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企業によっては、SPIの位置づけが「選考のごく一部」にすぎないケースもあります。
特に人柄重視の採用方針を採っている企業では、SPIのスコアはあくまで参考程度に扱われます。選考通過の可否に大きく影響しないことも珍しくありません。
面接やエントリーシートなど、他の選考過程を重視する企業では、SPIの結果が平均的であっても選考を通過できる可能性があります。
ただし、「SPIの結果が悪いのに通過できた」という場合、続く面接などで自己アピールをしっかり行う必要があるでしょう。
SPIの通過ラインは企業ごとに異なります。人気企業や大手は高得点が必要な傾向がありますが、中小企業や採用人数の多い企業ではボーダーが意外と低く、5割程度の得点でも通過できる場合があります。
また、業種や職種によって求められる能力には差があります。SPIの結果が悪かったからといって、必ずしも選考に落ちるというわけではありません。
ただし、高得点が取れるに越したことはないので、甘く見て対策を怠るのは厳禁です。面接で結果について触れられても困らない成績を残しておきましょう。
企業によっては、能力検査よりも性格検査を重視していることがあります。その場合、0点に近かったりするボロボロな結果でない限りは問題にならないでしょう。
協調性やストレス耐性、コミュニケーション能力などが求められる職種では、性格重視の傾向があります。
ただし、企業に良い印象を与えようとして、本来の性格とはかけ離れた回答をするのはNGです。
一貫性のない回答や矛盾は、必ず結果に表れます。完璧な性格である必要はないので、ありのままの回答を心がけましょう。
学歴や保有資格を高く評価されていた場合、SPIの結果はあまり重視されない可能性があります。高い級の簿記や英検などがあると有利になるという企業も多いです。
特に、業務に深く関係するような資格は評価されやすいでしょう。「なくても応募できるが、あると尚良い」という資格は、それだけで選考通過の可能性もあります。
学歴だけで合否が決まるということは現在ではあまりみられませんが、それでも評価にプラスされる可能性は十分にあるでしょう。
<ボーダーラインの目安>
・一般的な中小企業:5~6割 ・大手メーカーなど:6~7割 ・大手の金融や商社:7~8割以上 |
SPIの平均点は5~6割程度となっており、それ以上取れていれば通過できる可能性が高いです。
大手の人気企業ではもっと得点しておきたいところですが、中小企業であれば6割も取れていれば十分といえます。
一般的に、明確なボーダーラインは公表されていません。しかし、ボーダーを厳しく設定しているような人気企業の場合、過去の受検者の情報から大まかな割合を推測することが可能です。
複数の就活サイトで志望企業の情報を調べ、SPIに関するコメントを探してみましょう。多くの人が同様の投稿をしていたら、信憑性が高いと判断することができます。
SPIは、そもそも高得点を取るのが難しい適性検査です。出題範囲が広いため、対策を完璧にするためにはかなりの時間が必要になります。
問題自体はそれほど難しくありませんが、SPI対策にかけられる時間は限られています。その中で様々な問題を仕上げていかなければならないことから、ほとんどの就活生は万全ではない状態で受検することになるでしょう。
そのため、「十分に対策できなかったけど大丈夫?」と心配する必要はありません。他の就活生も同じ条件で対策なので、完璧に対策を終わらせている人はほとんどいないといえます。
SPIは時間制限が厳しいため、難しさではなくペースの速さが原因で得点を落とす人も多いです。
1問1分程度で問題の読み取りから解答までを終わらせなければならないので、答えを考える時間は30秒程度しかありません。
学校のテストなどではじっくり考えられる場合が多いですが、SPIでは瞬発力も試されます。わからない問題で粘っていると、解き終わる前に時間切れになってしまうでしょう。
こうした独特の形式から、SPIでは時間が不足して点数を大きく落とすことが多いです。
能力検査で5割という結果は、一般的にそれほど高くはありません。5割程度の得点でも受かった人は、能力以外の部分で評価されたと考えられます。
あまりにも低い得点の人だけを足切りする目的でSPIを実施していた場合も、通過の可能性が高いです。性格検査や面接で良い印象を残せたと判断できるでしょう。
また、志望者が少なめの企業では、5割程度の結果でもボーダーラインを超えている可能性があります。例年の採用倍率をひとつの目安にしてみましょう。
人気があり志望者も多い企業では、5割程度の得点だと落とされる可能性が高いです。平均点ギリギリのラインであり、目立った成績にはなりません。
また、合計が5割程度でも、片方の科目だけ極端に低い場合はさらに低い評価になりやすいです。「言語8割・非言語2割」のように偏りがあると、「非言語で2割しか取れていない」という部分がマイナスに見られます。
倍率が高い場合は、5割よりもさらに上を目指して勉強する必要があるでしょう。
SPIは時間制限が厳しいため、ゆっくり解いているとすぐに時間切れになってしまいます。もし、解答自体を半分までしかできなかった場合、選考通過はかなり厳しくなるでしょう。
時間をかけて解いたからといって、必ず正解しているとは限りません。解いた問題の正答率を7~8割と高く見積もっても、得点にすれば3割~4割程度になってしまいます。
緊張や焦りがあるとパフォーマンスは大きく下がります。そうならないためにも、十分な練習や模擬試験などで経験を積んでおくことが必要です。
SPIと並んで対策の重要度が高いのが面接です。SPIを突破できたとしても、面接で悪い印象を残してしまえば内定獲得は難しいでしょう。
また、面接の場でSPIの結果について触れられることもあります。特に、性格検査の結果と実際の印象がかけ離れていると、その違いについて問われる可能性が高いです。
「一定水準の学力」「自社で働ける性格」「面接での良い印象」の3つが揃うことで、内定に大きく近付けます。
SPIは長期間の対策が必要なため、他の就活対策が疎かになりがちです。面接もSPIと同様に重要な選考過程なので、十分な期間の対策をするべきでしょう。
SPIを通過できたことがわかると、「能力が十分なんだからもう大丈夫だろう」と油断してしまう人も多いです。
しかし、半分しか解けていないと高い能力を示せているとはいえず、面接の印象次第で落ちる可能性もあります。
選考中は「ここを突破したら安心できる」という過程はありません。SPIや面接を含め、対策できるものは必ず対策を済ませておくことが重要です。
SPIの結果に自信がなければ、面接で挽回することを狙いましょう。高い意欲を見せることで、SPIの結果を補うことが可能です。
能力検査の結果から、既に苦手なものはわかっている状態のため、苦手を誤魔化すのは避けましょう。弱点を踏まえた上で強みのアピールへ繋げることで、好印象の材料にできることもあります。
また、自身の短所をどう補うのか、どのように向き合っているのかまで伝えられると、自己理解の高さも伝わります。その際は、具体的なエピソードを交えて説明できると説得力が高くなるでしょう。
次のSPI受検に向けて対策をする際、「一度受けたことがあるという経験」は有利に働きます。問題を振り返り、「自分は何ができなかったのか」を把握することで、より効果的な対策が可能です。
苦手に感じた単元は、同じ形式の問題を繰り返し解いて解き方のパターンを身につけましょう。最初は時間を気にせず、正しく解けるようになるまで理解を深めることが大切です。
その後、実践形式でスピードと正確さを鍛えることで得点力が伸びていきます。やみくもに全ての範囲を何度も勉強するよりも、苦手分野を徹底的に克服する方が、着実にスコアアップへ繋げることができます。
「全く解けない」という問題をなくしたら、次は適切なペースで解けるように練習してみましょう。基本的には1問1分以内で、簡単なものは30秒程度を目安に進められるのが理想です。
長めの文章問題や長文読解は、特に時間がかかりやすい問題です。あまり苦手意識がなくても、目安の時間内に解き終わることができなければ本番では通用しないでしょう。
最初は1問ごとに解答スピードを計測し、慣れてきたら何問かをまとめて計ってみるのがおすすめです。何問も続いた時にペースを維持できるかどうかが、最終的に重要なポイントになります。
SPIで満点を目指す必要はないので、どうしてもわからない問題があれば「捨てる」という判断をすることも重要です。
時間をダラダラかける前に捨てる判断ができると、その後の問題の解答に余裕が生まれます。
この時、絶対に未回答のままで進めないようにしましょう。SPIでは正答した問題だけが評価基準なため、誤答も未回答も同じく不正解としてカウントされます。適当でも何かしらの選択肢を選んでおけば、偶然当たる可能性が生まれます。
5択前後の問題が多いので、適当でも2割程度は当たることが期待できます。消去法である程度まで絞り込んでからであれば、より高い確率で正答することができるでしょう。
SPIが半分しか解けなかった場合でも、企業によっては受かる可能性が十分にあります。能力検査に厳しい基準を設けているのは、ほとんどが倍率の高い人気企業です。
その他、多くの中小企業では、5割~6割程度で通過することもあるでしょう。
また、面接や性格検査の印象によって、能力検査の結果の不足を補える可能性もあります。性格検査では素直な回答を心がけ、面接で長所をより良く見せられるように対策をしておきましょう。
ただし、半分しか解けていないのは「受かる可能性がある」という程度の水準です。得点が高くて悪い印象になることはないので、手を抜かずにできる限りの対策をしておくことが重要です。