文章問題 | 図形配置問題 |
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TALは、就活生のストレス耐性や性格を測ることに特化した適性検査です。知能検査は行われないため、具体的な対策法がわかりにくい内容になっています。
TALの実施科目は「文章問題」「図形配置問題」の2種類で、どちらも独特な設問です。
文章問題では、質問に対する答えを7つの選択肢の中から2つ選びます。主に共感性や倫理観を問うような内容になっています。
一方の図形配置問題は、枠線だけが書かれた図に、18個の図形をテーマに沿って配置していく形式です。ストレス耐性や、考え方の傾向を判断するために用いられます。
図形配置は他の適性検査にはないタイプの問題であり、初めて見る人は困惑するかもしれません。
TALはWebテスト形式の適性検査のため、PCやスマートフォン・タブレットなどからいつでも受検できます。ただし、図形配置では細かい作業が必要なため、できればPCで受検することをおすすめします。
所要時間は約20分と短めであり、他の就活の合間でも受けやすい検査といえます。
カメラやマイクによる監視も特に行われないので、好きな場所でリラックスして検査に臨むことが可能です。しかし、むやみに無関係なソフトを開くなど、不自然な操作はしないように注意しましょう。
TALは性格検査のみを行う適性検査です。企業ごとに好ましい解答は異なり、明確な正解がありません。
しかし、「避けた方が無難」という解答の傾向は存在します。例えば、文章問題でちぐはぐな解答を続けたり、倫理観に欠けるような選択肢を選んでいると、多くの企業は悪い印象を抱くでしょう。
また、図形配置問題であまりにも乱雑な配置をするのも避けるべきです。性格の分析以前に、「真面目に取り組んでいない」という判断を下されかねません。
<TALの実施企業例>
TALを実施する企業は様々ですが、中でも金融・IT系の企業が多い傾向にあります。
倫理観が重視される業界では、通常の適性検査よりも深く性格を測れるTALが適しているといえます。また、独特な社風を持つ企業では、ミスマッチを防ぐためにも効果的でしょう。
逆に言えば、TALが実施されている企業は「倫理観が重要」か「社風が特殊」である可能性が高いです。性格検査だけだからと油断せず、企業とマッチすることをアピールできるようにしましょう。
TALには明確な正解がないからこそ、「結局どんな判定をされたのか」が気になることも多いでしょう。しかし、検査結果について受検者から知ることはできません。
企業から結果を通達することもできますが、実際にはほとんど行われないでしょう。基本的には選考通過の可否のみが伝えられます。
唯一、TALを受けた後の面接では、結果について触れられる可能性があります。結果の全てを教えてもらうことは難しいですが、検査結果のフィードバックや分析結果の一部であれば話題に上がるかもしれません。
ただし、その場合でも自分から結果を聞き出すようなことは避けるべきです。面接の主題から逸れてしまい、自分勝手な印象を与えかねません。
出典:キャリアジャーナル
TALの図形配置問題では、必ず「入社後に活躍する自分」というテーマが与えられます。このテーマに従い、5分間で図形を自由に配置していきます。
文字を使うことができず、図形も四角や三角・星マークなど抽象的なものしかないので、「活躍のイメージ」を表現することが必要です。
また、どういった配置がどんな評価に繋がるのかは明示されていません。企業がどんな答えを求めているのかがわからないため、自分を良く見せようとするのは難しいでしょう。
図形配置問題で提示される枠線と図形は、毎回同じものです。そのため、完成図をある程度イメージしてから臨むことができます。
中でも枠線は特徴的で、三角の頂点や円の一部が欠けているなど、「不完全に見える形」をしています。ここに図形を配置して「全体図を完成させる」ことが問題の目的といえるでしょう。
また、図形の色は赤・青・緑などからランダムに設定されます。色も含めての完成図を考えていると、思った通りに配置できない可能性があります。
基本的には、色よりも形状のイメージを優先すると良いでしょう。
できる操作 | できない操作 |
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図形は、回転させたり重ねたりして配置することができます。工夫すれば本来の形状以上の意味を持たせることもできるため、解答の自由度が高いです。
ただし、一度配置した図形は、削除・変更などができません。最初からどう置くのか考えてから配置を始めないと、全体的に散らかった図になってしまいます。
機械的に判定される部分もありますが、最終的に見るのは人です。表現の内容だけでなく、見栄えも意識して置くようにしましょう。
大前提として、TALは「勉強をしないと落ちる」という適性検査ではありません。形式を最低限理解していれば、自分の性格次第で選考通過は十分に可能です。
しかし、図形配置は他の適性検査ではみられない独特な形式になっています。何か対策をしておかないと不安に感じる人もいるでしょう。
そこで、ここからは図形配置に解答する上で有効な対策やテクニックを解説していきます。これらを参考にしつつ、自分を表現できる解答を目指していきましょう。
TALの図形配置では、毎回同じ図形を使うことができます。そのため、事前に表現したいテーマを決めておけば、検査ではそれを再現するだけで済みます。
それほど時間が厳しい問題ではありませんが、置き間違いを防ぐためには時間の余裕が必要です。あらかじめ完成図を思い描いておき、使う図形や置く場所を大まかに決めておくことをおすすめします。
使いやすいテーマとして、「人や物に囲まれる自分」「トップを目指す姿勢」「向上心」などが挙げられます。それぞれ、図形を比喩的に使うことで表現することが可能なテーマです。
図形の中には、四角や三角など単純なものだけでなく、特徴的なものも含まれます。中でも、「笑顔」「星」「月」「ハート」「二重丸」は良い印象を与える効果が期待できます。
こうしたポジティブな意味を連想させる図形は、なるべく全て使うようにしましょう。
ただし、これらの図形は必ずしも明るい色になっているとは限りません。青や灰色になっているとネガティブな印象を与えかねない図形については、その時に設定された色に応じて、使うかどうか判断しましょう。
「自分の周りを取り巻くもの」といった、形状の影響が少ない要素を表現したい時は、同じ色の図形をまとめて使う手もあります。
例えば、三角の枠線の下の方に暗い色の図形を固め、上の方に明るい色の図形を固めると、段々と向上していくような表現ができるかもしれません。
また、笑顔のマークの周りを青や緑で囲めば、落ち着いた環境で活躍したいイメージを伝えられるでしょう。
1個1個の図形に細かい意味を持たせようとしても、全て伝えることは難しいです。色だけに着目した配置などを混ぜてみると、イメージをよりシンプルに伝えることができます。
図形配置問題に複雑な図形は使われないので、手書きでもある程度の再現が可能です。まずは自分のイメージする完成図を手書きで作ってみて、それを他の人に見てもらうのもおすすめです。
「客観的にどう見えるか」を手っ取り早く確認できるため、テーマを考え直したり、表現方法を見直したりできます。
見てもらう相手は誰でも構いませんが、就活の経験者であればより実践的な意見がもらえるかもしれません。OBの先輩や、キャリアセンターの職員などを頼ってみるのも良いでしょう。
TALについて調べると、模範解答などの例が確認できます。しかし、その答えをそのまま流用すると、採用担当者は確実に気付きます。
TALを実施する以上、企業がTALに関する情報を調べていない可能性はほとんどないでしょう。ネット上で確認できる「模範解答」や「好印象な解答」は、まず企業にも知られていると考えるべきです。
そのため、ネットの情報を真似した解答をすれば、まず不合格にされてしまうでしょう。
好印象にするためのポイントは意識しつつ、最終的には自分で考えたテーマを伝えることが大切です。
TALとその他の適性検査の最大の違いは、能力検査の有無です。TALでは、言語・非言語・英語といった学力を測る科目は実施されません。
有名な適性検査であるSPIでは、能力検査と性格検査が併用されています。一方、TALは性格を測ることに特化した適性検査であり、能力は別の手段で測られることもあります。
比較すると楽な検査にも見えますが、明確な基準がわからないため答え方に悩む人も多いです。
能力検査を実施する適性検査は、様々な用途で選考に組み込まれています。能力を正確に測るためだけでなく、選考の最初の段階で足切りをするために用いることもあります。
しかし、TALは面接などの結果と合わせて、総合的に判断するための役割が大きいです。また、別の適性検査を併用している企業もあります。
性格は一概に良い・悪いを判断することができませんが、能力は数値で結果が表れます。そのため、TALと能力検査が同時に実施される場合は、能力検査の対策に注力することをおすすめします。
TALは受検者の性格を計測するための適性検査であり、優劣が付くことはありません。性格が少し合わないというだけで不採用にする企業はほとんどないでしょう。
性格検査の結果は、その後の面接で参考にするための情報として用いられることが多いです。そのため、よほど非常識な解答をしない限り、TALが原因で落ちるということは少ないといえます。
能力検査のような「足切り」や「ボーダーライン」といった基準は存在しないので、気を張りすぎないことが大切です。
一般的な適性検査には、Webテスト形式以外にもペーパーテストやテストセンターなどの受検形式があります。何の適性検査が実施されるかは基本的に通知されないため、事前情報だけでは確実に判断できないこともあるでしょう。
一方、TALは必ずWebテスト形式で実施されます。受検するためのURLを見れば、内容がTALであると判断することが可能です。
「tal-sa」「talsqi」がURLに含まれていれば、TALが実施されていると考えて間違いありません。
TALの図形配置は独特な問題であり、何もわからない状態で受けても性格を正しく伝えられません。
図形配置で重要なことは、「何をテーマにしたのか」を伝えることです。そのためには、事前に配置のイメージを決めておき、本番はそれを再現するだけで済むようにしておくことが大切です。
TALの結果は点数では測れないため、自分らしく答えることが何よりも重要となります。模範解答の例などは参考程度にしつつ、オリジナリティのある解答をできるよう心がけましょう。