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SPIの結果を参考程度に見るような面接重視の企業では、非言語の得点にかかわらず通過できることがあります。
面接を先に行っていたり、同日にSPIを実施している企業の場合は、面接の結果が重視される可能性が高いでしょう。SPIの結果を重視しているのであれば、先にSPIだけを実施するのが一般的です。
また、グループディスカッションや企業独自の選考など別で高い評価を得ていた場合も、通過の可能性があります。
企業は、必要のない選考を行いません。選考の段階が多ければ多いほど、SPI以外の要素も重視されていると判断することができます。
企業や応募ポジションによっては、非言語の能力をそれほど重視していないこともあります。例えば、営業やクリエイティブ系の職種では、性格や言語の方が重視されやすいでしょう。
SPIでは言語・非言語・性格検査の3科目は必ず出題されることになっています。そのため、企業が重視していない場合でも非言語が出題されるのです。
「言語と性格検査の結果しか見ていない」という企業の場合は、非言語がいくら低い得点でも通過できる可能性があります。
志望者が少なく、そもそも競争率が低かった場合は、SPIの結果に関係なく通過する可能性が高いでしょう。「基準を上回る人だけを採用する」という方法は、志望者の多い企業だからこそできることです。
求人を出している時点で、企業は新しい人材が欲しいと考えています。多少気になる点があっても、応募してきた人の中から選ぼうとするのが自然です。
SPIの非言語は難易度が高めであり、ほとんど解けなかったというケースも少なくありません。人気が高くない企業であれば、非言語の得点が悪いからといって落とされる可能性は低いでしょう。
科目別の問題の種類 |
言語:約7種類
非言語:約14種類 英語:約4種類 |
SPIの非言語では、他の科目と比べても幅広い範囲から問題が出題されます。十分に対策しようとすると全部の問題に触れなければなりません。
出題頻度の偏りも少ないので、対策していない問題があると、その分だけ点数を落としやすいです。
また、割合・確率・速度といった、公式や解き方の知識が必要な問題もあります。大学受検以降はあまり使わない知識であるため、忘れている人も多いでしょう。
しかし、公式を使うのは「知らないと解けない」問題であり、対策不足だと正答できない可能性が高いです。
ペーパーテストの非言語の場合 |
30問/40分=1問1分程度 |
非言語は問題数に対して制限時間が短く、1問にかけられる時間はおよそ1分未満となっています。
そのため、正答率にこだわり、解答を考え直したりしていると簡単に時間切れになってしまいます。
また、常に時間に追われながら解答しなければならず、焦りから本来の実力を出し切れないことが多いです。「時間をかければ解けたのに」と悔しい思いをすることもあるでしょう。
SPIでは学力はもちろん、処理能力の早さも評価されています。素早さと正確さを両立しなければならず、片方が欠けていると一気に結果が悪くなってしまうのです。
受験の数学 | SPIの非言語 |
・1問に様々な知識を使う
・見てから解き方を考える ・難易度が高い |
・1問は公式1つ程度で解ける
・問題ごとに解き方が決まっている ・難易度は低い |
SPIの非言語を「中学・高校の数学と同じようなもの」と思っていると、高確率で失敗してしまうでしょう。
基礎の部分は同じでも、問題の形式が高校・大学の入試とは大きく異なります。様々な知識を使ってじっくり解く入試と比べ、SPIの非言語は「決まった解き方で素早く答えること」が重要です。
非言語の問題は出題範囲こそ広いですが、解き方のパターンは少ないです。問題を見て解き方を考えるよりも、既に覚えた解き方を引き出す力が必要になります。
こうした違いがわからないままSPIを受けると、非言語で「思ったより解けない」と感じることになるでしょう。
自宅以外でSPIを受検すると、緊張して実力を発揮し切れなかったと感じることも多いでしょう。特に、ペーパーテストとインハウスCBTでは同じ企業を志望する人と並んで検査に臨むことになります。
ライバルが1つの会場に集まるため、プレッシャーを感じるのは当然のことです。しかし、周りのことを意識していても、結果には繋がりません。
非言語は計算以外にも考えることが多いので、余計なことに気を取られていると失敗しやすくなります。
非言語でよくある失敗は、1問にこだわりすぎて他の問題に時間が残せなくなってしまうことです。「1問1分以内」を心がけて解答するだけでも、点数を大きく伸ばせる可能性があります。
非言語の問題は難易度がそこまで高くないので、苦戦しても「もう少しで解けそう」と思えてしまいます。しかし、1問を粘って時間が足りなくなると、それ以上の数の問題を落とすことになるでしょう。
確信を持てる答えが出ていなくても、消去法である程度は絞り込めるはずです。1問1問を確実に解くのではなく、なるべく多くの問題の正答率を上げることを優先しましょう。
SPIの問題は、全て選択式になっています。選択肢の数は問題によるものの、適当に選んだとしても20%近くは正解になることが期待できます。
実際には、明らかに違う選択肢を除くこともできるため、正解する確率はさらに上げられるでしょう。
SPIでは誤答も未解答も同じ評価となるため、未解答のままにしておくメリットはありません。適性検査で「適当に答える」というのは抵抗があるかもしれませんが、少しでも点を伸ばすためには有効な手段です。
1分以内では解けないと判断できた問題は、あてずっぽうで選ぶことをおすすめします。
SPIの非言語では、基礎的な算数・数学の知識が必要になります。その中でも、「四則演算」「分数」「%」のルールや計算方法は絶対に落としたくない内容です。
四則演算では、「×、÷は+、-より先に計算する」「カッコの中は先に計算する」という計算順のルールを忘れがちです。どの問題でも使う可能性がある基本的なルールなので、必ず覚えておきましょう。
また、分数も計算方法を忘れている人が多い分野です。「足し・引きする時は分母を合わせる」「掛ける時は分子同士・分母同士で計算」「割る側の分子と分母を入れ替えて掛ける」の3つが、押さえておきたいルールです。
%の計算は、まず割合の求め方を理解していなければなりません。「割合を求める値」を「全体の値」で割ったものが割合です。さらに、この割合に100を掛けたものが%となります。
この3つの知識は様々な問題で使うことになるので、必ず復習しておきましょう。
SPIは対策アプリが豊富で、練習問題には困りません。中でも、SPI対策問題集は無料で多くの問題を練習でき、模擬試験まで挑戦することができます。
全ての問題を完璧に仕上げなくても、「どんな問題が出るのか」を確認しておくことが大切です。本番で知らない形式の問題が出ると、それだけで焦りが生じてしまうためです。
非言語は特に出題範囲が広いので、ただ目を通しておくだけでも効果が見込めます。公式を思い出せない計算が見つかれば、そこから軽く復習をするだけでも点数を伸ばせるでしょう。
非言語で頻出の問題は、主に「推論」「確率」「表の読み取り」の3つです。それぞれ内容が独特なため、重点的な対策をしなければ得点に繋げにくいでしょう。
推論は、非言語の問題ではありますが、長文読解に近い内容です。与えられた条件をもとに正しい情報を推理していく問題のため、計算力は求められません。代わりに、頭の中で複数の条件を整理していく力が必要です。
確率も問題文を読み込む必要のある問題ですが、最後は計算が必要になります。確率は公式を使えばすぐに求められますが、パターンが多いため丸暗記系の問題といえるでしょう。
一方、表の読み取りではデータを効率的に読み取る力が求められます。全体を把握するよりは、解答に必要な数値をいち早く抜き出すことが重要な問題です。計算は難しくないものの、表の形式の種類が多く、「どこを見ればいいのか」で迷うことが多いです。
どれも最初は複雑に見えますが、やり方さえわかってしまえば簡単に解けます。この3つの問題を解けるようにしておくと、最低限の点数は取れるようになるでしょう。
Webテスト形式でSPIを受ける場合、電卓を使うことができます。非言語ではそこまで大きい桁数の計算はしないので、一見すると「全部暗算でいいのでは」と思うかもしれません。
しかし、少しでも自信のない計算量の時は電卓を使うことをおすすめします。暗算は間違えても気付きにくく、一定以上の計算量になれば計算速度でも電卓に劣ります。
解き方のパターンを覚えても、肝心の計算でミスがあれば台無しです。暗算に自信がない人は、少ない桁数でも積極的に電卓を活用しましょう。
SPI対策は多くの人が悩むため、YouTubeでは対策方法を解説する動画がいくつもアップロードされています。「何から始めればいいかわからない」という人でも取っつきやすい内容です。
動画だけで対策を終わらせるのは難しいですが、他の対策と組み合わせることで効率を高められるでしょう。
ただし、動画のアップロード日は必ず確認するようにしましょう。あまりに古い動画だと、最新の情報と異なる内容である可能性があります。
また、1つの動画が必ずしも正しい情報をまとめているとは限らないので、いくつかの動画を見てみると良いでしょう。
SPIの非言語は、やり方がわからないと簡単に0点に近い結果が出る科目です。しかし、時間配分の知識や最低限の対策を積んでいれば、点数を伸ばすことは難しくありません。
非言語では、暗記だけで点数に繋げられる問題が多く出題されます。そのため、数学が苦手という人でも、十分な得点を出すことは可能です。
まずは、SPIの基本である「1問にこだわりすぎない」「わからなければ適当に答える」という2点を押さえましょう。その後、頻出の問題から対策を行うことで、効率的に非言語の正答率を上げられます。