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Web適性検査は応募者が多くても実施しやすいため、人気企業で足切り用の試験として実施されていることが多いです。
審査しなければいけない数が少なくなれば、企業の採用活動のコストも下がります。「優秀な人を残す」というよりは、「最低限の基準に満たない人を省く」ことが主な目的といえるでしょう。
カメラによる監視は行われないことが一般的であり、不正や替え玉受検などの可能性はどうしても残ります。そのため、最終的な合否に影響することは少ないです。
また、Web適性検査で足切りを行った後、会場や企業に行って受検するタイプの適性検査を改めて実施する場合もあります。
Web適性検査で、極端な難問が出題されることはありません。基本的には中学・高校レベルの知識量で解けるようになっています。出題範囲も決まっていることが一般的なので、対策は取りやすいでしょう。
ただし、多くの適性検査では解答の速さが必要になります。じっくり考えれば答えられる問題でも、慣れていないと制限時間内に解ききれず、落としてしまう可能性が高いです。
こうした特徴を理解して対策を行えば、Web適性検査を突破するのは難しいことではありません。満点を目指す必要もなく、大多数の企業では6~7割ほど取れていれば足切りを回避できます。
適性検査は、能力検査と性格検査に分かれていることが多いです。しかし、企業によっては能力検査の結果をあまり重視していないこともあります。
「真面目ならOK」「ストレス耐性があればいい」という企業は、性格検査の結果が合えば選考を通過できるでしょう。
また、能力検査の結果が少し悪くても、性格検査の結果で補える場合もあります。合格基準ギリギリの点数だった人が複数いる場合は、自社に合う性格の人の方が有利になるでしょう。
人材を採用する気がないのに求人を出すことはありません。志望者の中から選ぼうとすれば、求める能力に満たない人でも通過させることもあります。
中小企業では十分な数の応募がない場合もあり、Web適性検査の結果が多少悪い程度では落とされないこともあるでしょう。就活シーズンと外れた時期の募集は特に狙い目といえます。
ほとんどの場合、選考では他の志望者とも比較した上で結論を出します。ライバルが少なければ、自分の評価も相対的に上がる可能性が高いです。
SPIは就活では定番の適性検査です。Webテスト形式で受検する場合がある他、テストセンターやペーパーテスト形式で実施されているケースもあります。
業界を問わず様々な企業で採用されているため、就活生のほとんどが経験することになる適性検査です。
適性検査全体で見ると、問題の難易度は並程度です。「非言語」の分野を苦手とする人が多いですが、対策しても解けないような問題は出題されません。
SPIのWebテストは、受検用URLに「arorua」が含まれている可能性が高いです。また、既にSPIのWebテストを受けたことがあれば、検査開始前の画面で判別することもできるでしょう。
玉手箱は、SPIに次ぐシェア率の適性検査です。自宅で受検できるWebテスト形式が実施が多い傾向にあります。
図表の読み取りや長文読解といった、1問に時間がかかりやすい問題が出題されやすいです。制限時間の余裕もないことから、難易度は高めといえます。
受検用URLに「e-exams」が含まれていれば、玉手箱であると推測できるでしょう。「e-exams1」のように数字が付いている場合もありますが、内容に違いはありません。
TG-WEBはIT系の企業で使われやすい適性検査で、難易度は高い部類です。計数問題が特に難しく、図形や暗号・推論といった単純な計算力では解決できないものが多く出題されます。
問題が独特なため、SPIや玉手箱と比べても対策の有無でライバルと差がつきやすいでしょう。
名前に「WEB」と付いていますが、テストセンターやペーパーテストでも実施される可能性があります。
Webテスト形式の場合は、URLに「assessment」や「c-personal」といった文字列が含まれます。「assessment.〇〇.〇〇.com」のように、URLの前半部分に書いてある可能性もあるため注意して確認しましょう。
CUBICは科目数が多く、「数理」「図形」「論理」といった独特な科目名で出題されます。問題自体は中学・高校での勉強に近い内容になっているため、大学受験で培った知識が活かしやすい適性検査です。
学校での「数学」にあたる「数理」「図形」では、面積や体積・数列・集合などの基礎的な知識が必要になります。逆に、知識さえあればそこまで難しい計算は求められません。
CUBICはWebテスト形式かペーパーテスト形式でのみ実施されます。Webテストの場合は、URLに「cubic」や「cservice」の文字列が含まれています。
Web適性検査は大学受験までの知識だけで解ける問題ばかりなため、「勉強しなくてもいいのでは」と思う人もいるかもしれません。
しかし、解き方を思い出したり、考えながらでは時間が足りないような問題も多いです。ノー勉で検査に臨むと、不慣れな問題に短時間で答えなければならず、失敗する可能性が高いでしょう。
最低でも例題を一通り確認し、本番で「見たことのない問題」に戸惑わないようにする必要があります。
直前になって焦り、一夜漬けで対処しようとするのもよくある失敗のひとつです。短期間では知識が定着しないため、結果が不安定になりやすいでしょう。
暗記で解決できる問題もありますが、解き方や時間配分に慣れる必要がある問題もあります。一夜漬けで「慣れる」ということは難しく、本番で焦ることも多くなってしまいます。
また、知識だけでなく集中力も重要なため、前日に夜更かしするのはおすすめできません。期間には余裕を持って対策を進めておきましょう。
Web適性検査は種類によって出題範囲が異なります。SPIが有名なため優先的に対策する人も多いですが、それだけでは他の適性検査の問題に対応できません。
適性検査ごとに必要な知識は異なり、時間配分の目安も違います。自分の受ける適性検査に合った対策をしていなければ、高得点を狙うのは難しいでしょう。
例えば、SPIの言語では語句の意味や用法を問う問題が多く出題されますが、玉手箱では長文読解系の問題しか出題されません。
受検用のURLから適性検査の種類を判別し、それに合わせた勉強をすることが重要です。
性格検査の質問は、「こう答えたら印象が良さそう」と予想がつくものが多いです。そのため、少しでも選考で有利になるために、本来の自分とは異なる答えを選んでしまうことがあります。
しかし、嘘の回答ばかりしていると不自然な結果が出てしまい、正しい評価に繋がりません。
多くの適性検査では「ライスケール」と呼ばれる、嘘の回答を見抜くための質問が混ぜられています。矛盾があると判断される回答をしていると、性格に一貫性がないと評価されてしまうでしょう。
自分の受けるWeb適性検査の種類を判別したら、すぐに出題範囲を調べましょう。練習問題や例題を見ることができるサイトを使えば、簡単に確認できます。
問題1つ1つを練習する前に、まずは「どんな問題が出るのか」を見ておくのがおすすめです。最終的な学習目標が明確になり、モチベーションの維持に繋がります。
適性検査の中でも特に実施割合の高いSPIの問題は、SPIレベル診断を使えば5分ほどで体験することができます。本番想定の模試まで全て無料で受けることができるため、活用してみましょう。
苦手科目をそのままにしておくと、科目間の得点に偏りが出ます。そうなった場合、低い方の点数がネックになって評価を落とす可能性が高いです。
そのため、まずは苦手科目を重点的に対策し、得意科目と同じくらい解けるようにしましょう。合計点を伸ばすという意味でも、
苦手科目から仕上げていった方が効率的です。
例えば、既に得意科目で6割程度は取れるという人でも、そこから8~9割取れるようにするにはかなりの時間が必要です。一方、苦手科目で4割程度しか取れない場合、6~7割まで伸ばすことは難しいことではありません。
このように、短期間で点を伸ばしやすいのは苦手科目の方といえます。勉強してもわからないという難易度の問題は基本的に出ないため、苦手意識をなくすことが重要です。
言語・英語の語彙力を問う問題や、非言語の公式を使う計算問題は、単純な暗記だけで突破できます。長文読解のような「解き方に慣れる」ことが必要な問題に比べ、短期間で仕上げやすいでしょう。
直前でも効果が出やすいため、受検の締め切りが迫っている場合におすすめの対策法です。
十分に暗記が済んだと感じたら、残りの期間で長文や図形問題の練習に取り掛かりましょう。難易度の高い問題まで正答できるようにしておけば、高い評価に繋がりやすくなります。
SPIは実施する企業が多く、対策アプリの種類が豊富です。アプリを使えば隙間時間で手軽に対策を進められるため、忙しい就活生にぴったりの練習方法といえます。
SPIの受検形式はパソコンかマークシートのみとなっているため、アプリでも本番と似た感覚で練習できるでしょう。
SPI対策アプリは豊富な問題数に加え、成績の記録や手書きのメモなど様々な便利機能を搭載しています。SPI対策には、こちらのアプリを活用することがおすすめです。
出典:Amazon
玉手箱は参考書や問題集を使って対策を進めましょう。対策アプリの数はまだ少ないため、手軽にできる練習方法に乏しいのが現状です。
また、問題の難易度が高めなので、参考書を使った本格的な練習をしなければ高得点を狙うのは難しいでしょう。
問題の知識を付けるのに加えて、1問を素早く解けるようにしなければなりません。まとまった時間を確保し、しっかりと練習する必要があります。
出典:Amazon
TG-WEBは新型と従来型に分かれており、出題範囲や難易度に違いがあります。就活サイトの口コミやOB・OGからの情報をもとに、どちらが実施されるのか確かめておきましょう。
従来型は新型よりも難しい問題が出やすく、注意が必要な形式です。全体的に1問に時間がかかりやすい問題が多く出題されます。計数は特に、図形やパズル系の問題など独特な内容となっています。
従来型のTG-WEB固有の問題に対応するためには、参考書を活用することがおすすめです。
一方、新型のTG-WEBはSPIにかなり近い出題範囲です。SPI対策の一部をそのまま流用することができるので、対策は進めやすい形式といえます。
新型の場合はSPI用の参考書や対策アプリだけでも対策を行えます。出題範囲に合う問題だけを抜き出して練習するだけでも十分でしょう。
CUBICは科目の分類が独特なため、なるべくCUBICに集中した対策を行いたいところです。しかし、アプリや参考書の数が少ないため、「どう練習すればいいのか」と悩んでしまうでしょう。
CUBICの練習には、練習問題や例題を掲載しているWebサイトを利用してみましょう。ブラウザで「CUBIC 練習問題」のように検索をすれば、いくつも無料で練習できるWebサイトが見つかります。
Web適性検査は、足切り目的で実施されることが多いです。極端に低い得点でなければ、この段階で落とされる可能性は低いでしょう。
しかし、落ちる確率が低くても最低限の対策は必要です。「どうせ落ちない」と油断して、ノー勉や一夜漬けで臨むと、不慣れな問題を何個も落として足切りされてしまいます。
就活で対策しなければいけない適性検査はSPIだけではありません。適性検査の種類ごとに合った対策を行って、Web適性検査を突破できるように備えましょう。