【適性検査CABとは?】出題傾向と対策方法を例題を用いて徹底解説!
CABとは?
CABは、日本SHL社が提供するコンピュータ職向けの適性検査です。
主に、SEやプログラマーなどIT業界の専門職の採用テストとして使用されていますが、最近では人気・大手企業を中心に他の業界でも実施企業が増えています。
受検方法には、筆記テストの他、自宅で受検できるWebテスト「Web-CAB」、試験センターでの受検型「C-CAB」があります。
科目の内容や制限時間、電卓の有無が異なるため、受検形式の確認は必須です。
検査内容は、大きく分けて「能力検査」と「性格検査」が行われます。
能力検査は、「暗算(筆記)」「四則逆算(Web)」など計算スピードが求められる問題、「法則性」「命令表」「暗号」など複雑な図形の組み合わせから答えを導き出す問題です。
論理的思考力や情報処理能力が求められるテストなので、問題を見てすぐに解法を思い浮かべられるかがポイントになります。
難解な問題が多いので、1つひとつの問題をじっくり解いてしまうと「時間が足りない」「最後まで解けなかった」という事態になりかねません。
まずはCAB独自の問題形式に慣れること、時間を意識した練習法を行うことが重要です。
はっきりした合格ラインは公表されていませんが、最低でも6割以上の正答率を目指して対策しましょう。
CABのテスト方式
ペーパー形式
ペーパー形式は、企業が準備した試験会場で行われます。問題は紙の冊子で配られ、回答はマークシート方式です。
出題科目は、「暗算」「法則性」「命令表」「暗号」と「性格テスト」で、このうち「暗算」はペーパー形式でのみ行われる科目です。なお、電卓の使用は認められていません。
ペーパー形式のメリットは、問題冊子に自由に書き込みができる点です。
特に図形問題を解くときに線を引いたり余白にメモしながら解くことで、解答スピードをアップできます。
対策の段階からどんどん書き込みをしてスムーズに解けるようコツを掴みましょう。
Web形式
Web形式は、「Web-CAB」と「C-CAB」の2種類に分けられます。
「Web-CAB」は自宅や学校のパソコンを使って適性検査を受検する方法です。一方、「C-CAB」はテストセンターで受検する方法のことです。
試験方法や出題内容はWeb-CABとC-CABは同じですが、形式によって名称が異なっているので注意しましょう。
Web-CABの場合、「暗算」の代わりに「四則逆算」が行われ、電卓の使用が認められています。その他の科目はペーパー形式と同じです。
Web-CABはペーパー形式に比べて難易度が高く、先に進むほど難しい問題が出題される仕組みになっています。
前半の簡単な問題は素早く解答するなど、時間配分を意識するのがポイントです。
なお、Web形式で特に自宅受検の場合は、受検日の確保やPCの設定、ネット環境などを自身で整えなければなりません。
期限内に余裕を持って受検できるよう、早めの準備を心がけましょう。
ペーパー形式とWeb-CAB違い
ペーパー形式とWeb-CABでは、問題数と時間配分に違いがあります。
科目 | ペーパー形式(問題数/時間) | Web-CAB(問題数/時間) |
暗算 | 50問/10分 | – |
四則逆算 | – | 50問/9分 |
法則性 | 40問/15分 | 30問/12分 |
命令表 | 50問/20分 | 36問/15分 |
暗号 | 39問/20分 | 30問/16分 |
性格検査 | 68問/約30分 |
CABは、ペーパー形式・Web形式のどちらも、問題数に対して制限時間が非常に短いのが特徴です。
1問あたりの解答時間の目安は、暗算と四則逆算で10秒前後、その他の問題では20〜30秒程度しかありません。
問題形式にしっかり慣れ、時間配分を意識した対策をしましょう。
CABの出題内容
暗算
暗算は、足し算・引き算・掛け算・割り算など基本的な計算問題が出題されます。
50問を10分で解かなくてはいけないため、1問あたり約10秒前後での解答が目安です。
この科目では、正確に計算する能力よりも、解答を瞬時に推測できるかが試されています。
大きな数字や小数点があると難しく感じるかもしれませんが、四捨五入や端数の切り捨てなどでざっくり計算し、選択肢の中から近い数字を探すと素早く解答できます。
暗算の難易度はそれほど高くないので、コツをつかめば得点源になる科目です。
慌てると数字や小数点を見間違ってしまうので、スピードを意識しつつ落ち着いて対応しましょう。
四則逆算
四則逆算とは、方程式の空欄になっている「□」に入る数字を推測する問題です。
50問を9分で解答するため、暗算と同様に、1問あたり10秒前後での解答が目安です。
電卓の使用も認められているので、とにかくスピードを意識して解答しましょう。
確実に得点していくために、まずは方程式の基本的な解き方を復習するのがおすすめです。
具体的には数字を左側から右側に移すときに「+ −、÷×」の変換に注意する、括弧で括られた式から先に計算する、などが挙げられます。
また、電卓の「%」キーやメモリー機能などを使いこなせば、より効率的に解くことができます。
四則逆算は、算数の基礎があれば決して難しい問題ではありません。練習問題を繰り返し解いて、スピードアップを目指しましょう。
法則性
法則性の検査項目は、5つの図形から法則を見つけ出し、空欄に当てはまる図形を選択する問題です。
Web形式では30問を12分で、ペーパー形式では40問を15分で解かなくてはならないので、1問当たり20秒前後が目安となります。
法則性は発想力が求められる科目ですが、頻出される問題パターンが決まっています。
次の表を参考にしてください。
法則のパターン | 内容 |
移動 | ますの中を図形が四隅・左右などに移動する |
回転 | 図形が一定の角度で回転する |
色 | 白黒のパターンが変化する |
変形 | 四角・三角・円のうち、図形の形が交互に変わる |
増減 | 線や図形の数が増えたり減ったりする |
入れ替え | 内側と外側の図形が入れ替わる |
法則は1つではなく、上記のパターンがいくつか組み合わさった複雑な問題も出題されます。
出題傾向を抑え、少しでも早く法則を見つけられるよう特訓しましょう。
命令表
命令表は、命令記号の指示に従って図形を変化させ、最終的な図形の並びを選択する問題です。
命令記号は10種類あり、上下・左右を逆さまにする、図形を入れ替える、命令を取り消すなどの指示が決められています。
web形式では36問を15分で、ペーパー形式では50問を20分で解答しなくてはならないので、1問あたり25秒前後が目安です。
難しい問題ではありませんが、制限時間を意識すると焦ってしまいミスが頻発しやすい問題です。
命令表を素早く解くには、とにかく練習問題をこなして形式に慣れるしかありません。
使用済みの命令や消された図形は斜線で消す、矢印を書くなど、問題用紙やメモ欄に書き込みして情報を整理しましょう。
暗号
暗号は、命令表とは逆で、図形の変化から記号がどんな指示(=暗号)を示しているのかを読み取り、解読した暗号を使って設問に答える問題です。
web形式では30問を16分、ペーパー形式では39問を20分で解答しなくてはならないので、1問当たり30秒前後が目安です。
複数の図形が変化していくため、最初の図形が最終的にどのような形になっているか、共通する暗号はないか整理しながら解くのがポイントです。
例えば、大きくなる、黒くなる、逆さまになる、線が入るなど、具体的に変化をメモしておくと速く法則を見つけられます。
問題形式が把握できていれば、本番でもすぐに取り掛かかれるので、繰り返し問題を解いて練習しましょう。
CABの例題
例題1(暗算)
【例題】
546-292+150=
<選択肢>
- 504
- 404
- 354
- 654
- 1054
引用:一般常識一問一答.com
暗算は、四捨五入や端数の切り捨てでざっくり計算するのがポイントです。
この問題では、546→550、292→300と置き換えると、550−300+150=400となり、1番近いBが正解となります。
大きな数字や小数点、分数が含まれる問題もありますが、シンプルな数字に置き換えると素早く計算できます。
例題2(四則逆算)
【例題】
□に当てはまる数字は選択肢A~Dのうちのどれか。
50×□+30=50
<選択肢>
- 1/4
- 2/5
- 3/5
- 1/3
引用:インターンラボ
この問題は、30を右に移すとスムーズです。50×□=50−30→50×□=20、つまり、□=20/50で2/5となります。
四則逆算はとにかくスピード勝負です。電卓も駆使して、素早く正答を導きだしましょう。
例題3(法則性)
【例題】
?に推測される図形をA~Eから選びなさい。
引用:一般常識一問一答.com
この問題は、よく出るパターンのうち「増減」に当てはまり、1つ前は1個だった図形が2個に増えていることに気付けるかがポイントです。
空欄の前後のマスを見ると、空欄には円が2つ、三角が1つ入ると推測できます。
時間短縮のためにも、頻出パターンは暗記しておきましょう。
例題4(命令表)
【例題】
命令表に記載された命令を上から順番に実施する。
この結果として得られる図形群は選択肢A~Dのうちのどれか。
この問題では、1番上の「次の命令を取り消す」を実行することで、最初の2つの命令をすぐに消去できるかがポイントです。
後は順番に、図形左右反転と順序の入れ替えを確実に実行していきます。
実行済み・取り消した命令に斜線を引き、左右逆になった図形は簡単にメモしておくと間違いを減らせます。
メモを書く練習も含め、たくさんの問題に挑戦してから本番に臨みましょう。
例題5(暗号)
【例題】
正方形の中の図形が円形の暗号にしたがって、下図のように変化している。
(1)空欄となっている図形にふさわしいものは選択肢A~Eのうちのどれか。
(2)空欄となっている図形にふさわしいものは選択肢A~Eのうちのどれか。
(3)空欄となっている図形にふさわしいものは選択肢A~Eのうちのどれか。
暗号は、いかに速く記号の意味を読み解けるかがポイントです。
図形がどのように変化したか、余白に書き出して考えてみましょう。
この問題では、黒い三角→小さくなる・星型になる、黒い五角形→小さくなる・白くなる、ということがわかります。
のうち共通しているのは「小さくなる」なので共通して使われている「Ω」は図形を小さくする暗号であるとわかります。
となると「≒」は「星形にする」、「≡」は「白くする」という他の記号の意味も判明します。
CABで高得点を取るための対策法
テスト形式・出題傾向を把握する
CABを受検することがわかったら、ペーパー形式・Web形式のどちらなのかを確認してから対策を始めましょう。
ペーパー形式では「暗算」、Web形式では「四則逆算」をそれぞれ対策する必要があります。
形式によって問題文に書き込みができるか・できないかという違いもあるため、それぞれ本番を想定した練習をしましょう。
また、Web-CABの場合は、全体的にペーパー形式よりも難しい問題が出題されるため、難易度の高い練習問題をこなしておくと安心です。
前述してきたとおり「法則性」「命令表」「暗号」は初見でスムーズに解くのは難しく、対策しないと他の受検生と大きな差がついてしまいます。
出題傾向・問題数・制限時間を事前に把握してから本番に臨みましょう。
問題集を繰り返し解く
CABで確実に得点するためには、問題を繰り返し解いて、形式に慣れておくことが大切です。
テキストはいくつも買う必要はありません。各社からCABに特化した参考書が出版されているので、問題のレベルや解説が自分に合ったものを選びましょう。
最初は難しいと感じた問題も、何度も解くことで傾向やパターンが掴めてきます。
1冊の問題集を完璧に仕上げれば、自信を持って本番を迎えられるはずです。
問題を見ただけで、スラスラと解答が出てくるくらいに繰り返し練習しましょう。
時間を意識して問題を解く
CABは、1問当たりにかけられる時間が数十秒しかないので、1つの問題に時間をかけすぎてしまうと高得点をとることができません。
対策する際は、時間を意識した練習法を取り入れましょう。
まずは、ストップウォッチで回答にどのくらい時間がかかっているのか計測し、実際にかかった時間と目標時間のギャップから、得意・不得意を洗い出します。
次に、タイマーを使って制限時間内に解答できるように特訓します。
苦手な科目は、理解を深めることを優先し、慣れてきたら徐々にスピードアップしていきましょう。
もし本番で全くわからない問題が出ても、考え込んでしまうとタイムロスになります。
当たりを付けて解答を選び、潔く次の問題に進みましょう。
CAB対策におすすめの対策本3選
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解説が丁寧でわかりやすいので、初めてCABを勉強する就活生や、他の参考書と併用して使いたいという人にもおすすめの1冊です。
CAB・GAB 完全対策 2025年度版
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「CAB・GAB 完全対策」(就活ネットワーク)は、CAB・Web-CABに対応した対策本です。
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「最新最強のCAB・GAB超速解法」(成美堂出版)は、実際の検査に近い問題形式・問題数でCABが勉強できるテキストです。
本番さながらの練習問題で、どれくらいの解答スピードが必要なのかを把握しながら、より実践的な対策が行えます。
難易度の高い問題も掲載されているので、Web-CABを受検する人にもおすすめです。
解答やポイントを隠せる赤シートが付いているので、繰り返し問題を解くのに役立ちます。
編集者
Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『SPI対策ナビ』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
監修者
gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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