SPIのWebテストは就活では頻出の形式です。しっかり対策しておかなければ、面接に進む前に落とされてしまうでしょう。
この記事では、SPIのWebテスト対策に向けた練習問題や練習方法を解説していきます。
おすすめの練習サービスも紹介しているので、こちらを参考にして効率的にSPI対策を進めてみましょう。
目次
SPIのWebテスト形式では、言語・非言語・性格検査の3科目だけが出題されます。英語と構造的把握力は出題範囲に含まれていません。
科目が限られていて対策を行いやすい分、他の受検者も高い得点になることが多いです。言語・非言語を中心に練習し、なるべく高い得点を目指しましょう。
Webテストは練習問題サイトや練習用のサービスが充実しています。自分に合ったものを活用すれば、効率的に学習を進められます。
まずは科目別の例題でイメージを掴み、各種練習サイトの特徴を見ていきましょう。
【例題】
文中の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
部下を にかけて育てる
<選択肢>
【例題】
AからEの文を[1]から[5]に入れて文の意味が通るようにしたとき、[2]に当てはまるものを選びなさい。
国会は憲法により[1][2][3][4][5]
A 「二院制」がとられているのは、
B その二つとは「衆議院」と「参議院」です。
C 国会は二つの議会からなる「二院制」がとられていて、
D さまざまな意見を取り入れて慎重に話し合うという目的のためです。
E 「唯一の立法機関」と定められています。
<選択肢>
【例題】
次の5つの熟語の成り立ち方として、当てはまるものをA~Dの中から1つずつ選びなさい。
(1)往復
(2)愉快
(3)仮病
(4)冷房
(5)波及
<選択肢>
出典:SPI無料学習サイト
【例題】
ある高校の学生の視力について、以下のことがわかっている。
Ⅰ 視力が1.2以上学生は6人いる。
Ⅱ 視力が0.3未満の学生は100人いる。
Ⅲ 視力が0.3以上の学生が70人以下である。
視力が1.2未満の学生は最も多くて何人か。
<選択肢>
A.16
B.74
C.104
D.144
E.164
<選択肢>
【例題】
ある高校では、修学旅行の際の食事のメニューとして昼食と夕食をそれぞれ選択肢の中から選べる。選択肢は、和食、韓国料理、中華料理、フランス料理である。下の表は、ある学年の生徒250人の選択状況を示したもののうち一部を示したものである。例えば、昼食に和食を、夕食にフランス料理を選んだものは15人いる。
昼食か夕食に少なくとも1度は和食を選んだ生徒は全体の何%か求めよ。正、必要に応じて小数点第一位以下を四捨五入せよ。
<選択肢>
【例題】
ある予備校のテスト採点は、XとYの2人で行うと6時間かかる。ある時、X1人で2時間作業し、Y1人で残りの採点をした。このときYは採点に12時間かかった。
この採点作業をX1人だけで行う場合、どのくらい時間がかかるか?
<選択肢>
【例題】
以下の質問はあなたの日常の行動や考えにどの程度あてはまりますか。
最も近い選択肢を1つ選んでください。
(1)いろいろなところに出かけるのが好きだ
(2)何ごとも継続が大切だ
(3)あまり欲がないほうだ
(4)立ち直りは早いほうだ
(5)新しいものは何でも試してみたい
<選択肢>
Webテストの言語問題は、上記の範囲から出題されます。
いずれも語彙と読解力を問われる問題で、日頃から文章を読むことの多い方は対策しやすいでしょう。
この中でも長文読解は比較的難易度が高く、解き方のコツを良く理解しておく必要があります。それ以外に関しては大きな難易度の差はありません。
また、出題頻度としても長文読解以外の方が高い傾向にあるため、まずは他の3つを完璧にしてから長文読解の対策に取り掛かると効率的です。
非言語問題は、上記のように広い範囲から出題されます。
割合や確率・速度といった、「そもそも計算方法を知らないと解けない」タイプの計算問題が多く出題されます。計算方法の知識が欠けていると、計算力があっても苦戦してしまいます。
どの計算も中学~高校程度の知識しか求められませんが、大学受験からしばらく経って忘れている人も多いでしょう。言語以上に入念な対策が求められる科目です。
また、「推論」は文章から条件や要件を読み取って答えを考え出す問題で、他の問題とは異なる思考が求められます。比較的出題されやすい上、単純な計算力だけでは解決できない内容なため、注意が必要です。
Webテストの場合は電卓の使用が認められており、電卓を前提にした計算量の問題が出題されることもあります。暗算で済ませるものと電卓を使うものを瞬時に区別し、計算に時間をかけすぎないようにすることがポイントです。
メモが有効な問題も多いため、筆記用具と大きめのメモ用紙を用意しておくと有利に進められるでしょう。
性格検査では上記のような質問が300問出題されます。制限時間は30分であり、1問あたりにかけられる時間はおよそ5~6秒です。
じっくり回答する時間はなく、企業もその時に素直に感じた答えを求めています。そのため、「どう思われるか」といったことは考えずに、正直な回答を行っていくことが大切です。
性格検査の結果からは、あなたの人柄や仕事への姿勢のイメージが判断されます。能力検査で高い点を取っていても、一緒に働けないような人柄だと判断されれば、選考に落とされることもあるでしょう。
基本は能力検査の対策を優先しつつ、性格検査の準備も忘れずに行っておく必要があります。
「SPI対策模試」では、無料で言語・非言語・英語の練習問題に取り組むことができます。
模試の種類は「簡単レベル診断」と「本番想定模試」の2タイプです。
「簡単レベル診断」は各科目5分で終わるので、スキマ時間にサクッと勉強できます。SPIでどんな問題が出るか知りたいという人にもおすすめです。
「本番想定模試」は各科目12分間で、本格的なSPIの模擬試験を受けることができます。じっくり取り組みたい・本番前に腕試しをしたいという人におすすめです。
1問ごとに制限時間が設定されているので、本番に近い感覚で解くことが可能です。また、就活生の中で自分のレベルはどのくらいなのかを確認することもできます。
SPIの提供元でもあるリクナビが提供しているオリジナルテストです。
内容は、言語(15分)・非言語(35分)の合計50分で、実際のWebテスト形式で受検できるようになっています。
年に2回実施され、会員1名につき1回だけ受検できます。本番直前の対策など、自分の就活スケジュールに合わせて活用しましょう。
マイナビが提供している適性検査対策の講座と模擬テストです。
模擬テストの内容は、言語・非言語・一般常識・時事問題の4つの科目から10問ずつ出題され、制限時間は40分となります。
年に10回開催され、各回1週間以内であればいつでも受検可能です。その他、実力アップ講座で合計600問ほどの練習問題にも挑戦することができます。
問題は定期的に更新され、多くの問題が解けるので、苦手分野の重点対策におすすめです。
キャリタス就活が提供しているSPI・一般常識・玉手箱の練習問題です。
模擬試験はSPIは年に7回、一般常識は3回、玉手箱は3回開催され、受験期間は各回10日です。開催終了後も過去問に挑戦することができます。
また、SPIの模試では年に2回、構造的把握力検査の問題も能力検査に組み込まれます。構造的把握力を受検する可能性のある人は日程を確認して挑戦してみましょう。
また、Webテストがどういうものか知りたいという人には、同じくキャリタス就活の提供するお試し!Webテストもおすすめです。
こちらでは、SPI・玉手箱・Web‐CAB・TG‐WEBの再現問題がミックスされ、言語(5問)・非言語(10問)に挑戦できます。
SPI以外のWebテストも雰囲気を掴むことができるので、対策を始める際に利用してみると良いでしょう。
出典:SPI3 WEBテスティング練習問題(模擬試験)に挑戦!
大人塾ではSPIのWebテストの中でも、非言語に特化した練習問題が提供されています。
解いた後はすぐに結果がわかる形式なので、気軽に試すことができる点が魅力です。
また、大人塾では各種適性検査の講座を通学とEラーニングで提供しています。こちらは有料となりますが、興味のある人は公式HPをチェックしてみましょう。
SPIオンラインでは、会員登録不要でSPIの問題を種類別に練習できます。
問題はテストセンターとWebテストに分かれており、複数企業でSPIを受ける方にもおすすめです。
問題は高い精度で再現されていますが、一部問題は選択方式が本番と異なることがあります。注意書きも良く読んだ上で利用するようにしましょう。
Webテスト対策の第一歩は、出題範囲の問題を一通り解いてみることです。問題1つ1つの細かい対策を始めるよりも、まずは大まかな問題形式を知っておきましょう。
SPI全体の問題は、アプリや練習サイトで確認することができます。ここでは、Webテストで出題されない問題は飛ばして解いても構いません。
また、問題1種類につき2~3個は解いておくのがベストです。後で復習する問題を選ぶ時の判断軸になります。その際は、単に「不正解だった」と一括りにするのではなく、「解き方がわからなかった」「ケアレスミスをした」などの原因を意識しておくことも重要です。
言語対策としては、長文読解をはじめとした文章問題に慣れることを優先しましょう。出題数が多いのは語彙力を問われる問題ですが、こちらは勉強で大きく伸びるものではありません。
長文読解はまず1問は出る上に、配点も重い問題です。解き方がわかっていれば高い正答率を出せる内容のため、対策の優先度が高くなっています。
また、文章整序は長文読解ほどの文章量はありませんが、同じく文章力が問われる内容です。自然な形の文章が何なのかを理解していないと正答することが難しいです。
こうした文章問題のテーマは様々ですが、社会問題や就活関連の内容になっていることが多いです。ニュースや新聞など、近いトピックの文章を読んでみることが主な勉強方法になるでしょう。
文章問題では、「文章を要約できるか」「素早く読み切れるか」の2点が重要になります。600字程度の文章を、1分程度で軽く要約できるようになるのが目標です。重要な記述だけに目を通し、他は読み飛ばすという感覚を身につけましょう。
非言語は基本的な計算問題が多く出題されます。中でも「確率」「割合と比」「損益算」「速度」「料金の割引」は、公式を知らないと時間内に解くのがかなり厳しい問題です。
上記の基礎的な公式は必ず覚えておき、できれば式を変形して応用できるようになっておきましょう。
公式の変形が必要になりやすいのは速度の計算です。速度を求める場合は公式のまま使えますが、距離か時間を求める場合は変形した方がスムーズです。
例えば、「速度と時間の情報から距離を求める」場合は、「速度×時間=距離」という式で計算します。
こうした応用が利かない暗記はあまり役に立たないので、実際の問題と見比べながら公式を押さえておきましょう。
Webテスト対策の一区切りとして、問題ごとの時間配分を決めておきましょう。問題によってかけるべき時間は異なるので、全体で「1問〇秒」というペースで解くことはできません。
ただし、問題1つ1つの時間配分を覚えるのは難しいでしょう。「短い問題は30秒以下、長い問題は1分以下」といった大まかな指標だけでも決めておけば解答ペースを保てます。
検査中の画面にも残り時間の表示はあるものの、それを何度も気にしているとかえってタイムロスに繋がります。問題ごとの経過時間は感覚でわかるようになると良いでしょう。
SPI対策の最後は、残った時間で苦手分野を減らしていくことになります。ここを完璧に終わらせることは難しく、基本的には「できる限りやっておく」という段階です。
苦手分野が多少残っていても、ここまでに基本を押さえられていれば本番で7割以上は狙えるでしょう。
苦手分野をなくす際は、なぜ苦手なのかを分析してみることが重要です。そもそも解き方が間違っている場合もあれば、時間が間に合わないだけという場合もあります。苦手な理由に応じて、解説を熟読する・とにかく数をこなして慣れるといった別々の対策を講じましょう。
SPIのWebテストは実施される機会が多い分、練習用のサービスも数多く存在します。手軽に利用できる練習サイトの中から、自分に合ったものを探してみましょう。
Webテスト対策は、大きく「問題に一通り慣れる」「科目別の基礎」「苦手の克服」という段階に分かれます。しっかり時間をかけなければいけないので、なるべく早くから対策を始めておくことをおすすめします。
SPIの難易度は高いわけではなく、基本を押さえてコツコツ勉強すれば誰でも目標達成は可能です。時間をかけるほど得点も伸びやすい適性検査なので、自身が納得できるまで対策を行いましょう。