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SPIのテストセンター形式は、正答率によって受検者ごとに問題が変わるのが特徴です。
その一例として、チェックボックス形式で解答する問題が出題されることがあります。チェックボックス形式では、選択肢の中から正しいものを全て選ぶ必要があり、完答以外は正解としてカウントされません。
そのため、選択肢の中から正しいものを1つ選ぶ他の問題と比べて、難易度が高くなっています。
ただし、チェックボックスが出題される分野や内容は決まっています。高得点を目指すには、出題される分野・内容を把握し、チェックボックス特有の解き方に対応するための対策が必要です。
チェックボックス問題が出題されるのは、テストの正答率が高い場合です。
受検者がそれまでの問題で一定水準の正答率を記録すると、「高難易度の問題にも解答できる」と判定され、チェックボックス問題が出題される可能性があります。
そのため、チェックボックス問題が出た段階で、既に高い正答率を出せていると考えることができます。
チェックボックス問題が出題された場合、6〜7割超えの得点を期待できます。チェックボックス問題は、それまでの正答率が高い場合に出題されるため、出題自体が高得点の指標になっています。
しかし、チェックボックス問題が出題されたからといって高得点が必ず保証されるわけではありません。問題に正解しないと点数は上がらず、ミスによって点数が下がる可能性もあります。
また、SPIの正確な点数は受検者本人に開示されません。あくまでも指標のため、参考程度に受け止めましょう。
<例題>
ハーバード大学教授のテリー・バーナムは、宝くじがあたった人たちの1年後の精神的幸せ度を調査した。その結果、宝くじがあたっても、1年後にはごく普通のレベルに落ちついてしまったという。最初は有頂天になるものの、しばらくすると不安や心配を感じるようになり、1年後には宝くじがあたるまえのごく普通のレベルまで落ちるのだという。しかし一方、人生が激変するような不幸な出来事にあった場合でも、その直後は極度に落ち込むものの、1年後には幸福度レベルはかなり回復することがほとんどだという。
つまり、外的条件がよい方にかわっても悪い方にかわっても、多くの人は次第にそれに慣れてしまう、ということなのである。もっともっとと収入をあげても、あがった収入にはすぐ慣れてしまうし、どんなに業績をあげてもすぐ不満が生まれるものなのである。
それだけあったらもう必要ないだろうと思うのに、金持ちほどケチになりお金をためこむのも、美人ほど美的条件に厳しくなるのも、ダイエットをはじめるともっともっと激しく食事制限をして体重をへらすのも、つまりは「現状にすぐ慣れる」とう心のメカニズムによるものなのである。
【問】本文に書かれていることとしてあてはまるものを以下の選択肢からすべて選びなさい。
- 人間は現状の生活にすぐ慣れてしまう生き物である
- 収入をあげれば不幸になることはない
- 頑張って収入をあげたとしても、その幸福は一時的にしか続かない
- 金持ちほどケチになりやすい
- 宝くじがあたるのは不幸の始まりである
- 人生が激変するような不幸な出来事は起こらない方が良い
SPIのテストセンター形式の言語分野では、長文読解の出題頻度は高くありません。しかし、正答率が高いと出題される可能性があります。
「本文の内容に合致する選択肢を全て選びなさい」というでの出題が多くなっています。厳しい制限時間の中で文章全体の内容を把握し、正解の選択肢を全て選ぶことが求められます。
言語分野では、テスト前半で語彙問題が出題され、その正答率が長文読解の出題確率に影響します。
語彙問題は長文読解とは異なり、暗記で対処しなければならない内容です。事前の対策で差が付きやすいため、できるだけ多くの問題に触れておきましょう。
<例題>
テニスの全国大会の決勝にP、Q、R、S、Tの5人が出場した。今までの対戦経験について次のことがわかっている。
Ⅰ Pさんは3人と対戦経験がある。
Ⅱ QさんはRさんとだけ対戦経験がある。
最も少ない情報で5人全員の対戦経験を確定するには、Ⅰ、Ⅱのほか、次のア、イ、ウのうち最低限どれが加わればよいか。あてはまるものを以下の選択肢から全て選びなさい。
<選択肢>
非言語分野では、与えられた条件を基に結論を導き出す「推論」でチェックボックス問題が出題される可能性があります。通常は、4〜5つの選択肢の中から、発生し得る結論を1つ選ぶ問題です。
一方、チェックボックス問題では、条件から発生する可能性のある結論を全て選ぶ必要があり、難易度が非常に高くなっています。
また、非言語分野全体に占める推論の割合も、SPIの高得点指標となる場合があります。テストセンター形式で出題される問題の中でも推論は特に難易度が高く、全体の6割以上を占めていると高得点が狙えます。
しかし、推論の正答率が悪いと、途中から他の出題内容に切り替わることもあります。この場合、推論でのミスが得点に大きく影響している可能性があり、注意が必要です。
言語問題で出題されることのある、長文読解が2問以上出題された場合は高得点を期待できます。
長文読解は1~3問までの間で出ることが多く、3問出題された場合は、既にかなりの正答率を出せていると判断して良いでしょう。
長文読解自体の難易度もそれなりに高いので、1~2問目が出た時にしっかり正解しておきたいところです。
文章中から語句を抜き出して空欄補充する問題の出題も、高得点の指標となります。抜き出す語句の文字数が曖昧であるほど難易度は高く、高得点の可能性も高くなります。
「〇〇字」と具体的な指定があるほど難易度は低めで、「字数制限なし」の場合が最も難易度が高いです。この指定を勘違いすると大幅なタイムロスに繋がるため、最初に必ず確認しておきましょう。
抜き出し形式のため、文章を読み込めば必ず答えは見つかるはずですが、制限時間が限られていることで難しく感じることもあります。
4タブとは、1つの設問の中に小問が4つ含まれている問題です。SPIのテストセンター形式では、2タブで出題される問題が多くなっていますが、4タブで出題された場合は高得点の指標となります。
4タブで出題された場合、単純に2タブの倍の解答時間がかかることになります。制限時間に十分注意し、確実に解答できる問題から解いていくことを意識しましょう。
特に、表の読み取り問題で出題されることが多く、4タブで出題される問題の個数によっても点数が変動します。
SPIの英語は必ず出題される分野ではありません。企業がオプションとして選択した場合のみ出題されるため、受けない人も多いです。
英語分野の長文読解は、言語分野と同様に、正答率が高い場合に出題されやすい問題です。言語よりは長文読解の出題数は多い傾向にあるため、3問以上が高得点の目安となるでしょう。
長文の文字数は、1,000〜1,500字程度が多くなっていますが、300字程度の長文が出題されることもあります。いずれも文章の難易度はそこまで高くなく、基本的な単語・文法が押さえられていれば十分に対応可能です。
SPIは出題の傾向がある程度決まっており、毎回似たような問題が出題されています。高得点をとるためには問題に慣れることが必須となるため、問題集や対策アプリを活用しましょう。
特にアプリは、スキマ時間を利用して実践的な対策が可能であり、大学やアルバイト・サークル活動などで忙しい毎日を送る就活生におすすめです。
SPI対策問題集では、5分でできる簡単レベル診断や本番想定模試が無料で利用できます。練習問題も豊富に掲載されているため、練習にも困りません。
また、手書きできるメモ機能も搭載しており、移動中や外出先でも本番に近い形式で対策を進めることができます。
SPIのテストセンターでは、得点だけでなく、「どれだけ難しい問題を解けたか」という点も評価対象に含まれます。
例えば、前半に苦手な問題が続いて「捨てる」ことが多くなった場合、後半でチェックボックスなどの難しい問題が出題されず、評価が低くなるおそれがあります。
そのため、「出たら捨てる」という問題が無いように対策を進め、どのような問題が出ても対応できるよう備えておきましょう。
また、SPIでは部分点が与えられないため、たとえ分からない問題であっても、必ず何かしらの選択肢を選ぶことが大切です。
<分野別の解答時間の目安>
分野 | 制限時間 |
言語 | 約45秒/問 |
非言語 | 1分/問 |
英語 | 約1分/問 |
構造的把握力 | 約1分/問 |
1問ごとに制限時間が設定されているのは、テストセンターの大きな特徴の1つです。この制限時間を過ぎてしまうと、自動的に次の問題に進み、戻って再度解答することはできません。
対策として行う問題演習の段階から、1問ずつ時間を測り、目安の解答時間に収まっているかどうかを確認することが重要です。
本番では続けて問題を解くことになるので、しばらく続けていても理想的なペースを維持できるかという部分まで確認しておきましょう。
ある程度の問題演習を積んだ後は、模試で自分のレベルをチェックしましょう。模試を受けることで、自分の苦手分野が明確になるとともに、自分に合った時間配分も見つけることができます。
また、本番の緊張感に慣れるためにも模試は有効です。会場は少なからず緊張感がある雰囲気になるため、慣れていないとパフォーマンスを落とす原因になります。本番に近い環境での得点力を養いながら、対策の進み具合を確認するためにも、模試の受検がおすすめです。
SPI対策メディアでは、SPIの本番想定模試を無料で受検することができます。自分の今のレベルを知るために、一度受検してみましょう。
チェックボックス問題が出題されたからといって、テスト全体の点数が大幅に上がるわけではありません。難易度の高いチェックボックス問題が不正解の場合、得点が下がる可能性もあります。
また、チェックボックス問題は当てはまる答えを全て選ぶ必要があり、部分点は与えられません。そのため、完答できないと得点にならず、最終的にパッとしない成績になる可能性もあります。
テスト前半に出題される「二語の関係」「語句の意味」などである程度得点できるようになったら、チェックボックス問題の対策に移ることも大切です。
非言語の推論でチェックボックスが出題されるかどうかは、言語全体の結果によっても変動します。つまり、言語分野全体の正答率が良ければ、非言語分野の推論で最初からチェックボックス問題が出題される可能性が高いということです。
そのため、非言語でいきなりチェックボックスが出たからといって、油断するのはNGです。言語同様に前半の正答率を高く保ち、評価されやすい難しめの問題が後半でも出るように取り組みましょう。
たまたま得意な問題が続いて正答率が上がったことによって、チェックボックスが出題される可能性も大いにあります。出題されたことに油断してやみくもに解答すると、そこから正答率が落ちていき、結果も悪くなる可能性が高いです。
テスト前半の高い正答率を活かして高得点を取るには、得意な問題と苦手な問題のギャップをできるだけなくすことが大切です。演習を通して弱点を補強し、安定した得点力を身に付けましょう。
SPIのテストセンター形式は、テスト前半の正答率によって出題される問題が変動し、チェックボックスや4タブなどの難易度が高い問題が出題されることがあります。
こうした問題は高得点の指標となり、最終的な評価の目安にできます。高得点の指標となる問題に正解できれば、さらに高い評価を目指すことも可能です。人気企業での選考通過を狙う人は、重点的に対策することをおすすめします。
また、得意・苦手分野の差をできるだけ小さくし、どの問題が出題されても安定して得点できる状態を目指しましょう。