
SPIと他のWebテストの違いは?種類や形式をわかりやすく解説
SPIと他WEBテストの違いは?
SPIはリクルートが提供する適性検査のことで、日本で最も広く採用されている採用選考ツールの一つです。
WEBテストは、インターネットを介して自宅や指定の場所で受検する形式の試験で、様々な企業が採用しています。ただし、WEBテストの種類によって、出題内容や形式などが異なるため、事前の対策が重要です。
導入企業の違い
リクルートが提供するSPIは、能力や性格を総合的に評価できるため、総合商社や金融業界、IT業界など幅広い企業の選考プロセスで活用されています。大手企業だけでなく、中小企業でも採用されている適性検査です。
一方、玉手箱やTG-WEBなど、他のWEBテストは特定の業界や企業で導入される傾向にあります。例えば、玉手箱はスピーディーさが求められるテストであるため、主に金融業界やコンサルティングなどで導入されています。
また、TG-WEBは論理的思考力や英語能力を重視した問題が出題されるため、技術分野やグローバル企業が多いです。どの企業がどのようなテストを採用しているのかを確認しておきましょう。
出題内容の違い
SPIと他のWEBテストでは、出題内容に大きな違いがあります。SPIのWEBテストの基本的な構成は、言語・非言語・性格検査の3つです。言語では「二語の関係」「語句の意味」「語句の用法」などの国語の問題が、非言語では「推論」「表の読み取り」「確率」などの数学の問題が出題されます。
一方、玉手箱やTG-WEBなどのWEBテストでは、言語・計数・性格検査が含まれ、企業によっては英語の問題もあります。SPIもテストセンターで受検する場合は、英語が含まれますが、WEBテストの場合は出題されません。
実施形式の違い
SPIは、テストセンター形式、WEBテスト、ペーパーテストと様々な形式で実施されています。一方で、玉手箱はWEBテストとテストセンターでの実施であり、ペーパーテストはありません。
どの方法で受検するかは、応募する企業によって異なります。志望企業が実施する適性検査のスタイルを把握し、適した対策を取ることが大切です。
WEBテストの主な種類と特徴
SPI
SPIとは、リクルートマネジメントソリューションズ社が開発した適性検査のことです。言語・非言語・性格検査という問題形式で構成されます。
中学〜高校レベルの問題が出題されるため、難易度は高くありません。正答率が高い人は後半にかけて問題の難易度が上がっていく仕組みになっています。基礎的な学習内容の復習や、参考書やアプリを活用して出題傾向やスピード感に慣れておくようにしましょう。
玉手箱
玉手箱は、日本SHL社が提供する適性検査で、SPIと並んで多くの企業で導入されています。問題形式は言語・計数・英語・性格検査で構成されています。企業によっては、英語が出題されない場合もあります。
玉手箱は問題数に対して回答時間が短いという特徴があります。例えば、計数の四則逆算では50問出題されますが、制限時間は9分しかありません。どの問題形式も1問あたりにかけられる時間が非常に短いため、時間制限を意識しながらスピーディーに問題を解く練習が必要です。
TG-WEB
TG-WEBとは、ヒューマネージ社が提供する適性検査で、SPIや玉手箱と並んで採用選考に導入されています。問題形式は、言語・非言語・英語・性格検査で構成されます。TG-WEBには、試験時間や出題範囲が異なる従来型と新型の2種類があります。
従来型は他のWEBテストに比べて出題数は少ないですが、時間は長く、難易度は高めです。一方、新型は問題数が多いですが、比較的難易度は低い傾向にあります。企業によって出題形式が異なるため、双方の対策が必要です。
Web-GAB
WebーGABとは、日本SHL社が提供する適性検査「GAB」の一種で、学校や自宅などのパソコンで受検します。玉手箱と同じ会社が提供しているため、出題形式は共通しており、英語を除いた言語・計数・性格検査で構成されています。
性格検査のみ制限時間がないという部分が他のWEBテストとの違いです。また、SPIの言語では短い文章問題がメインですが、Web-GABの言語では長文読解の問題が多く出題されるため、長文の速読力や読解力の対策が必要になります。
SPIのテストセンターとWEBテストの違い
実施場所の違い
どちらもパソコンで受検することは共通していますが、実施する場所や受検形式が違います。WEBテストの場合は、自宅や学校などインターネット環境が整った場所から自由にアクセスできます。
一方、テストセンターの場合は企業が指定した会場が実施場所です。自分で会場と時間を予約する必要があります。
出題範囲の違い
<出題科目> | テストセンター | WEBテスト |
言語 | ◯ | ◯ |
非言語 | ◯ | ◯ |
英語 | 企業による | ✖︎ |
構造的把握 | 企業による | ✖︎ |
性格検査 | ◯ | ◯ |
テストセンターとWEBテストでは、英語・構造的把握力の2分野が出題されるかどうかが異なります。基本的には、言語・非言語・性格検査で構成されているSPIですが、テストセンターの場合は、企業によっては英語と構造的把握力がプラスされることがあります。
SPIのテストセンターで実施される英語の難易度は、一般的にセンター試験レベルです。外資系企業やメーカーなどの英語能力を重視する企業で多く実施されています。
また、構造的把握力は文章を読み解いて性質ごとに分類するテストで、コンサルや商社など問題解決力や論理的思考力が求められる企業で実施されやすいです。
電卓が使えるか
テストセンターとWEBテストでは、電卓の使用が許可されているかどうかの違いもあります。WEBテストの場合は電卓を使用できますが、テストセンターで受検する場合は電卓の使用が認められていません。
特に、非言語では電卓が必要となる問題が多々あります。どの企業のSPIにも対応できるように、電卓を使う場合と使わない場合、それぞれのパターンで練習問題を繰り返しておくと良いでしょう。
結果の使い回しができるか
テストセンターとWEBテストは、結果の使い回しが可能かどうかにも違いがあります。結果の使い回しとは、過去に受検した結果を別の企業に送ることができる「前回結果送信」というシステムです。
テストセンターでは過去1年以内に受けた結果を別の企業に送信することができます。このとき、企業側には前回の受検結果を送信していることは伝わりません。ただし、1年以内にテストセンターで受検した場合にのみ適応されるシステムであり、最新の結果しか送信できないという点は理解しておきましょう。
SPIと他WEBテストはURLで見分けられる
SPIとその他のWEBテストは、受検する際に使用するURLを見れば簡単に区別することができます。SPIのWEBテストでは、「http//arorua.net/」から始まるURLで実施されることが一般的です。
また、玉手箱は「https//web1.e-exams.jp」や「https//web2.e-exams.jp」などが含まれ、TG-WEBは「http//assessment.c-personal.com/」「http//assessment.e-gitest.com/」といったURLになります。
それぞれ異なる独自のURLを使用しているため、テストを開始する前にURLを確認することで、受検するテストの種類を簡単に識別できます。試験を受ける前に、届いた案内メールや企業からの指示、URLを確認しておきましょう。
WEBテスト受検の流れ
受検用リンクを確認する
WEBテストを受検する際は、まず企業から送られてくるリンクを確認します。受検案内メールに記載されているURLは、必ず正しいものであると確認し、リンクをクリックして指定されたテストページにアクセスします。リンクが期限付きである場合もあるため、指定された期間までにテストを受けるようにしましょう。
指示に従ってテストを進める
テストページにアクセスした後は、画面に表示される指示に従い、順番に能力検査と性格検査を進めます。WEBテストが始まると、前の問題に戻ることはできません。一度問題が始まったら、集中して問題を解くようにしましょう。
企業からの連絡を待つ
テストを終了した後は、企業からの連絡を待ちます。一般的に、1〜2週間程度で合否が届きますが、企業によって連絡期間は異なります。合格の結果通知には、次選考の案内や詳細が含まれていることが多いため、見落とさないようにしっかりと確認しましょう。
SPIのWEBテストの例題
非言語|推論
【例題】
X、Y、Zが同じ絵を見てて、次のように発言した。
X この絵には虎が描かれている。
Y この絵には少なくとも虎か龍が描かれている。
Z この絵には龍が描かれている。
<選択肢>
言語|文章整序
【例題】
AからEの文を[1]から[5]に入れて文の意味が通るようにしたとき、[4]に当てはまるものを選びなさい。
在宅医療は[1][2][3][4][5]広まっている。
A. 自宅などの生活の場で
B. 第3の医療提供形態として
C . 入院医療、外来医療に次ぐ
D. 通院が困難な患者が
E. 療養を行えるようにする医療であり
<選択肢>
SPIや他WEBテストで通過するための対策
テストの形式を理解する
まず、テストの形式をしっかりと理解しておくことが重要です。 SPI では、「言語」「非言語」「性格検査」が主な出題分野ですが、他のテストでは「英語」や「計数」など独特の分野があります。
構成や問題の傾向を事前に把握することで、どの部分に力を入れて準備するべきかが明確になります。また、同じSPIでもテストセンターとWEBテストでは、形式にいくつかの違いもあるため、どの形式で受験するのかを確認し、それに合わせた対策を行いましょう。
対策本を活用する
WEBテストは、多くの対策本や問題集が市販されています。これらの対策本を活用して、実際の問題に近い形式で練習を行うことが効果的です。
問題の解き方のコツや解説が詳しく載っているため、苦手な分野を重点的に学習することができます。また、模擬試験や練習問題を繰り返し検討することで、試験の時間配分や解答のスピードを向上させることができます。
アプリでWEBテストに慣れておく
最近は、WEBテストに特化したアプリが多く登場しています。これらのアプリを使って、実際のテスト環境に慣れておくと非常に有効です。
アプリでは、どこでも簡単に問題を解くことができ、テストに必要な計算や論理的思考を練習できます。また、問題の反復練習だけでなく、フィードバックをもらえることができるので、どの部分を改善すべきかが明確になります。WEBテストは時間との戦いでもあるため、事前にアプリで練習し、慣れておくことが大切です。
志望企業が実施するWEBテストの理解度を深めておこう!
多くの企業が実施するWEBテストには、SPIの他に玉手箱やTG-WEB、GABなど、受検形式や内容が異なる多様な種類があります。応募先企業によってどれが導入されるかが異なるため、実施されるテストをリサーチし、対策を進めることが重要です。
また、同じSPIでもテストセンターとWEBテストでは勝手が違うことも多く、どちらでも対応できるようあらゆるパターンで練習を重ねておくことも必要です。自分が志望する企業が、どの種類のテストをどのように実施しているのかを理解し、余裕を持って早めに対策を取りましょう。

編集者
Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『SPI対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者
gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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