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SPIの言語で出題される「長文読解」は、一般的な大学受験の読解問題とは異なり、短い時間で多くの情報を正確に把握し、論理的に思考する能力を測ることを目的としています。
基本的に文章は簡潔であり、設問は文章の細部を問うものから、全体の論理構造を把握しているかを問うものまで多岐にわたります。また、ビジネスシーンでよく使われる専門用語や、グラフや図表を読み解く問題も出題されるケースも珍しくありません。
SPIの長文読解は難易度が高いわけではありません。高校生レベルの知識と読解力で十分解くことができます。
しかし、回答時間が短いため「時間が足りない」と感じる方も少なくありません。SPIでは問題ごとに制限時間が設定されており、制限時間を過ぎると自動的に次の問題に移る仕組みです。
そのため、言語問題の中では比較的苦戦しやすい内容といえます。
日頃から速読や要約の練習を行い、文章の構造を素早く把握する力を養うことが重要です。
長文読解は、ほとんどの場合で出題されます。受検形式によって多少の差はありますが、「出題されにくい」という形式はありません。
特に、テストセンターでは正答率が高いほど出題数も増える傾向にあります。
言語の中では難しい問題ではありますが、「どの形式でも出題される」ということがわかっているため、対策をしておくことが無難です。
テストセンター形式のSPIでは、受検者の正答率によって問題の難易度が変わります。言語の他の問題で高い正答率を出している場合、長文読解の中でも特に難しい「複数選択式」の問題が出題される可能性があります。
こうした問題にも正答できれば、評価はかなり高くなることが期待できるでしょう。
ただし、「正答率が低いから長文は出ない」とは限りません。最低でも1問は出ると想定した上で臨むべきです。
【例題】
近年、AIの急速な発展により、私たちの生活は大きく変化している。AIは、画像認識や音声認識といった分野で高い精度を示し、様々な産業に革新をもたらしている。しかし、AIの発展に伴い、倫理的な問題も浮上している。例えば、AIによる雇用の減少や、プライバシー侵害といった問題が挙げられる。
<設問>
この文章から読み取れることとして、最も適切なものはどれか。
①AIは全ての分野で高い精度を示している。
②AIの発展は必ずしも良いことばかりではない。
③AIは雇用を創出する可能性がある。
④プライバシー侵害はAIによって解決できる。
【解答・解説】この例題の正解は、②の「AIの発展は必ずしも良いことばかりではない。」です。
文章では、AIの発展によって良い面と悪い面が両方述べられています。AIがさまざまな分野で活躍している一方で、雇用問題やプライバシー問題といった負の側面も存在することが示されています。
<選択肢ごとの解説>
①の誤り: 文章では、AIが「全ての分野」で高い精度を示しているとは述べられていません。
③の誤り: 文章では、AIが雇用を「減少」させる可能性について言及しており、雇用を創出する可能性については触れられていません。
④の誤り: 文章では、プライバシー侵害がAIによって「解決できる」とは述べられていません。むしろ、AIによってプライバシー侵害が深刻化する可能性が示唆されています。
SPIは時間との勝負です。長文読解にあまりにも時間をかけすぎてしまうと、他の問題に十分な時間を割けなくなってしまう可能性があります。
制限時間を事前に確認し、問題ごとに適切な時間配分を決めておくことが大切です。練習問題を使って、制限時間内に解けるように練習を重ねましょう。
本番では焦ってしまうことも多いため、「普通にやれば解ける」という自信を持てるまで練習することをおすすめします。
SPI対策用の問題集は数多く存在しますが、あれこれ手を出してしまうと、かえって効率が悪くなってしまいます。また、問題集が机に山積みになっている状態では、勉強に対するモチベーションも湧きません。
そのため、1冊の問題集に絞り、それを徹底的にやり込むことをおすすめします。
書店や通販で試し読みをし、難易度や出題傾向・解説の丁寧さなどを考慮した上で、自分に合った一冊を選びましょう。
SPIの長文読解は、問題に慣れることが非常に重要です。練習問題や模試で問題数をこなすことで、出題形式や出題傾向に慣れ、解き方のコツを掴めます。また、「過去問題を沢山解いたから大丈夫」という精神的な余裕も生まれるでしょう。
練習で間違えた問題については、なぜ間違えたのかを徹底的に分析しましょう。そうすれば、再び練習問題に挑戦したときやSPI本番も、同じミスを繰り返さずに済むはずです。
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長文読解は先に長文が提示されますが、そのままの順番で読むのは効率が悪いです。
まずは問題で問われている内容を確認し、選択肢まで頭に入れておきましょう。
ここで「問われていること」の全体像が掴めていると、長文を効率良く読み解くことができるようになります。
長文読解で提示される文章を、隅々まで読む必要はありません。解答に必要なのは一部の記述だけであり、他の部分を読んでいてもタイムロスに繋がってしまいます。
問題ごとに求められている内容を踏まえて、長文から探すという感覚で流し読みすることで、時間に余裕を持たせられるでしょう。
特に、問題や選択肢に特徴的な単語がある場合は、楽に解答するチャンスです。長文から同様の単語を探すだけで答えがわかる可能性があります。
接続詞は、文章の流れを把握する上で非常に重要な役割を果たします。SPIの長文読解では、適切な接続詞や助詞・助動詞を選択させる問題が出題されます。
「しかし」「ただし」「そのため」などの対比や因果関係を示す接続詞の意味を理解しておけば、効率よく問題を解き進めることができます。
なお、どの選択肢がベストかがわからない場合には、周囲の迷惑にならない程度に小声で音読してみるのも一つの手です。接続詞の意味を正しく理解すれば、文章の細かなニュアンスを捉え、正確な答えを選べるでしょう。
長文読解では、「次の文章が入るのに適した場所はどこか」といった問題が出題されることがあります。本文の文脈を素早く把握する必要があり、一見すると「どこにでも当てはまりそう」と感じることも多いです。
こうした問題は、まず他の問題から解き、長文全体の論理構造を理解してから取り組み始めましょう。
読んでいて、「論理が飛躍している」「いきなり話が変わった」と感じた箇所があれば、そこに当てはめるのが正解である可能性が高いです。
SPIの長文読解は、対策を避けて通れない問題です。限られた時間の中で、正確に文章を読み解き、設問に答えなければなりません。高得点を取るためには、日頃から対策をしておくことが重要です。
対策としては、練習問題や問題集を繰り返し解いて出題傾向や解き方に慣れていくことが効果的です。特に、苦手なタイプの問題を重点的に練習すれば、短期間でスコアを伸ばせます。
新聞やニュース記事などの文章に触れる機会を増やすだけでも、読解力を高められるでしょう。
SPIの長文読解は、対策をすれば決して難しいものではありません。焦らず計画的に学習を進められれば、良い結果に繋げられます。