就活の心理テストとは？性格診断の対策や落ちる可能性について解説

就活における心理テストとは

就活における心理テストは、企業が応募者の性格や価値観、思考パターンなどを把握するためのツールです。

 

一般的には、SPIの一部として実施される性格検査が心理テストにあたります。心理テストを通じて、企業は学生が自社の仕事に合うかどうか、組織に溶け込めるかなどを判断します。

 

心理テストの結果は、面接やESの内容と合わせて総合的に評価され、最終的な合否に大きく影響することがあります。プライベートの場で触れる気軽な心理テストとは異なり、選考の合否を左右する重要な判断材料であると理解しておきましょう。

 

就活において心理テストは重要？

結論として、就職活動において心理テストは非常に重要な要素の一つです。

 

就職活動で、企業が最も重視するのは「学生の人柄」です。就職みらい研究所の「就職白書2024」の結果でも明らかになっています。性格検査は、その人柄を客観的に評価する上で、非常に有効な手段の一つと言われています。

 

企業側は、学生の能力だけでなく、その人が組織にフィットするかどうかを判断するために、性格検査の結果をより重視していると考えられます。

企業が心理テストを行う目的

心理テストは、応募者の「考え方」や「行動パターン」を客観的に評価するツールです。企業は心理テストの診断結果を通じて、学生が自社の仕事や文化に合うかどうかを判断したいと考えています。

 

また、性格診断ではストレス耐性やチームワーク能力、目標達成能力など、仕事で求められるさまざまな要素も分析できます。診断結果をもとに、学生の強みや弱みを把握し、仕事の適性や入社後の育成計画を立てることも心理テストを実施する目的の一つです。

 

また、心理テストは企業が学生のパーソナリティをより深く理解するための参考資料にもなります。学生が自己PRで述べていることと診断結果に食い違いがないかを照らし合わせれば、学生の評価をより高い精度でおこなえるでしょう。

心理テストで測定できること

大分類	小分類	内容
行動的側面	社会的内向性	興味や関心が自分自身の内面に向く性質か
	内省性	問題の原因は自分にあると考える性質か
	身体活動性	行動する際にテキパキと行動できる性質か
	持続性	一度はじめたことを諦めずに行動できるか
	慎重性	注意深い姿勢で軽々しく行動しないことか
意欲的側面	達成意欲	目標を設定して達成しようと努力できるか
	活動意欲	業務やミッションに積極的に取り組めるか
情緒的側面	敏感性	環境の変化や人間関係の摩擦に対して敏感か
	自責性	問題に対して当事者意識を持って取り組めるか
	気分性	行動や言動が感情によって左右されやすいか
	独自性	周囲とは異なる個性の強さがどのくらいあるか
	自信性	自分の考えをもち、自分軸で行動できる性質か
	高揚性	楽観的で周囲を明るくさせるムードメーカーか
社会関係的側面	従順性	人の意見や規則などに逆らわずに従うタイプか
	回避性	人との衝突を避けたがるか
	批判性	論理的・合理的思考、規準に従う考えか
	自己尊重性	自分の考えや価値観に強い自信があるか
	懐疑思考性	何事に対しても慎重で警戒心が強いタイプか

上記は、心理テストで測定できることをカテゴリー別にまとめた表です。

 

性格検査を受けるときは、中でも社交的や傾聴力、共感力などのコミュニケーションに関する要素や、楽天的、臨機応変、忍耐強さといった適応能力を強調できれば好印象につながるでしょう。

就活において心理テストで分かる主な性格と特徴

① 行動的側面

心理テストでは、あなたの行動に関するさまざまな側面が表れます。たとえば、「計画的に行動するタイプか」「変化を恐れるタイプか」など、日々の行動パターンが明らかとなります。

 

心理テストの結果が読み取れる行動的側面は、企業があなたの仕事に対する取り組み方やチームワークを理解する上で重要な手がかりとなります。企業は、心理テストの結果で明らかとなったあなたの行動的側面をふまえて、入社後にどんな姿勢で仕事に取り組むのかをイメージするでしょう。

② 意欲的側面

心理テストでわかる要素の2つ目は、あなたの仕事に対する意欲や目標達成への熱意の高さです。言い換えると、「新しいことに挑戦するのが好きか」「困難な状況でも諦めずに頑張れるか」といった仕事に対する姿勢などが挙げられます。

 

企業は、仕事に対する情熱があって成長意欲の高い学生を採用したいと考えます。そのため、心理テストの結果で意欲的側面をアピールできれば、選考を通過できる可能性は上がるでしょう。

③ 情緒的側面

心理テストでは、あなたの感情の起伏やストレスへの対処法なども明らかになります。たとえば、「ストレスを感じやすいタイプか」「感情を表に出すのが得意か」など、日々の仕事でどのように感情をコントロールしているかが診断結果に表れます。

 

どのような仕事においても、人間関係やクライアントとの軋轢といったストレスはつきものです。企業は、あなたがストレスを感じたときはメンタルがどのような状態になり、仕事にどのように影響するかを見極め、自社の社風や仕事内容とのマッチ度を判断します。

④ 社会的側面

心理テストでは、あなたが周囲とコミュニケーションを図る上で、どのような価値観や考えに則って行動するのかも分かります。具体的には、「チームワークを大切にするか」「リーダーシップを発揮できるか」といったかたちで、周囲の人とどのように関わっているかが明らかになります。

 

周囲とのコミュニケーションは、仕事を円滑に進めていくために切っても切り離せない重要な能力です。あなたが周囲と調和を図りながら仕事をするのか、それとも先陣を切って周りを引っ張っていくのか。企業は、採用したい人物像をふまえて、あなたの社会的側面を評価すると言えます。 

就活の心理テストの対策

①嘘をつかない

就活の心理テストでもっとも大切なことは、嘘をつかないことです。

 

企業は、あなたのありのままの姿を知りたいと考えています。仮に嘘をついて選考を通過できたとしても、その後の面接でバレる可能性もありますし、実際に入社した後はなおさらバレてしまう可能性は高いでしょう。

 

心理テストは、あなたの性格や思考パターンを客観的に評価するためのツールです。嘘をついてしまったら、あなたの本当の能力や適性が正しく評価されません。正直に回答した方が、あなたがもつありのままの長所や強みをアピールできます。

②一貫性を持って答える

心理テストでは、同じような質問が異なる表現で何度も繰り返し出題されるケースがあります。この場合は、それぞれの質問に対して一貫性のある回答を心がけることが重要です。

 

一貫性のない回答は、あなたが自分のことをよく理解していないというマイナス印象を与えてしまいます。また、企業側もあなたの性格や価値観を正確に把握できないので、何一つ良いことがありません。

 

心理テストを受ける前に、自分の価値観や考え方についてしっかりと整理しておくことが大切です。自己分析を行えば、一貫性のある回答が自然とできるようになるでしょう。

③練習問題で回答時間を把握する

心理テストでは、多くの問題を限られた時間内に解くことが求められます。制限時間内に焦らず回答できるように、事前に練習問題を解いて回答時間を把握しておくことが大切です。

 

練習問題を解けば、どの問題にどれくらいの時間をかければいいのかが分かります。また、時間配分を意識すれば、焦らずに落ち着いて問題に取りかかれます。時間配分がうまくいかないと、全ての問題を解き終えられず、自分の実力を発揮できない可能性があるので、注意しましょう。

④外してはいけない質問の傾向だけ押さえる

心理テスト対策として、特定の質問の傾向だけを覚えることはおすすめしません。なぜなら、心理テストは、あなたの全体的な性格や思考パターンを把握するためのツールであり、部分的な知識だけでは対応できないからです。

 

重要なのは、「なぜその質問がされているのか」「どのようなことを測ろうとしているのか」を正しく理解することです。それぞれの質問の意図を理解すれば、より適切に回答できるようになります。

 

なお、心理テスト対策本やサイトに載っている模範解答を丸暗記するのもNGです。模範解答はあくまでも参考であり、あなた自身の言葉で回答することが大切です。

一人でできるおすすめの心理テスト

適性診断AnalyzeU+（客観的な性格適性診断）

　出典：AnalyzeU+

「適性診断AnalyzeU+」は、OfferBox（オファーボックス）が提供する適個人の能力や適性、性格などを多角的に分析してくれる性格適性診断ツールです。

 

AI技術を活用し、膨大なデータから得られた知見に基づいて、あなたの強みや弱み、適性のある職種、伸ばすべき能力などを客観的に評価してくれます。

 

単に性格を診断するだけでなく、具体的なキャリアアドバイスももらえるので、心理テストを通じて将来像を描きたい方におすすめのサービスです。

性格適性診断（就活の教科書公式LINE）

出典：性格適性診断

性格適性診断は、就活の教科書が提供する就活生が自分の性格や適性を深く理解するためのツールです。

 

このLINEアカウントでは、性格診断テストの受検だけでなく、診断結果に基づいたキャリアアドバイスや、面接対策などの情報も提供してくれます。パーソナリティテストの結果から、あなたの強みや弱みを客観的に把握し、自分に合った仕事や業界を見つけるためのヒントを得られます。さらに、LINEの友だち追加だけで手軽に利用できる点も大きな魅力です。

就活の心理テストでよくある質問例

① 性格検査で落ちる確率はある？

性格検査が原因で落ちる可能性は、決してゼロではありません。性格検査は、企業が求める人物像と、あなたの性格が合致しているかどうかを測るためのツールの一つです。つまり、あなたの性格がその企業の求める人物像に合わなければ、次の選考に進む可能性は低くなります。

 

しかし、性格検査で完璧な回答をする必要はありません。重要なのは、自分の性格をありのままに表現することです。嘘をついたり、理想の自分像を演じようとしても、面接で矛盾が生じたり、入社後にミスマッチが起こる可能性があります。

② 性格検査で矛盾した回答をしても問題ない？

多くの場合、矛盾のある回答をしてしまっても、選考の合否を決める決定的な材料にはなりません。誰もが状況によって異なる行動をとることがあるので、ある程度の矛盾があることに問題はありません。

 

大切なのは、なぜ矛盾した回答をしてしまったのかを自分自身で理解することです。もし、矛盾した回答をしてしまったことに気づいた場合は、その理由を具体的に書き出し、自己分析を深めることをおすすめします。

③ 性格検査の一貫性がないのは本当にバレる？

一貫性がないとバレる可能性は十分にあります。なぜなら、性格検査はあなたの回答の一貫性だけでなく、回答のパターンや傾向も分析するからです。

 

一貫性のない回答をしてしまうと、企業から「この人は自分のことをよくわかっていない」「正直に答えていない」と判断される恐れがあります。そのため、性格検査を受ける際には、事前に自己分析を行い、自分の性格や価値観をしっかりと理解しておきましょう。

就活の心理テストにはありのまま答えるようにしよう

就活における心理テストは、企業が求める人物像とあなたとのマッチングを測る重要なツールです。自分の強みや弱みを客観的に知り、自己理解を深めれば、より自分に合った企業を見つけられます。

 

心理テストを受けるときには、「落ちる回答」や「矛盾した回答」に対する不安が付き物です。しかし、完璧な回答を考えるのではなく、「自分の性格を正直に表現すること」が大切です。

 

もし矛盾した回答をしてしまっても、慌てず自己分析を行い、今後の面接に活かす姿勢をもって心理テストを受けることを意識しましょう。