。
苦手と感じる分野を減らしていくことで、自信を持ってSPIを受検することができ、心にも余裕が生まれるでしょう。
また、問題を何回も解くことで、SPIの問題形式自体に慣れることもできます。
苦手分野以外でも、対策本の問題を繰り返し解いてみてください。人気企業に内定した人の中でも、対策本を2、3周して対策していたという声は多かったため、有効な方法であるといえます。
練習問題を解いているだけでは、本番で通用するのかどうかはわかりません。
いきなり本番に臨むと、緊張から思うように実力を発揮できないことも多いです。
そのため、模擬試験でSPIの本番に近い形で解答してみることがおすすめです。練習段階では気付けなかった弱点にも気付くことができるでしょう。
SPI対策模試を使えば、無料ですぐにSPIの模試を受けてみることができます。最短5分で済む簡単コースもあるので、一度試してみましょう。
性格検査では受検者の性格の特徴が分かり、職務への適性なども知ることができます。
そのため性格検査で解答を偽ってしまうと、結果に矛盾が生じたり、本来であれば適性があったはずが、あまり適性のない人物だと判断されてしまいかねません。
企業が求めているであろう人物像に寄せてしまいたくなりますが、約300問もの質問の中で矛盾を生じさせずに解答し切るのは難しいです。できる限り日頃の自分のままで解答するのが良いでしょう。
「自分をよく見せようとする傾向があるかどうか」といったことまで分かってしまうのが性格検査です。ごまかさず素直に解答することをおすすめします。
SPIの能力検査が高得点であっても、ESや性格検査の結果と照らし合わせた結果、落ちてしまう可能性はあります。
逆に能力検査の出来が良くなかったとしても内定をもらえるということも起こり得るのです。
SPIで高得点を取れていた場合、落ちた企業とは相性が悪かっただけという可能性も考えられます。
SPIでは合格ラインが不明確なため、何割以上であれば確実に採用されるという保証はありません。しかし、高得点を獲っておいて損することはありません。
能力検査で上位に入っておけば、地頭の良さや勉強に対して努力ができるといった良い印象を与えることができるでしょう。
就活の最初の関門であるSPIを突破できるように、できる限り高得点を狙って対策していきましょう。