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「Webテスト」とは、好きなタイミング・好きな場所でSPIの適性検査を受けられる形式です。指定の会場などに行く必要がないため、他の企業の選考と並行して受検しやすいことが最大のメリットです。
正式には「Webテスティング」という名称で、その他の形式として「ペーパーテスト」「テストセンター」などがあります。
Webテストは他の形式とは異なり、人の目で監視されることがありません。そのため、比較的リラックスした状態で検査を進められます。
ただし、不自然な操作はシステムで記録され、企業に報告されます。不正行為はもちろんNGですが、監視がないからといって気を抜きすぎないように注意が必要です。
SPIのWebテストの受検は、企業の案内メールから手続きが始まります。案内メールには、以下のような情報が含まれていることが一般的です。
・受検用のURL
・ログインIDとパスワード
・受検の期限
・検査の実施内容
・受検上の注意事項
これらの情報が届いたら、すぐに受検用のURLと、ログインID・パスワードが問題なく使えるか確認しておきましょう。
期限ギリギリになってからログイン上の問題に気付いて問い合わせた場合、企業の対応が間に合わない可能性があります。企業によっては2~3営業日後の返信ということも珍しくありません。
なお、検査の実施内容については、事前に対策されないために記載していない場合もあります。この場合でも、基本的には言語・非言語・性格検査の3つを対策しておけば問題はありません。
Webテストではカメラやマイクは使用されないので、ネットに接続したPCさえあればどんな場所で受検しても構いません。
しかし、あくまで真剣に受ける検査であるため、以下のように集中しやすい場所で受検することをおすすめします。
・自宅(特に自室)
・学校や図書館のPCコーナー
・個室のネットカフェ
集中できない環境では、本来の力が発揮できません。SPIは制限時間が厳しく、最初から集中できていないと後から遅れを取り戻すのは難しいです。
また、ネットの接続が不安定・途切れたなどのトラブルがあると、企業によっては再受検が認められないこともあります。自宅や学校などのPCで、できれば有線接続を行って検査に臨むようにしましょう。
企業からの案内に書かれている期限は必ず守りましょう。少しでも遅れた時点で不採用が決まり、それまでの準備が台無しになってしまいます。
ほとんどの企業は「検査の完了日時」を期限として指定しています。期限の直前はサーバーが重くなることもあり、1時間前などに始めても間に合わない可能性が高いです。
Webテストについての問い合わせは毎日9時~18時までしか受け付けていないため、早朝や深夜に不具合が出てしまった場合には再開も難しいでしょう。
日数に余裕があるにもかかわらず、サーバーやネットのエラーなどを受検できなかった理由にしても、救済措置はないことが基本です。日数には余裕を持って受検するように意識しましょう。
SPIのWebテストでは、言語・非言語問題を合計35分、性格検査を30分で解いていきます。言語・非言語は1問ごとに制限時間が設定されており、問題数も正答率に合わせて変動します。
また、いずれも一度回答した問題を後から答え直すことはできません。わからない問題を後回しにできないため、「わからなければ適当に答えて次へ進む」ということも重要になります。
なお、Webテストではオプション検査の英語と構造把握は出題されません。
Webテストの言語問題は、上記の範囲から出題されます。
いずれも語彙と読解力を問われる問題で、日頃から文章を読むことの多い方は対策しやすいでしょう。
この中でも長文読解は比較的難易度が高く、解き方のコツを良く理解しておく必要があります。それ以外に関しては大きな難易度の差はありません。
また、出題頻度としても長文読解以外の方が高い傾向にあるため、まずは他の3つを完璧にしてから長文読解の対策に取り掛かると効率的です。
非言語問題は、上記のように広い範囲から出題されます。
単純な計算力を問われる問題から、理論的な思考力が必要な問題まで幅広い分野が含まれるため、重点的な対策は必須です。
Webテストの場合は電卓の使用が認められており、電卓で計算することを前提にした計算量の問題が出題されることもあります。暗算で済ませるものと電卓を使うものを瞬時に区別し、計算に時間をかけすぎないようにすることがポイントです。
メモが有効な問題も多いため、筆記用具と大きめのメモ用紙を用意しておくと有利に進められるでしょう。
・二つの性格や考えのうち、どちらに近いかを4段階で答える
・質問に対し、「あてはまる」~「あてはまらない」を4段階で答える
性格検査では上記のような質問が300問出題されます。制限時間は30分であり、1問あたりにかけられる時間はおよそ5~6秒です。
じっくり回答する時間はなく、企業もその時に素直に感じた答えを求めています。そのため、「どう思われるか」といったことは考えずに、正直な回答を行っていくことが大切です。
また、性格検査の結果からは、あなたの人柄や仕事への姿勢のイメージが判断されます。能力検査が終わったからといって適当に答えるのはNGです。
・受検前の最終チェック:10分
・ログインと操作方法の確認:5分
・能力検査:35分
・性格検査:30分
SPIのWebテストは、能力検査35分、性格検査30分の合計65分となっています。しかし、この他にもログインや確認事項を読むために時間がかかります。
Webテストでは科目の間を除き、検査の途中で離席することはできません。余裕を持って1時間半程度はスケジュールを完全に空けておき、最後まで続けて検査できるよう調整しておきましょう。
また、学校や施設などのPCを借りて受検する場合は、利用時間にも注意が必要です。検査時間ぴったりでPCを借りていると、最後まで解き終わる前に中断させられてしまう可能性があります。
Webテストの画面には、「制限時間」「回答数」「回答の選択肢」「次へ」など様々な表示があります。
テストの種類ごとに表示される項目や位置が違うので、事前に確認できていると安心です。問題集によっては実際のテスト画面を図で解説しているものもあるので参考にしましょう。
特に、制限時間のカウントは普段の勉強中には見えないものです。時間が減っていくことで焦るかもしれませんが、気にしすぎると問題に集中できなくなってしまいます。
普段解けている問題であれば、制限時間に間に合わないほどの難易度ではありません。落ち着いて回答していきましょう。
Webテストではカメラや音声での監視は行われませんが、不自然な操作やアプリケーションは即座に感知されます。
別のウィンドウを何度も開いたり、明らかに答えを見ているような速度で問題を解いていると、不正の疑いがあることが企業側に伝わります。
一度不正の疑いを持たれれば、印象を払拭することは困難です。勘違いで折角の勉強を無駄にしないためにも、不正を疑われかねないことは控えるようにしましょう。
SPIの問題は、問題の種類ごとに似たような形式でしか出題されません。文章や数値はその時によって異なりますが、解き方自体は共通しています。
そのため、問題を見ただけで解き方がわかるようになれば、時間に余裕を持たせることが可能です。落ち着いて問題に取り組むことで、正答率も上がるでしょう。
問題のパターンを理解するためには、まず出題範囲の練習問題を一通り解いてみることがおすすめです。そこから問題の種類ごとの傾向を分析し、解き方のヒントに繋げましょう。
SPIの能力検査では、言語・非言語の点数はそれぞれ個別に扱われます。合計点で判断する企業は少ないため、「非言語の結果を言語の結果でカバーする」といった戦略は取れません。
どちらの点数もバランス良く上げていくためには、自分が何の問題が苦手なのかを把握しておくことが重要です。
得意分野を伸ばしても、苦手分野で点数を落としてしまえば次の選考に進むことは厳しいでしょう。現状で結果が出せていない問題を重点的に対策することで、「どちらか片方が悪いせいで落ちた」という事態を防げます。
また、苦手分野がある状態で本番に臨むのは不安も大きいです。どんな問題が来ても解けるという自信があれば、全体のパフォーマンスも自然と上がるでしょう。
SPIの問題341問を解説付きで紹介している『SPI対策問題集』を使って勉強するのもおすすめです!
\SPI対策問題集|SPIとは?練習問題341問を解説付きで公開!/
スキマ時間で勉強したい人は『SPI対策アプリ』も活用しましょう。
SPI対策として模擬試験を実施していたり、練習問題を提供しているサイトは多くあります。
こうしたSPI対策のサイトは、参考書や問題集の補助として使えるだけでなく、隙間時間での勉強にも向いています。通学中や少しの空き時間で「苦手な問題を数問だけ解く」という使い方ができます。
じっくり勉強する時間と、サイトを使った補助的な対策の時間を分けることで、より効率的に対策を進められます。
ただし、基本的にはSPI全般の問題に対応していることが多いため、Webテストだけを受検する予定の方は、出題されない問題範囲の対策に時間を割かないよう注意しましょう。
以下で紹介していくおすすめサイトも、ぜひ参考にしてください。
キャリアマインの「SPI対策模試」では、言語・非言語・英語の練習問題に取り組むことができます。
模試の種類は「簡単受検」と「しっかり受検」の2タイプです。
「簡単受検」は各科目5分間なので、スキマ時間にサクッと勉強できます。SPIでどんな問題が出るか知りたいという人にもおすすめです。
「しっかり受検」は各科目12分間で、本格的なSPIの模擬試験を受けることができます。じっくり取り組みたい、本番前に力だめしをしたいという人におすすめです。
1問ごとに制限時間が設定されているので、本番を意識した対策が可能です。また、同じ業界志望者の中で、自分のレベルはどのくらいなのか合格判定をみることもできます。
結果はすぐに確認できるので、力試しに挑戦してみましょう。
SPIの提供元でもあるリクナビが提供しているオリジナルテストです。
内容は、言語(15分)・非言語(35分)の合計50分で、実際のWebテスト形式で受検できるようになっています。
年に2回実施され、会員1名につき1回だけしか受検できません。本番直前の対策など、自分の就活スケジュールに合わせて活用しましょう。
マイナビが提供している適性検査対策です。
模擬テストの内容は、言語・非言語・一般常識・時事問題の4つの科目から10問ずつ出題され、制限時間は40分となります。
模擬テストは年に10回開催、受験期間が各回1週間となります。その他、実力アップ講座で合計600問ほどの練習問題に挑戦できます。
問題は定期的に更新され、たくさんの問題が解けるので、苦手分野の重点対策におすすめです。
キャリタス就活が提供しているSPI・一般常識・玉手箱の練習問題です。
模擬試験はSPIは年に7回、一般常識は3回、玉手箱は3回開催され、受験期間は各回10日です。開催終了後も過去問に挑戦することができます。
また、SPIの模試では年に2回、構造的把握力検査の問題も能力検査に組み込まれます。構造的把握力を受検する可能性のある人は日程を確認して挑戦してみましょう。
Webテストがどういうものか知りたいという人には、お試しWebテストがおすすめです。
お試しWebテストでは、SPI(テストセンター、WEBテスティング)、玉手箱、Web‐CAB、TG‐WEBの再現問題がミックスされ、言語(5問)・非言語(10問)に挑戦できます。
SPI以外のWebテストも雰囲気を掴むことができるので、対策を始める際に利用してみると良いでしょう。
出典:SPI3 WEBテスティング練習問題(模擬試験)に挑戦!
大人塾ではSPIのWebテストの中でも、非言語に特化した練習問題が提供されています。
短い時間で回答して結果がわかる形式なので、気軽に試すことができる点が魅力です。
また、大人塾では各種適性検査の講座を通学とEラーニングで提供しています。こちらは有料となりますが、興味のある人は公式HPをチェックしてみましょう。
SPIオンラインでは、会員登録不要でSPIの問題を種類別に練習できます。
問題はテストセンターとWebテストに分かれており、複数企業でSPIを受ける方にもおすすめです。
問題は高い精度で再現されていますが、一部問題は選択方式が本番と異なることがあります。注意書きも良く読んだ上で利用するようにしましょう。
SPIのWebテストは、ペーパーテストやテストセンターとは異なる範囲から問題が出題されます。他の受検形式では出てこない問題もあるため、Webテスト以外の対策を済ませている方も改めての対策は必須です。
制限時間のシステムとあわせてWebテストの特徴を把握しておき、本番で慌てることのないように備えておきましょう。